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◆ 作業報告 20240120
【取扱い説明】
この「◆作業報告」は、速報性に重心を全振りしています。加えて、楽しく会の活動を伝える試みで、致命的且つ圧倒的に微妙な文章力を顧みず、無謀にもエッセイ体裁をとっています。まるで目をつぶって「えいやっ」と、リリースするような、月1回投稿のパートです。
ここまで読まれて既にアレルギーを生じた方は、悲しいですがご退出くださいませ。こんな感じが続きますので。
抵抗感無くここまで読まれた方は、以降もご笑覧いただければ。
プロローグ
気温12度、無風、天気はしっかり曇天の朝8時半、住宅に囲まれた椎津城跡で文化財課の2名が本日の作業の受付を開始。
能登半島の天気も関東同様下り坂とのこと。厳しいだろうなと思いつつも、今は自分の出来ることをやりましょう、と言い聞かせて作業に備えます。スマホのニュースは、お笑い芸人の訴訟やら、政治家の収支報告未記載やらで、連日目に入ってなんとなくどんよりムード。
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2024年最初の作業は、守る会(史跡椎津城跡を守る会)と知る会(姉崎を知る会)、愛する会(姉校ふるさとを愛する会)、同好会(袖校ボランティア同好会)、市原市からは文化財(教育委員会教育振興部文化財課文化財保護係)を迎え、総勢59名で臨みます。
続々と集まる参加者で、決して広くはない椎津城跡主郭にある広場は、9時の作業開始を待つばかり。
Chap.0 さまりー
今回の作業目的は4つ。
① 前回の作業でやりきれなかった竹木のチップ化と遊歩道整備
② 西郭の説明板の設置とそれにつながる遊歩道の敷設
③ 城内指定地の環境整備
④ 案内板設置
うれしいニュースもあり。
Chap.1 ほっこりしますな
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文化財のクマモトさんの進行で、守る会タマル会長挨拶の後、愛する会コセキ先生の挨拶において、文部科学大臣賞受賞のニュース。外からの眼ばかりを気にするのは活動の継続性に危うい感じがしますが、地道な活動が他者から評価されるというのは、素直にうれしい。モチベーションに直結します。
守る会は、愛する会結成の令和3年以前から、姉校とのお付き合いがあるので、すぐに乗っかりたがる気質も手伝って、自分が褒められたような気持ちです。拍手。今後も宜しくです。胸の中がざわざわする出来事が多い中、ほっこりするお知らせでした。
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クマモトさんから、寒いから体が思ったより動かないので怪我にはくれぐれも気を付けて。との言葉で挨拶は締めくくられ、いよいよ各自分担された作業に向かうのでありました。
Chap.2 本日の主役、痛恨の沈黙
椎津城跡主郭に敷かれた遊歩道脇に、昨年の作業でチップ化できなかった竹木が、結構な量で積まれています。これをやっつけて遊歩道に撒こうというのが本日の目標。さて、ここで本日の主役、ohashi社製GS281:樹木破砕機の登場です。処理能力は1時間あたり5㎥、チップに出来る樹木・竹の直径は175mm、よほど太い孟宗竹以外は「んぐんぐ」と気持ちよく飲み込んでくれます。吐き出すチップの大きさも調整可能という優れもの。ディーゼルエンジンなので燃料代も助かります。
こう書くと、やってみようかなと思われる方々がいらっしゃるかもしれませんが、すごいんです。音が。破砕の時には、まるで頭上をプロペラ機が必至で飛び続けているような、ただならぬ轟音を伴います。とても住宅地で許される感じではないのです。それでも我々の活動では無くてはならない主役級のパートナー。キャタピラ付自走式なので、けなげに城内を移動する様子は勇ましくもどこか可愛らしささえ感じます。ちゃんと動いてくれればですが…。
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休憩になって、破砕機を見ると横っ腹の蓋がぱかんと開いています。なんだか嫌な予感。近寄ると2ℓペットボトルが傍らに。猛烈に喉でも乾いているのか? オペレートしているクマモトさんに話を聞くと冷却水のタンクがすぐに空になってしまうとのこと。タンクを覗くとすっかり空。やっぱり喉が…。
タンクに穴が開いているようにも見えるので、水をこまめにつぎ足しながら動かすことも可能かもしれませんが、以前、別の要因で無理をさせて動かしたら、病院送りで大修理になってしまったことを思い出しました。お借りしている環境管理課にはこれ以上ご面倒はかけられないので、無理は禁物。勇気ある撤退と自賛して以降のチップ化は断念となりました。
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Chap.3 やり抜きますよ 気持ちで
破砕機沈黙のあおりを受けて、タフな作業になったのが遊歩道にチップを撒いていく作業。離れたチップの山から遊歩道まで人力で運んでから熊手などを使って均しています。大変そうなので「どう?」と声をかけると「気持ちですっ」との応え。なかなかつらいのね。「どういう気持ちか教えてよ、20文字以内で」などと、おじさん丸出しの質問をぐっと飲みこんで、その場を離れます。面倒臭いおじさんと認識されるには時期尚早。これからなのですよ、気持ちは。
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Chap.4 なんだかかっこ悪い
西郭(にしくるわ)へ遊歩道敷設パートのメンバーと大堀切(おおほりきり:水の入っていない堀)を移動していると、向こうからテレビを引きずるように持っている一団が。すれ違いざまに声をかけると遊歩道整備パートのメンバーで、城内を見廻っていたら指定範囲境界付近に放置されていたとのこと。20インチに満たないほどのブラウン管式テレビ。昭和の産物ですね。
要らないものを「捨てる」という行動は、だれでも、大げさに言えば人類発祥以降、当たり前のように行われているはずです。それまで使っていたものを、ある段階で要らないものと決めた瞬間に、「自分が見える範囲の外」にしたい衝動に駆られる。そうしてすっきりした気持ちになる。勿論、そのものが無くなってはいないのですけど。
「ルールを守りましょうよ」とか「そのへんにごみは捨てないで」などと、テレビを捨てた人物に対して訴えたい気持ちも無いわけではなけれど、ただ思うのは、大人が出したごみを、若い世代が始末するような風景、なんだか非常にかっこ悪い。こういうことを我々大人が次の世代に伝えていい姿かと、大いにもやもやします。
守る会が出来ることは、椎津城跡という場が、「自分が見える範囲の外」にならないように、活動し続けるしか手段はないのだけれど。
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Chap.5 何かを取り戻せた気がした かも…
東郭では、守る会によって運び込んでおいた板材を、西郭に運ぶためメンバーが集まっていました。板材の長さは4m、厚さは5cm程度あり、一人では目的地まで到底持っていけない重さがあります。当初、軽トラで運ぼうと言っていたのですが、昔ながらの方法で運んだ方が面白そうだということになり、木の棒4本とロープ4本を用意してもらいました。
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道具を前にどういう状況か理解できていないような学生に対し、ヤスダ守る会会計担当から説明があった後、板に紐を掛け、そこに棒を通して2人一組、計4名で肩に背負うのですが、皆初めての体験で、微妙な笑いが起きました。そこで、おそらく御年80歳を超えているであろうヨコオ守る会会員から激が飛びます。「真剣にやらないと怪我をする。怪我をしないためにそういう準備をするんだ。気持ちも、服装も」と。さすが昭和初期生まれ。背筋がピンとします。
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1往復終わったところで、肩を気にしている学生もいる中、これはもっといけると踏んだのか、ヨコオ会員が更なる攻勢をかけているのに気づきました。1往復目よりも多く木材を重ねています。キビキビと2往復目の準備をしている様子を、微妙な距離で取り囲んでいる学生たち。ヨコオ隊長と呼びたくなるような光景。社会は厳しいのですね。
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なんだかんだで西郭までの2往復を怪我無く無事に運搬終了。お見事でした!
これまでの経験で、火おこしをしたり、繊維を撚って紐を作ったり、こういう昔の技術に触れると、新しいものを手に入れたという感覚もさることながら、何か地に足がついたような感覚を覚える事があります。昔とつながったというか、取り戻したというか。学生たちもそういう感覚になったかなと思って、作業後に冗談で「もう一回いける?」と声を掛けたら、肩を触りながら「ちょっと、もう、いいですね」と苦笑い。そうだよねぇ。
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Chap.6 こういうことは静かに、淡々と
作業終了後、いつものように連絡事項や記念撮影をして解散。みんながいなくなってから守る会で外回りの案内板設置作業。お金を払って立派な看板を作って設置までお願いできれば、結構な年数持つのですが、南東側は日光や風雨にさらされる場所。どちらにしても劣化速度が速まるので、お手製で更新しています。今回はヤスダ会計担当作。これも味があって個人的にはお気に入りなのです。
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エピローグ
次回のために気になったことに触れて備忘録として残します。
・作業範囲:椎津城跡の指定範囲が共有されていない。環境整備系パート
のメンバー中心に、伝えることを意識したいところ。
・危機管理:作業には危険が伴う。嫌がられても常に口頭、態度で示し、
相互に確認することが、継続的な活動につながることを再度
認識して。
・トイレの場所
:椎津会館のトイレを開放していただいているが、その場
所が周知されていない。図を作成するなど必要かも。ト
イレを探して集合写真に間に合わなかったメンバーがい
ました。いろいろな意味であぶないかな。
エンドロール的な
参加者:59名
市原市教育委員会教育振興部文化財課
姉崎を知る会のみなさん
姉崎高校ふるさとを愛する会のみなさん
袖ケ浦高校ボランティア同好会のみなさん
その他有志のみなさん
破砕機(市原市環境部環境管理課自然保護係所属)
史跡椎津城跡を守る会
7.次回予告
日 時 令和6年3月23日(土)9:00~
集合場所 椎津城主郭広場
雨 天 延期or中止、前日の昼までに決定
※ 2月は作業お休みです~
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