格闘の末、フライパン返しが無くなった話

友人を招いての夕食後、台所を掃除していると
ゴミ箱をどけた時に、動くものが。
「Ｇ」と10年ぶりに、ご対面。

玄関から一緒に入ったのか。
いや、経路はどうでもいい。
問題は、我が家にゴキジェットが無いこと。

友人が虫取り網を持ってきた。
Ｇに網を被せる、Ｇが横から抜け出る。
また被せる、また抜け出る。
君は、何がしたいんだ。

Ｇにはスリッパ。
スリッパを持つが、叩ける人も、後始末できる人もいない。
ひとまず、スリッパを履いた。

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10年前…どうやってＧと闘ったのだろう。
なんか、「包むもの」を使ったような…
そう、「包（ポウ）なんとか」ってやつ！

マイケルジャクソンばりに「包（ポウ）！」を連発する私と、虫取り網でＧと格闘しながら何かツボにハマって笑い続ける友人…カオス。

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洗面所の奥から、ゴキ泡ジェットを見つけ、部屋の片隅へ追い詰めたＧへ噴射した。
Ｇは泡の中に消え、私たちはひと息をついた。
製品名に「包」は無かった。

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さて、このＧの泡玉をどうしたものか。
泡が固まったら、剥がして捨てる必要がある。
どうやって剥がす？
ゴキ泡ジェットを追加噴射しながら話し合う。
「調理ベラで剥がそう」という意見で一致した頃には、でっかい泡玉が完成した。

さっそく調理ベラで泡を剥がしにかかる。
しかし、ヘラの弾力で、剥がした泡玉がこちらに飛んできそうだ。
調理ベラを手放し、金属製フライパン返しを手に取った。

私は無心で、Ｇの姿が見えないよう、極力壁に沿ってフライパン返しを入れる。
泡玉が壁から剥がれ、転がった瞬間、友人が発した「ヒィ」という声に、ビクッとする。

なんて声だすのよ…
半泣きでＧ泡を袋に入れる私。
Ｇ袋と調理ベラとフライパン返しを、全てゴミ袋に入れ、外のゴミ集積所へ捨てる。
友人と私は、しばしの放心した後、解散した。

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そして今、
朝食に目玉焼きを焼いてから、
調理ベラもフライパン返しも無いことに気づきました。
菜箸で格闘中です。
仕事帰りに、フライパン返し買ってきます。