比較
「なんであんたは、あの子よりも出来ないのよ」「あの子を見習ってほしいくらい」あの子の方が器用なことなんて知ってるよ。私が出来損ないだということも知ってるよ。だからお願いします。「もうこれ以上私とあの子を比べないでよ。比較しないでよ。」毎回お願いするのにこのちっぽけな願いは響かない。届かない。願いが風になって通り過ぎていくだけ。
あの子と比較される内容全てが本当のこと。否定出来ないのも本当のこと。ただ笑ってその場を過ごしてしまう。だけど、実際は心が悲鳴を上げて泣いている。「速く『比較』が終わってほしい。」「せめて一回だけでもいいから誰でもいいから褒めてよ。」「誰か私のことを認めてよ」
いつ頃からあの子と比較され始めたのか覚えてない。思い出したくない。いつの間にか比較が始まった。いつの間にかあの子が優等生。私が劣等生になっていた。いつかこの「比較」は終わるのかな。 いつか私が優等生として褒められ認められる日が来るのかな。 これ以上劣等生として生きるのは嫌だよ。嫌いだよ。辛いんだよ。溢れた大粒の雨が目からこぼれ落ちた。
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