見出し画像

氷山 ☆132

1980年代頃のこと、池袋駅の西武デパート付近に詩集を売っているお婆さんを見かけた。

彼女は小さく、痩せており、顔もしわくちゃで、身なりも貧そう。

薄くA6ほどの詩集を数冊置いて、敷物の上に座っていた。一見、ちょっと不気味な様子なのだが、時々若者がそばにしゃがみ込んで話しをしている場面もあったようだ。

私も当時は若く、好奇心もあって、ある日彼女に話しかけてみた。挨拶したら、気さくに返事してくれた。

「あ~り~が~と~う!!」声はとても間のびし、ふるえていた。私は詩集を買い、読んでみたら、幼い時に高熱を出し、それ以来障害を持ってしまったことが書かれていた。

というか、その詩集は薄く粗末な作りであったけれども、彼女の想いが切々と、饒舌に語られていたのである。

思うように話すことが出来ない彼女は、詩で自分を表現することを発見したのだ。失礼ながら、彼女の外見からはほとんど想像出来ない、真っ当で、柔らかくて繊細な感性を持っている人だったのである。

人は外見では分からない、

ちょうどその頃工藤静香の「Mugo・ん・・・色っぽい」が流行っていた。言いたいことが言えなくても、人は本当は饒舌なのかも知れない。

Shizuka Kudo (工藤 静香) • Mugo·ん…色っぽい


8月24日、25日の土日は、またスクーリングに行って、昨日はそのレポートを作成していたのである。

24日に習ったのは、あるクライアントが示す問題ある行動を細かく抽出し、分析し、それによりその人の強味を引き出してサポートする手法

「氷山モデル」だ。

氷山は海に漂っているが、目に見えている部分は、ほんの一部でしかない、水面下には、水上よりも遥かに大きな実体が(平均7倍もの体積が)隠れているのである。

そして、「リフレーミング」

これは、ある枠組み(フレーム)でとらえられている物事を、枠組みを外して違う枠組みで見ることである。

例えば、「動作が遅い」人は「一つ一つ丁寧にできる」に変える事ができる。

■大雑把        →小さいことが気にならない
■頑固、融通がきかない →強い意志を持っている
■気が散り安い     →視野が広い
■自己中心的       →自分が好き
■心配性         →先の事が見える
■自分勝手        →素直、主体的
■飽きっぽい       →気持ちの切り替えが早い
■しつこい        →粘り強い

と光の当て方をかえて見るのだ。そしてその特性を伸ばすサポートは何かを考える手立てにつなげる。

人間なんて、本当に分からない。そもそも、自分自身ですら本当に把握出来ている人がどれだけいるだろうか?あなたは、自分が見えていますか?

氷山は水面下に7倍の実体を隠しているか知らぬが、人間はもっと何倍の、何十倍の本性が隠れているか、分からないかも知れない、

なるほど、「氷山モデル」というのはわかり易く、良いイメージだと思う。



いいなと思ったら応援しよう!