滑稽

人生は近くで見ると悲劇で、遠くから見ると喜劇である
なんてことを言ったコメディアンもいたものですが、結構好きな言葉です。

所詮自分が今感じている苦痛やらなんやらはあと数ヶ月もすれば忘れるぐらいなもんで、あんまり今の自分の感情を信頼していません。数ヶ月先の自分に見られて笑われているぐらいの滑稽さ。
私はうっすらそう言う考え方をしているようです。

もちろんすぐ隣の人間の苦しみや悲しさには大共感する姿勢だし、できる限り手助けしたいし、真剣に相談にのるよいつでも。

コメディで観るのは自分の人生の話。どうせ私はこの先もっと成長してもっと広い世界を知る。この先の私にとって今の私はとてもちっぽけ。そんな大きな期待から、私は今の私を鼻で笑ってやるのです。そのほうが苦しみと向き合いやすいし。
私は結構大袈裟な言葉遣いをしがち。プラスの感情もマイナスの感情も。「絶望」とか「おしまい」とかはよく言うし、「神」とか「最高」とかはさらに気軽に使う無神論者。だってほら、そのほうが滑稽でしょ。そんなことでも無いのに大きく反応するのはお笑いの鉄則。バカみたいで好きなんですよね。

「可哀想」という言葉がありますけれども。みなさまどんなイメージを抱くでしょうか。私はね、小さきものに慈悲を与えているイメージなんですよ。あくまでもイメージね。「おお、可哀想に」って。だいたい「かわい」そうと「かわい」いで音が被ってる時点でだいぶ可愛い。
相手を甘やかしてる言葉なんです。私にとって。

なのでよくよく使います。主に自分に。必死の思いでベッドから起きて足の小指をぶつけて「可哀想」。寒い中帰ってきて急いでホットティーを入れて飲んだら舌をやけどして可哀想。そういう小さな可哀想から、大熱だして可哀想、手術するなんて可哀想と発展してきます。最初の小さき悲劇に「可哀想」を当てはめることで、まあまあな悲劇の「可哀想」もなんだかちっぽけに見えてきます。まあどうせいつか治るもんだし。本当の、本物の悲劇には使っちゃいけないと思ってますよもちろん。所詮は他人事です。自分のことなんて。

でもね、この癖のせいで時々人に使っちゃうんですね。面白いかなーって思って。他人が自分と同じ価値観を持っていると思っている時点であまりにも愚かなのですが、使うんですねー。まったくもう。普通に考えたら失礼だったの忘れてた、、、！でもさ、面白くない？泣きっ面に蜂ぽい状況って。可哀想すぎて。漫画みたいで。お前は今とても面白い状況だぞ！って教えてあげたい。甘んじて「可哀想」の状態を受け入れて安らかにセルフケアしてて欲しい。

なんだか他人も自分も小馬鹿にして生きている人間な気がしてきた。わたし。よくないな。あまりにも。どうにも直りそうにないけど。有効なんですよ、この世の中を生きていく上で。主にメンタルヘルスにおいて。

もしくは、本当に重大なことが人生において起こっていないのかも。だからこんなにも浅はかで軽い考えで生きていられるのかも。
あれ、とっても悲しい人に思えてきた。やめやめ。

私のこれまでの人生はこの考えで上手く生きてこられたから、これでいいのですよ。この考えに限界が来たらまた勝手に変わっていくでしょう。

来年の自分が、今日を鼻で笑えているといいですね。

相変わらずの駄文勘弁。