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半世紀前から普通の人生に挑戦した車椅子おばあちゃんの物語

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語1~58
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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑲

半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑲

行くぞ!産婦人科!

家に2人の主婦はいらないですよね
と思い始めたころ
リハビリでお世話になった先生から連絡がありました。
「病院で受付のアルバイトを募集しているの、どうかな」
「フルタイムじゃなくて、週に2~3日なんだけどね」
仕事を辞めてしばらく休み、だいぶ気力も復活した頃でした、
「行きます」
「お願いします」
またまた専業主婦は一休みして、嬉々としてアルバイトを始めました。
やっぱり仕事

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語⑳

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「おめでとう、奇跡だね」

産婦人科って
どんな感じなんだろう
若い女の人が大勢いるんだろうな
みんなおなかが大きくて、幸せそうに
キラキラしてるのかな
 
そこへ車いすの私が一人で行ったら
絶対に注目の的だよね
なんて思われるんだろう
 
妄想や卑屈な考えがあとからあとから湧いてきて止まりません
あ~
やっぱりやめようかな
 
就職は
してみて、ダメなら辞めればいい
結婚も
してみて、ダメなら離

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語㉜

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「ご当選おめでとうございます」

「幼稚園なんて、行かなくったってどうってことない
別に、それで人生がどうのこうのってなるわけじゃないし
だいたい、まだ5~6年しか生きていない子供が
社会に適応だの不適応だの関係ないでしょ
何を隠そう、あなたのママは幼稚園どころか
小学校だって2年生の2学期から行き始めて
5年生と6年生はほとんど行ってないんだから
でも、ぜんぜん大丈夫」
と言ってあげたい
ああ、

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語㉞

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「「当たって砕けろ」精神を心から後悔」

今日は二女の年少組さんの遠足です
一緒に動物園へ行きます。
みんなはお母さんやお父さんと一緒に
うれしそうにバスに乗りこんでいます。
が、私は、バスには乗れません。
いったいどのようにして動物園まで行ったのでしょう
すっかり忘れてしまいました
どなたか付き添いのお父様にバスに乗せていただいたのかもしれません
もしかしたら、自分の車に娘を乗せて
バスの後をつ

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半世紀前から普通の人生に挑戦して、普通のおばあちゃんになった車椅子ユーザーの物語㊲

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「がん細胞は出ませんでした」

落ち着かない1週間を過ごし、再び大学病院へ
「たしかに影が写っていますが、これが悪いものかどうかは組織を調べてみないとわかりません」
「形があまりよくないので、ちょっと気になりますね」
「胸に針を刺して組織をとる検査をしたほういいと思います」
モニターの画像を見ながら先生から説明がありました。
 
「そうですか」
「わかりました」
心のどこかで
「大丈夫ですよ」

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