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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語54

「そうだ、ハワイに行こう!」


還暦を迎えました。
いよいよ、普通のおばあちゃんデビューです、
定年退職後の雇用延長はお給料が大幅に下がってしまうので
「もういいかな」と、退職するつもりでした。
ところが、会社からのご厚意で仕事を続けることになりました。
定年は定年なので、少しだけ退職金と、残っていた有給休暇をとれるので
「どこかに旅行でもしたいな」
とソワソワし始めました。
「よし、決めた」

先ずは長女に連絡
「ねえ、ハワイ行かない」
「え、いつ」
「6月が一番安いんだけど、休める?」
そして次女は、翌年語学留学をする予定で物流会社を退職し、
準備をしながらアルバイトをしていたので
「6月にハワイに行こう、アルバイトはお休みできる?」
そして、母には
「6月にハワイに行くからね」

私は航空会社の旅行サイトにへばりつきプラン作成開始
楽しすぎる毎日です

2人の娘と母と私のベストメンバーで
4泊6日約20年ぶりのハワイ旅行

座席は奮発して
JALプレミアムエコノミークラスに決定
車椅子ですと連絡し、車椅子のサイズなどをメールでやり取り
当日は専用窓口でチェックイン
「サクララウンジをご利用いただけます」
「出発までごゆっくりお過ごしください」
「やったー」

初めて入るラウンジにテンション爆上がり
食べ物も飲み物も無料とはいえ、
ちょっと慣れてる風に控えめにいただいて
さらに、免税店でもうお買い物開始です

機内の座席もゆったりめ、車椅子なので最初に搭乗し
CAさんに親切にしていただきワクワクが止まりません
8時間ほどのフライトは超快適に過ぎ
着陸のアナウンスが流れます
日焼け止めを塗り直し、荷物を片付け、シートを起こし、ベルト装着
さあ、ホノルル空港に到着です。

ホテルはオープンしたてのリッツカールトンを予約、
娘が事前にホテルに手配してくれたホテルカーが空港でお出迎えです
20年前のご優待ツアーで送迎バスに乗れず母が憤慨していたことを思い出しました。雲泥の差ですね

ボディーガードの映画に出てくるようながっしりとしたイケメン男性が
私を軽々と抱きかかえ、黒塗りの高級ホテルカーに乗せてくれます
チェックインは英語の得意なホテル勤務の娘が担当
何やら話しています
車椅子なら、なるべく広いお部屋がいいでしょうと
なんと、オーシャンビューにベッドルームが2つ、キッチンとリビング
シャワールームもふたつある夢のようなお部屋にアップグレードのサービスです。

「うわー」
「すごーい」
「なにこれー」

部屋に入った途端歓声が上がります。
窓一面のオーシャンビュー
これから5日間このお部屋で過ごせるなんて夢のようです
感謝です。

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