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車椅子おばあちゃんストックホルムへの挑戦物語#17

「パスポートの更新をお願いします」
平日の午前中のパスポートセンターはとても空いていて、中へ入るとすぐに、スタッフの女性が近づいてきてくださいました。
「戸籍謄本のご準備はお済ですか?」
「はい、写真がまだなんです」
「ではご案内いたしますね、一番近くは・・・」
と隣接された写真屋さんを教えてくださいました。

昔から変わっていないので、懐かしい場所です。
数年前、わずかばかりの退職金と貯金をつぎ込んで、母娘3代ハワイリッツカールトンの旅行をするときにみんなでパスポートを作りに来た場所です。

受付に行くとすぐに案内されて中へ入りスクリーンの前にスタンバイ。
「マスクを外してくださいね」
”あ、リップつけるの忘れてた“
「すみませんちょっと待ってください」
慌ててバッグの中をゴソゴソ、ごそごそ
”あれ?ない?”
さらにごそごそごそごそ
”やっぱりない、忘れてきた”
そういえば昨夜、鏡の前に置いたままだった。
”どうしよう、おばあさん顔が益々ふける”
”待ってもらって、どこかで買って出直す?”
一瞬迷ったけれど
”まあいいや、誰が見るわけでもないし”
年を取ると、こういう開き直りができて楽ちんです。
で、そのままカメラに収まってしまいました。

あっという間にシャッターが押され、終了
「はい、けっこうですよ」
「え?もう撮れたんですか?」
「はい、ちょっとお待ちくださいね」
数分後、見せられたのは・・・
はい、現実です。

その、あまり見たくない写真をもってパスポートセンターへ戻りました。
先ほどの女性がすぐに机の椅子をどけてくださり、
「申請書は5年と10年どちらにされますか?」
「あ、5年でお願いします」
言った後に
”どうしよう、5年、10年、う~ん”
"5年後73歳、10年後78歳、"
申請の費用は5年11,000円、10年16,000円
前回はもう海外へ行くことはないと思って5年にしたけれど、またこうして行けることになりました。
”よし、あと10年はチャンスがあればチャレンジしよう。行けるという楽しみを10年間は持ち続けよう”
「あ、すみません。やっぱり10年のを下さい」
かくして、10年間はワクワクできる権利を手に入れたのでした!

以前申請に来たときはものすごく混んでいて、かなり時間がかかった記憶があったのですが今回はあっという間に終了。
『10年用パスポート(旅券)引換証』なるものをいただいて帰りました。

10年間わくわく

さて本日の次のミッションは、市の障害福祉課です。
電動車いすのバッテリーを長時間走行可能な『リチウムイオンバッテリー』に変更したいと相談に行きます。
車椅子のメーカーさんに問い合わせをしたところ1台15万円位するとのこと、補助をしていただけないか相談です。
さあ、どうなるでしょう。
ドキドキしながら市役所へ向かって電動車いすを走らせる車椅子おばあちゃんです。


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