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年金 ☆157
光陰矢の如し、年末なので年内中にやるべき事を順次片付けていく日々。
週末は神社2社にお参りを済ませた。混雑する初詣には行かなくても済むように。
そして来年は還暦を迎えるので、人生の節目として年金事務所へ行って、現時点の自分自身の状況確認と相談も済ませた。
私はソーシャルワーカー目指して勉強しているくらいだから、社会保障に関しては人並み以上に勉強しているはずである。しかし、年金に関しては中々ややこしいのである。
オンデマンドで講義してくれた先生も、年金は「社会保障」の中で最も難しいとわざわざ前置きしてから始めた、そのくらいのものなのだ。
けれど、そのような分かり難い問題こそ、自分に置き換えてみれば良く理解出来る筈だという目論見もあった。「社会保障」のテストは合格しているが、本番は4年後の社会福祉士試験なのだ。
もちろん、資産らしいものを何も持たず60歳を目前としている自分にとって、年金受給はリアルな問題で、
現行では65歳から年金を受け取るのが最も一般的で主流のパターンなのだが、
人によっては繰上げ受給して60歳から貰うケースが増えているようだ。その方が結局お得なのだと主張し、煽る専門家もいる。いやいや、逆に繰り下げして70や75歳から受取る方が有利という意見もある。
どれが正解かは、受取る方の状況によってまるで違う、だから年金は分かり難くややこしいのだ。
厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金のみの受給者の場合、平均月額は約5万6,000円。また、国民年金と厚生年金の両方を受け取れる場合、平均月額は約14万5,000円となっている。これは税込みの話である。
でも、実際は月に2万円の人もいるし、30万、40万受取る人も居て、本当に状況は人によって様々だ。
受け取り額の少ない方は、それなりに受給額を増額する制度があるのだが、これがまたいろいろあるので、ここで書いても読んだ人は複雑で当惑するだけかも知れないので止めておこう。
国民が、老後困窮しないようにと作られたはずの年金だが、最初は1941年3月(昭和16年)に公布された。
つまり真珠湾攻撃の9ヶ月前である。これから戦争で暴れようという時に年金制度なんぞ作っている余裕があったのかと思ってしまうが、
むしろ戦争を想定していたからこそ年金は生まれたと言うべきなのかも知れない。
戦争に行ったり、軍需工場で働く労働者を大量募集し、かつ存分に働かせる為に労働者に年金という飴を与えたという訳だ。さらに、
軍事費調達に紙幣の大増刷を行ったので、物価上昇を押さえるために年金保険料を徴収し(強制加入だから)、労働者の購買力を削いだ、
そして集めた保険料は、支払うのは20年先だから、そっくり戦費に使われたらしい(当時は20年加入で、55歳から支給された)。
戦後、年金制度は改められたが、年金の支給額はたいていは満足いく額にはならない。労働者の最低収入に近い値に抑えられて設定されているからだ、
さらに、少子高齢化によって現行の年金制度が持ち堪えられるかどうかは不透明であり、将来改変される可能性は高い。
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私の場合は、元気であと5年働けば何とか慎ましく暮らして行けそうな予測であった。まあ、こんなものだろう。
老後、何より大切にすべきはやはり健康なのである。
以前「これから、ずっと ㊽」という記事にも書いたが、私の昔の職場の先輩は、61歳で定年退職し、年金を夫婦で30万円以上貰い、退職金も十分に貰い、企業年金もあり、悠々楽隠居するはずだったのに、それから1年も経たずに他界してしまった。
茶目っ気があって大好きな先輩だったが、碌に趣味を持たず、そんなに酒好きだった訳でもなかったのに、毎日安いウィスキー飲みながら、同じようなビデオを繰り返し観ていたという。それであの世へ旅立ってしまったのだ。
理想的な老後は、健康でなるべく社会との繋がりを持つ事ではあるまいか?出来れば何か仕事も(軽いのでも)続けた方が良いのかも知れない。特に男性はコミュニケーション能力が低い人が多いので、引退すると何もする事がないのかも知れない。
鎌田實は文化放送で「日曜はがんばらない」というラジオ番組を持つ医師だが、貯金より貯筋(つまり筋肉を貯める)の方が大事だと繰返し言っている。
貯筋と、頭脳も使って、良い意味で軽いストレスを持ち続ける方が、充実した老後を送れるのではあるまいか?そんな事を考えている。