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モブ #3 ☆145

最近、アニメ「ワンピース」の25周年記念作品として『ONE PIECE FAN LETTER』が放映された。

これは「ワンピース」番外編というか、主要キャラはほんのちょっとだけしか姿を見せない。ワンピース世界での「モブ」たち目線で語られる、もう1つのワンピースなのである。

モブとは、

>その他大勢のキャラクター、どこにでもいそうな特徴のないキャラの事

である。『・・FAN LETTER』では登場人物たちの誰にも名前すらつけられていない、海賊になることなんて夢にも思わない普通の一般人たちで、「ワンピース」本編でいうところのシャボンディ諸島に麦わら一味が再集結するところ、と、


【予告】TV アニメ『ONE PIECE』25 周年記念作品「ONE PIECE FAN LETTER」


世界最強の白ひげ海賊団VS海軍全勢力+王下七武海が衝突する「頂上戦争」の断片がところどころ描かれるが、その激戦も主要キャラ達の目線ではなく、名も無き下っ端海兵の、何の特殊能力も持たない一兵卒の、バケモノ達の人外のパワーに翻弄されるだけの、トラウマになりそうな記憶として描かれる。

そう、「ワンピース」は激しい戦闘描写はあるが、大激戦の割には誰1人死なない事が多いのだが、この「頂上戦争」に於いてだけは白ひげもエースも、その他大勢がリアルに命を落とすのである。

で、この『・・FAN LETTER』の評判がすこぶる良いのである。ファンの間では「最高傑作」という評を下す声も少なくないのだ。

今ひとつパッとしない平凡な人生を送るモブたちが、それでも一生懸命に頑張って、頑張って、ゾーンに入って何事かやり遂げてしまう、そのもがく姿に、熱い心に、自分自身を投影するのだろうか?

今はモブの時代なのだろうか?『モブサイコ100』とか、『ワンパンマン』もめちゃくちゃ強いけれど、主人公らしい主人公というより、その他大勢のモブキャラっぽく感じてしまうのである。


で、本当に私が言いたいのは、最近のニュースに対して、つい考えてしまう事とこれがシンクロしているからなのだ。

北朝鮮軍のロシア派兵、これ、言わずもがなだが、本当にバカげてる。

25日ロシア西部クルクス地域で早くも戦闘が行われ、1人を除いて全滅したという。その生き残り兵士は「北朝鮮人」でなく「ブリヤート人」の身分証を所持していたそうだが、そんなのは偽装工作だとバレバレなのである。

あどけない顔つきの、若い北朝鮮軍の兵士達が、やせ細って背も低く、貧弱な装備しか持たされず、最高指導者から適当な説明を受けて訳もわからず異国に連れて来られて全滅させられたのだ。

これこそモブキャラと言わずして、何と呼べば良いのか?

彼らは最初から弾除けとして配備されたとか、そして、彼らが死んだとしても、その命の代価はロシアから払われて、キムさんのポケットに入る予定らしい。

ロシアが勝っても負けても、命の代価は遺族の元には届けられまい。

彼らは言わば敵国の兵士である、けれども、それにしたって、これほどまでの、存在の軽さを、耐えられる事が出来ようか?

現実はあまりにも残酷すぎる。

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