心のシミ取ります
僕には依存、中毒とまではいかないが、発作的にある行動を取る習性がある。一つは王将、これは大阪王将ではなく餃子の王将であるが、へと出かけ、カウンター(これはテーブルではダメでカウンター、しかも一人で行かねばならない)に腰かけ、餃子二人前と瓶ビール一本を頼み(決して他の物を頼んではいけない)ただ一人もくもくと飲んで食べて、幸福感を満喫することである。もっともこれは一回実行するともうしばらくは王将の看板を見るのも嫌になるのだが、しかし不思議なことに2ー3ヶ月するとまた行きたくなるのである。
もう一つはお好み焼きである。これもできれば瓶ビールと共にガツンと焼きそばでセットでいただく。こちらは不思議なもので毎日でも食べていいかなと思う。
僕の食欲中枢はどうもかなり障害を受けているのかもしれない。
さて、実は今日もそんな僕の小市民的贅沢を満喫した後のことである。
お好み焼きの店が6階にあるのでエレベーターに乗ったのだが、ドアが閉じると目の前にドア一面に張り出された派手な広告が目に飛び込んで来た。
丁度目の高さである。「検索 脱毛 シミ取り放題」とある。
これは一瞬、洋服のシミ取ります、の広告かと思ったが、脱毛が意味不明である。そこで目を少し上にずらして見ると、「あーそうか」と合点した。--それは美容外科クリニックの広告だったのだ。
それにしても「シミ取り放題」とは…。もっとも「頭の増毛し放題」なら、ゴキブリホイホイに誘導されるGちゃんの如く、僕もクリニックのドアをくぐっていたかもしれない。
まあ、それにしてもクリニックも過酷な競争原理にさらされているのは間違いなさそうだ。
僕のクリニックも、
「心のシミ取り放題」とかいつか唄うようになるのだろうか?
いやー、寿司食べ放題じゃあるまいし、僕は頑固な心のシミ取り職人のままでいたい、自分のやり方にこだわる頑固な先生のままでいたい、なんて、そんなことを考えた小市民的一日でした。
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