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車椅子おばあちゃんのひとり旅?その18

静岡県掛川市『駄菓子屋横さんち』を訪ねて・・・

さてさて、途方に暮れていたら熱中症になってしまいそうな暑さです。
とりあえず駅員さんに言われた通りにホームに戻り、エレベーターの向こう側へ行ってみました。
するとそこに改札がありました。
その先にある出口がスロープになっているのかな?
そう思いながら改札を通り抜けましたが、バスもタクシーも見当たりません。

こりゃだめだ。時計を見ると約束の時間まであと1時間くらいしかありません。
「仕方がない、ハンバーグはあきらめるか」
「じゃあ、また新幹線を降りた方の出口に戻らなくっちゃ」
そう思ってそのまま引き返して改札を通り抜けたときです。

「あ、お客さんお客さん。電車に乗られるんですか?」と、改札横の窓口から声がしました。
「いえ、乗りません」
「それなら入場券を買ってください」
「え?あ、すみません。今あちらの駅員さんにここからタクシーに乗れるとお聞きしたんですけど、タクシーいないので、向こうの出口へ行きたいんですけど、外からまわれますか?」

すると駅員さんは、
「ここからは車いすではいけませんよ。スロープの通路があったんですけど今工事中で通れません」
「ですからぁ、そこの券売機で入場券を買って、車いすの人は駅の中の福祉○○で、払い戻しできますから、そうじゃないと一回出たら入れませんよ」と、きっと毎日私のような人に同じ説明を繰り返して、うんざりしているのでしょう。
早口で、淡々と説明されます。
「あ、はい、わかりました」
仕方がないので、券売機で入場券を購入しようとしましたが、
『入場券』のボタンもお金を入れるところも高くて届きません。
「誰かいないかな~」
周りを見渡しても人影はありません。
仕方なく窓口へ。
「あの~すみません、券売機届かないんですけど、お手伝いしていただけませんか」
するとさっきの駅員さんが(1人しかいないのですが)
「あ、今もうこの窓口は締まってる時間なので、いま交代のものが来ますからそれまで待っててください」
またもやうんざりげに(と思っているのは私の思い込みかもしれませんが)
言われました。
え?ちょっとボタンを押してくれるだけでいいのに
と思いながら
「はい、わかりました」とうだるような暑さの駅の小さな構内でボーっとしていました。

しばらくすると「すみません、お待たせしました」と先ほどここまで連れてきてくださった女性の駅員さんが慌てた様子で来てくださいました。
「あ、すみません。ありがとうございます」

窓口の中の駅員さんと何か言葉を交わしてから、「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と彼女は謝りながら券売機を操作して入場券を買って下さり「すみません、車椅子で行けない駅って知らなくてご案内してしまって、ご迷惑をおかけして…」
「私がご案内しますね、どうぞ」
私には彼女が天使に見えました。

地方の駅はまだまだバリアフリー環境が整っていない事、今私が暮らしている地域はとりあえずは不自由がないことに気づきました、感謝です。

「やっぱり、いろいろ出かけて行かなくっちゃね!」
決意を新たにした車椅子おばあちゃんでした。
それにしても、お腹がすきました~お昼ご飯どうしましょう?

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