るにぽぬた

合唱団に入っています。ピアノを少しだけ弾きます。 写真は自分で撮影したものです。日の丸写真で申し訳ないです。 能登半島地震で被災した経験をもとに小説を書くことにしました。 合唱団の再開の見込みはたっていません。

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合唱団に入っています。ピアノを少しだけ弾きます。 写真は自分で撮影したものです。日の丸写真で申し訳ないです。 能登半島地震で被災した経験をもとに小説を書くことにしました。 合唱団の再開の見込みはたっていません。

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(仮)被災者になるということ~能登半島地震より 目次と概要

前書き 第1話 1月1日 地震発生 避難所に行く 祖母が家に閉じ込められる 第2話 1月1日深夜~2日 祖母が助け出される 医師が薬を配布する  避難所停電 第3話 1月3日 周りの人と話をする 発電機で停電が一時的に解消 第4話 1月4日 船が支援物資を運んできたが、隆起して入れないニュース 停電と解消 まだ発電機車 スプーンも紙コップも再利用 第5話 1月5日 仮設トイレ設置 ブルーシート詐欺 ガソリンスタンド再開 高齢者のトイレ問題 WiFiが使用可能になる プールの水

    • 小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第73話

      3月13日 水曜日 朝食に食パンが配られるがもらわないでおく。 日持ちしないし、食べきれないからだ。 トースターはとても人気があった。ジャムも2種類トースターの横に置いてある。トースト派の人が多いようだった。 だから食パンが届いたのかもしれない。 私は感染症が気になるので、みんなでジャムを使うことが心配だった。 息子の英語塾の先生からショートメールがきた。 丁寧な長いメールだった。先生は私立大学の講師もしていた。 地震でその大学が東京のほうに移転して再開するので、先生もそ

      • 小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第72話

        3月12日 火曜日 朝早い時間にトイレに行くと、バナナとヨーグルトがあったのでもらってきた。数は多くないので、ラッキーだった。それを朝食にした。 野菜が少ないせいか、便秘になっている。 何か便秘によさそうなものを手に入れよう。 仕事は今日も忙しかった。 しかし、ようやく地震以前の調子が取り戻せてきた感触があった。 昼は家で食べた。 またもちを焼いて韓国のりをまき、レトルトの鰯の味噌煮とインスタント味噌汁を食べた。 洗濯機も回した。 ネットを見ていたら、のんびりしすぎて時

        • 小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第71話

          3月11日 月曜日 昨日食べられなかった水ようかんを食べた。美味しかったが、朝じゃなければ、もっと美味しかったかもと思うと残念だった。 紅茶も飲んだ。 トイレに行くと、玄関の階段に手すりがついているのに気付いた。避難者が減ってからついたのは残念だけど、ついたのはいいことだから、良しとしよう。 給水タンクの水を栓を抜いて流しているのが見えた。もったいないと思った。給水タンクには関東の自治体の名前が書いてある。元の場所に戻すのだろう。 プール横の新しい配管には飲み水と書かれて

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          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第70話

          3月10日 日曜日 朝はドーナツとポテトのスナック菓子の残り半分にした。寒かったのでスープも飲む。 義母に電話をし、一緒にスーパーにいく約束をする。 これは地震前からやっていたことだ。 ちょうど一年ほど前の冬、義父が家の塀で車を擦ってから、車を手放してしまっていたのだった。それ以来、土曜か日曜には義母と一緒に買い物に行くことにしていた。 会社に寄って、仕事に必要な機材を家に運び込む。 少し掃除してから、義母と一緒にスーパーへ行く。 義母が罹災証明書をコピーしてほしいという

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第70話

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第69話

          3月9日 土曜日 雪が積もり寒い朝だった。 朝御飯を何にするか考えた。 白湯を飲んで体を温め、パンとポテトのスナック菓子の半分を食べた。 それから豆乳を飲んだ。 口内炎が思ったより早く治ってきた。 声優のたらこが亡くなったというニュースをやっていた。 ちびまる子ちゃんはそんなに見ていないけれど、あの特徴的な声が 変わってしまうのかと思うと少し寂しかった。 昨日に続いて悲報のニュースを見て、あらためて人の世のはかなさを思った。 家に戻って洗濯と片付けをした。 それから、息

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第69話

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第68話

          3月8日 金曜日 朝はパンと野菜ジュースにした。 風が強く、みぞれが降っていたので、息子はオンラインで授業を受けると言った。 私は午後から病院だから、昼は戻らないと息子に伝えた。 昼はコンビニで自分の好きなものを買おうと思ったのだ。 仕事は半日だからという思いで頑張れた。 病院に行くために家でシャワーを浴びた。 この時期にシャワーは寒かったが、体を念入りに洗えた。 宅急便の営業所に届いたと言うメールが来ていたので、病院に行く前に取りに行くことにした。 焼けた朝市の横を

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第68話

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第67話

          3月7日 木曜日 午後に体育館で音楽会があるという放送があった。 元大統領夫人だったタレントと音楽家の方が来るのだという。 でも仕事があるので、残念ながら見れない。 今日はたまたま息子が午後休みだというので、見てと頼んでおいた。 朝ご飯はパンとお魚ソーセージと紅茶の組み合わせにする。 仕事が忙しくてバタバタしていた。 その途中、父がやってきて、コーキング剤を見つけたので、下水管にコーキングをしてくれるという。 下水管を拭く雑巾や、ヘラの代わりのプラスチックのスプーンを用

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第67話

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第66話

          3月6日 水曜日 朝はパンと野菜ジュースにした。 今日はなぜか気分が落ち込んでいた。昨日の疲れが残っているようだ。 息子は今日は学校に登校した。 仕事は疲れからか、あんまり進まなかった。 昼はコンビニ弁当だった。 おいしいとは思うが、心は沈んだままだった。 午後も仕事中につい時計を何度もみてしまった。時間は進まなかった。 簡易トイレを使った。 ネットショップの発送メールがきた。 必要なものを買っただけなので、あまりときめかなかった。 仕事が終わり、避難所に戻ったころ

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第66話

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第65話

          3月5日 火曜日 余っているパンとお魚ソーセージと紅茶を食べた。 朝からネットを見ていた。 給水した水が台所で使いやすいように、3Lのドリンクサーバーを注文した。 コックをひねると液体が出てくるものだ。これがあれば、お茶碗を洗いやすいはずだ。 10Lくらいのものはホームセンターにもあるのだが、それだと台所のシンクに置くには大きすぎる。3Lがいいかどうかは使ってみないとわからない。 それと、カフェインレスの紅茶も注文した。毎朝飲んでいるものがたまたま安かった。 宅急便の営業所

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第65話

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第64話

          3月4日 月曜日 電気がついてたので起きたら6時だった。 なぜ1時間も早くついたのだろう。7時まで寝かせてほしい。 夫は起きずに眠っていた。 朝はますのすしの残りと白湯にした。 ふと、父に今までのお礼に、家のお風呂に入ってもらえばいいのではと思い、夫にそういった。 夫もそれに賛成した。 在宅勤務の途中に義母から電話があった。 病院にいくのにタクシーがつかまらなくて、送ってほしいといわれた。 タクシー会社は今、営業していないのだ。走っているのは、市外の業者だ。 在宅だって

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第64話

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第63話

          3月3日 日曜日 パン屋さんのクロックムッシュは、間にハムとホワイトソースとマスタード、上にチーズがのっていた。 値段も具材も贅沢なパンだが、こんな時だからいいだろう。 白湯を飲んだ。 家に戻って片づけをした。 夫がピアノコンサートで聴いた『カサブランカダンディ』がマイブームになったようで、繰り返し聴いていた。 「今ならこんなのDVだろ。放送禁止だ。」と嬉しそうに言っていた。 今日は天気がいいので、外の物置を片付けることにした。 ここにも義父の園芸用品などが入っていた。

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第63話

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第62話

          3月2日 土曜日 7時半に布団の中でうとうとしていたら、放送があった。 今日の昼と夜に昭和の名曲ピアノコンサートがあるという。 やっとそういったイベントに出会えたということがうれしかった。 それに、時期もちょうどいいくらいだろう。 地震発生直後は、ショックが大きくて、音楽を聴く気になれない人も多いと思うし、実際、私もそうだった。今は少し余裕が出てきた。 放送を聞いてもまだ、横になっていた。 8時に起きて、息子を見にいったら、のどが渇くという。 口呼吸だからだろう。 私がコ

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第62話

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第61話

          3月1日 金曜日 暖かい日だったので、ストーブは消えていた。 延長の音に起こされずに朝まで眠ることができた。 朝は余っているお菓子と白湯にした。 パンもあるが、賞味期限内が近いお菓子を先に食べなくてはいけなかった。 支援物資は非常食を除くと、賞味期限が近いものが多い。お菓子を食べることにもうんざりしてきた。 久しぶりの仕事だが、やる気が出なかった。 今、自分がしなくてはいけないのは家の片付けなのに、どうして仕事をしなくてはいけないのだろう。給料のためだとわかっていても、

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第61話

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第60話

          2月29日 木曜日 今日はパンの配布があったが、買ってきて食べた分、余っていたのでもらいにいかなかった。 お魚ソーセージ、パン、紅茶にした。 息子は体調がよくなってきたようで、学校に行った。薬をちゃんと持っていくように声をかけた。 家に寄って燃えるごみをだして、ちょっと考えて、義母の食べられそうなものを持ってから、義父母の家に向かった。 父はすでにきて、外の片付けをしていた。 片付けている途中で近所のKさんに会った。N市に行くことに決めたということだった。輪島塗関係の仕

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第60話

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第59話

          2月28日 水曜日 3時に延長ボタンを押してから寝れなくなった。 もうボタンを押すのもうんざりだった。家にいつ帰れるのだろう、早く帰りたい。 5時半くらいには早起きな人たちが動き出していた。 そのまま起きていようと思ったのに二度寝して、8時近くに起きてしまった。会社を休むことにしていたので、油断したのかもしれない。 パンを食べ、鉄分入り野菜ジュースを飲んだ。 息子は今日もオンラインで授業を受けるようだった。 息子に薬を忘れないように伝え、急いで出発する。 明日の午前中ま

          小説 (仮)被災者になるということ~能登半島地震より 第59話