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はじめの一歩 ☆142

今は知覚心理学というものを勉強している。これは、どうして人はリンゴをリンゴとして見分け、認識する事ができるのか?という事を科学的に分析し、解明しようとする学問で(視覚だけに限らず、聴覚、触覚など他の知覚についてもだが)、この20年くらいの間に新たに判明して来た事が沢山あるらしい。

太古の昔、人が狩猟をしたり、木の実や茸を採集したり、そのような生態に便利なように知覚器官や脳は作られ、発達して来たのだろう。

人が事物をどのように認識するのかは研究が進んでいて、その理論はAIの発達にもいかされているようだ。

先日、ベトナム人から見た事のないヤツガシラみたいな芋のようなモノをもらって、食べ方を知らないから「要らない」と断ったのだが、ニコニコして渡して来るので仕方なく持ち帰ったけれども、

画像に撮ってAIに見せたらこれは「シンコン芋」だとすぐに回答してくれた。画像には泥がほどほどに付いた歪な芋とビニール袋が写っている。AIは背景になっているビニールと芋を判別し、外形や色などから答えを導き出したのである。



これも知覚心理学の応用から作られたシステムなのだろうが、それを何も知らない一般人が、日常当たり前に使える世の中になってしまったのである。



秋の試験の日程は、夏の時よりもだいぶ余裕があって、あんまり難しい事ばかり考えていると頭がオカシクなってしまいそうなのでDMM・TVで新作アニメも観ているが、この頃はYouTubeで、アニメの「はじめの一歩」を海外ニキ達のリアクション見ながら楽しんでいる。

「はじめの一歩」は説明不要だろう、週刊少年マガジンで連載されている、森川ジョージ原作の大ヒット漫画で、1989年連載開始だったようだ。

その頃は少年漫画真っ盛りの時代で、「はじめの一歩」もリアルタイムで雑誌で読んでいた記憶がある。

もう何回単行本で読み返したか分からないくらい読んでいる作品だが、それを海外ニキ(ニキの意味はよく分からないが兄貴の意味らしい、なので女性の場合は姉貴でネキになるようだ)がどんな反応するのか見るのは面白い。


主人公の幕之内一歩は、高校2年生の真面目で内向的な少年で、気持ちも優しく、およそボクサーには向かない性質なのである。

家が釣り船を営んでいて、母ひとりで大変なのを手伝っていたから足腰のバネと平衡感覚は優れたものを持っていたが、ある日不良3人に絡まれて殴る蹴るの暴行を受けていたところに、通りかかったプロボクサーの鷹村守に助けられてボクシングをやろうと思いついたのである。


鷹村こそは理想的なボクサーで、実力、才能に恵まれている上に、弛まぬトレーニングを欠かさないストイックさも兼ね備えているが、自分の事を「俺さま」と呼ぶジャイアン気質で、女にだらしなく、写真誌などに乱行をすっぱ抜かれる、破天荒で野獣のような一面を持つ。

その下に青木勝、木村達也というランカーが居て、鷹村、青木、木村はそれぞれ高校時代は近隣の学校にまで名前が轟くようなヤンキーだった。

このような先輩達がいる鴨川ジムに、毛色の変わった、素直で優しくて、ちょっとトロくてダサい一歩が加わって、最初はからかわれたりもするが、めきめきと実力をつけて次々と強敵達を倒して行く。

国内有数のハードパンチを武器に、不器用にひたむきに努力して一歩ずつ成長する彼の姿に誰もが好感を抱いていくのだが、

このようなスポ根漫画が、果たして米国人に受けるのかと思うのだが、彼ら、或いは彼女達は一歩の成長をあたたかく見守り、リスペクトしてくれているのでった。

森川ジョージは一歩以外のキャラクターも丁寧に描いており、鷹村、青木、木村達の試合も本気で応援している。

アメリカ人のリアクションはとても大袈裟で、素直で、本気で明け透けに喜び、悲しむ。これは日本人にはちょっと真似出来ない、

例えば、一歩が母や、親友の梅沢からプレゼントを渡された時など、彼らは「WOW!!」と言って心からの祝福を示す。われわれ日本人にあれは出来ないが、あのようなリアクションもいいものだと少し羨ましく思ってしまう。

圧巻なのは、鷹村がブライアン・ホークを倒し世界チャンピオンになった試合で、ホークは米国人だから、この場合彼らはどちらを応援するのかと思っていたら、断然鷹村を応援していたのは面白かった。


SOS Bros React - Hajime No Ippo Season 2 Episode 24 - The King!


まあ、森川ジョージはホークを分かりやすい、最低最悪のヒールに描いていたから、これは当然か。・・・

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