将棋倶楽部24 自戦記⑦
金土日と記事を書かない日が出てきてしまった。代わりに呟き?で済ませたので毎日投稿は継続中。正直、こんな記事を見る人なんているのか?という疑問を投げかけずにはいられない。
こんな事をするより、将棋の研究をして、それを披露した方がよっぽどマシなのではないのかとすら思える。自分が編み出した戦術は正直1つや2つくらい一応ある……が、それの上位互換の戦法が存在するので、メッチャオススメ!と披露しにくい。
ただし、将棋は戦法だけではない。難解な局面を乗り切る終盤力が必要なのだと認識している。よって論理的思考を鍛える目的+人に伝える力を身に着ける目的で書いていると思っているが、ただただ継続していくだけではダメなのだと自分では思っている。
指針が欲しい。指針によっては、自戦記の継続も取りやめる可能性はある。
先手:私
後手:相手
アマチュアの必需品
▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △4四歩 ▲4八銀 △4二飛
▲6八玉 △6二玉 ▲5六歩 △7二玉 【第1図】
私は先手番なら居飛車、後手番なら振り飛車を指す。いわゆる対抗系党で、勉強量が多すぎて追いつけない何でも指すように心がけている。
何故、私が対抗系党になったかと言うと、私の過去に起因する。
三間飛車おじさん。というのを聞いた事があるだろうか、もしくは石田流おじさん、四間飛車の▲4五歩おじさん、中飛車おじさん、居飛車棒銀▲5六角おじさん、平手で駒落ちおじさん、奇襲戦法おじさん、筋違い角おじさん、角交換振り飛車おじさん、様々なおじさんは将棋道場に生息していた。
私は居飛車棒銀▲5六角おじさん派閥で、なんでも棒銀で対抗、棒銀棒銀棒銀、私の将棋観は棒銀が最強で棒銀こそが至高、棒銀で他の少年と切磋琢磨をしてきたクソガキ青少年……だった。
私は数年将棋を離れて、棒銀を指した際に大人と接する機会も増えた。その際に三間飛車おじさん、四間飛車おじさん、中飛車おじさんとも対局したが、惨敗。振り飛車をする大人には一切歯が立たない現状。それが少年の頃の私は見えていなかった……否、見ようとしていなかった。大人は強いから負けているだけだと思っていた。実に浅はかな考えだと思う。少年でもおじさん達をボコボコにしている人はいたのに……
棒銀は私の好きな戦法だったが、振り飛車に対して役立たず。別の戦法を指す必要があるのはすぐに理解したが、振り飛車退治専用の戦法を探し出すのに数年かかってしまった。穴熊、天守閣美濃、ミレニアム、相振り飛車など、様々な対振り飛車の戦法を指していくにつれて、振り飛車への苦手意識は無くなっていった。
そして、さらに年月が経ち、(まだ棒銀を指している最中の私は)後手番の居飛車が大変という事に気が付いた。それと、相振り飛車の出だしだと思ったら相手が居飛車をしてくるパターンに困っ……てないのだ。そう、対振り飛車を経験していくにつれて、自分も振り飛車が指せるようになっていた。
以上が私が振り飛車を指す経緯である。話が長くなったが、本題に入る。振り飛車も指せる私が得た結論、それは
アマチュアの必需品は、対抗系の知識である。
振り飛車というのは、角道を止める事が出来れば成立してしまう戦法、つまり、戦法誘導力?とでも言えばいいのか、それがかなり高い戦法なのだ。(一番高いと思われる戦法はおそらく嬉野流だろう)
よって、振り飛車を相手が望んでしまったら、否が応でも振り飛車と闘わなくてはいけない。逆に振り飛車党の方々は、相手が振り飛車だったら自分は居飛車をすれば良いだけの話である。
もう一度言おう、アマチュアの必需品は、対抗系の知識である。
少しだけ本譜の解説をさせてもらう。△7二玉に替えて△7二銀もある。ひと昔前なら△7二銀の方が多いイメージで、穴熊や天守閣美濃に対しての攻勢を取るために△7一玉型で戦う手法が流行していた。
だが、平成後期から令和にかけて穴熊への対策として、振り飛車ミレニアム、耀龍四間飛車なるものが流行り出した。その結果、△7二玉も多くみられるようになった。だが、天守閣美濃はどうなのだろうか……この話題は本譜とは関係ない為、割愛させてもらう。何故なら本譜は振り飛車穴熊だからだ。
振り飛車穴熊
▲7八玉 △3二銀 ▲5七銀 △8二玉 ▲5八金右 △4三銀
▲2五歩 △3三角 ▲3六歩 △9二香 【第2図】
▲2五歩を決めたのは自戦記⑤の反省を活かした結果だ。
目次から繊細という項目で、▲2五歩の遅れが恐怖の手順を呼び出してしまう可能性があった事をここに書き記しておく。
だが△8二玉と囲っている為、振り飛車からの攻勢は1手遅れているので関係なかったか。△7二玉型と△8二玉で使い分ける必要がありそうだ。
▲3六歩と突いたのは△4三銀を見ての手で、場合によっては天守閣美濃にして▲4六銀と出る天守閣美濃急戦を視野に入れての手。
△9二香から振り飛車穴熊と判明した。
正直、序盤って書く事が無いので雑記の部分がかなり占める。将棋の内容だけ追っている人には本当に申し訳ない。下手に定跡の部分を書くと書籍と被ってしまうのが怖い。
相穴熊
▲7七角 △9一玉 ▲8八玉 △8二銀 ▲9八香 △5四銀
▲6六銀 △6四歩 ▲9九玉 △6五銀 【第3図】
▲7七角に替えて▲8六歩から銀冠を目指す巡もあった。後手の△5四銀に対して▲8八銀、もしくは▲7八銀と指して△6五銀の揺さぶりに対して▲8七銀を間に合わせる要領で大丈夫だ。
本譜は▲9八香から穴熊を目指したが、相手の△5四銀が遅いので、この局面でも▲7八銀として銀冠穴熊にする手もある。
▲6六銀は強気な1手で、△4五歩や△6四歩~△6五銀、もしくは△6五歩を用意している。それに対して▲5五歩の反発がどれほどのものか。替えて▲6六歩なら穏やかな進行で、▲6七金や▲9九玉~▲8八銀を急いでどうか。
序盤に強気な1手を指し、有利を築く事が私の棋風?だったが、段位が上がるにつれて安全な進行も悪くないとは思い始めている。ソフトが出ている現状、強気な1手には研究の裏付けが必要だと思う。
その強気な1手を咎めるために△6五銀と出たが、ソフトは疑問手の判定を下している。替えて△4五歩が自然なようだ。以下▲5五歩△6三銀▲5七金らしい。(▲5七金に替えて▲5七銀ならば△5四歩と突かれる。以下▲同歩は△7七角成▲同桂△5五角)ただ、自分としては穴熊から金が離れるからやりずらい。▲5五歩に△6五銀と出る手は▲同銀△同歩▲2四歩△同歩▲3四歩△4四飛▲5四歩の大乱戦になる。
どちらも怖くて指せないなぁと思っている辺り、落ち着いた大人になったのだろうか……(嘘です。この前にリアル対局した時はかなりアグレッシブな序盤をしました、多分指します。)
許容
▲同 銀 △同 歩 ▲8八銀 △8五銀 ▲7八金 △7六銀
▲8六角 △5二金左 ▲3五歩 △4五歩 【第4図】
▲6五同銀△同歩の後、▲8八銀とハッチを締めた。
ここら辺の数手で想定はしていたが、△8五銀は読み筋というか、感覚的に打ってくる気がした。対して私は▲7五歩と歩を逃がす手も視野に入れていた(ソフトは▲2四歩△同歩▲3五歩から超次元将棋を始めている)。理由は後手の△8五銀が本当に何でもない手だが、狙いとしては角いじめ+歩を取るという行為な為、その構想を真っ向から否定する手だ。だが、そもそも△7六銀と角いじめられても本譜のように▲8六角と出た手が次に▲5三角成の先手だし、1歩取られた所で打つ場所がない。よって▲7八金と穴熊の弱点になりそうな8七地点の強化と将来の▲7九歩と底歩を打てるようにした。
▲3五歩に替えて▲2四歩と突く手を推奨している。これに関しては本当にその通りで、弁解の余地もない。自分としては▲3五歩△同歩▲3八飛しか見えていなかったが、▲3五歩△同歩に▲3四銀があった。銀を持っていない前の読み筋とばかりに進めてしまった己の落ち度である。そして▲3五歩~▲2四歩や▲2四歩~▲3五歩、旦に▲3八飛など、仕掛け周辺の手の詮索は色々やりたい。
1手パス
▲3四歩 △8八角成 ▲同 金 △4六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲5五角 △4九飛成 ▲1一角成 △3七歩 【第5図】
当時の私は▲3四歩には△4四角▲2四歩、もしくは△2二角▲2四歩くらいしか読んでいなかった。勝手読みを咎めるが如く、△8八角成で▲3四歩が1手パスになってしまった……否、因果関係が逆で、△4六歩から捌く見込みがあるので△8八角成で▲3四歩を一手パスにするための王手しながら角銀交換をしたのだろう。不利を意識したが、悟られないようにあまり時間を使わずに▲同金。
▲4六同歩に10分以上私は使ったのだが、▲3三歩成が効くかどうかを考えた。結論としては効くが、△同桂とした手が得ではないと判断。(▲3三歩成△同桂▲4六歩△同飛▲4七歩△5六飛として、次に△4五桂がある。)そもそもとして、▲4六同歩△同飛として、▲4七歩と受けた手が△5五角を見ていて気持ちが悪い。ならば▲4七銀と受ける手は駄目なのか……などと考えていたら10分経っていた。
10分間の読み筋の結論は、▲4六同歩△同飛▲5五角△4九飛成▲1一角成△3三歩▲同歩成△3八歩▲5九金△3九竜▲4七と△同金▲5五馬でギリギリ耐えているという読み筋だった。
その読み筋を裏切るかのような△3七歩で私はビックリした。▲5九金~▲4八飛ならば△3七歩が1手パスになる。▲6四香と攻める手も魅力的だ。どちらが良いのか……2分半考えて次の手を指した。
攻め
▲6四香 △7一金 ▲7二歩 △同 金 ▲6一銀 △6二金左
▲7二銀成 △同 金 ▲6二金 △7一銀打 【第6図】
▲6四香と▲5九金の評価値は大体一緒で+300くらい居飛車よしと出ている。私の読み筋だと、▲5九金△3九竜▲4八飛△同竜▲同金△6八飛▲4一飛△5一金引で若干不満だったのだが、対局後の検討で△6八飛に▲同角と出来た事に気が付いた……とはいえ、▲6四香の攻め合いの順も悪くない。
穴熊は食らいついてナンボ。▲7二歩からゴリゴリ削っていって△7一銀。千日手がチラついてきたのだが、▲5九金~▲4八飛(この場合は飛車を弾く手がないので単に▲4八飛も有力)もまだ残されている。先手の打開策はどうなるのだろうか。
Sleeper
▲7二金 △同 銀 ▲6二香成 △6一銀打 ▲7二成香 △同 銀
▲6二金 △6一金 ▲同 金 △同 銀 【第7図】
先手の後手の6二地点における千日手の打開は私の手に委ねられている。後手が打開しようにも金銀がポロっと取れてしまう形になるか、居飛車にとって脅威だった竜を引く事になって勝ちやすくなる。後手はあくまで△3八歩成を見せてじらしたいのだろう。
よって、▲6二香成としたが、▲6二金と張り付く方が勝ったようだ。以下、△7一金▲同金△同銀▲6二金△8二銀打▲4八飛【変化図1】がよかったようだ。
こうなれば将来の▲4二飛が▲7二金の先手になり、自然と6四にいる香も捌ける。
自分でもわかっていた事だが、▲6二香成という手は相手が6二地点の自分の駒を取った手に対して▲同香成としたいわけで、自分から▲6二成香は盤上の自分の駒を一つ減らしてしまう手なので出来るだけ控えたい。
金銀の細かい繰り替えは羽生の終盤術に乗っているテクニックで、そこで攻めのポイントを稼ぐ事も視野に入っていないあたり、反省点の一つだと思う。
また、本譜の▲6二金に換えて▲5三角成も有力で、後手から△7九銀と張り付く手が無く、次の▲7一銀を見せて先手良い。
結果として、絶好のタイミングで飛車や角を攻めに利かせる事なく進めてしまった。
詰めろ・2手スキ・3手スキ
▲4八飛 △同 龍 ▲同 金 △8四香 ▲4一飛 △7一金
▲5三角成 △8七香成 ▲7一馬 △8八成香 【第8図】
▲4八飛は疑問手らしい。替えて▲5三角成が勝るようで、次の▲7一銀が詰めろになる点が良い。私もそれは読めていたのだが、△6二金と強気に受けられると難しいと思っていた。以下▲同馬△同銀▲4八飛とぶつけるのならば先にぶつけて絶好のタイミングで▲5三角成としたいものだ。だが、そのタイミングは失われてしまっていて、ここが絶好のタイミングとなっているという理屈なのだろう。
ほんの少しだけ気が付いたが、自玉が3手スキならば2手スキの手を指す手をソフトは最善手に示すのだろうか……もちろん、条件によっては駄目なのだろうが、1手勝ちや速度勝ちという本質はn-1手スキの条件戦なのだろう。水面下で何が詰めろかを把握する事こそが条件戦において最も強い勝ち方な気がしてきた。最も、感覚的な物もあるのだろうが……詰将棋の重要性がさらに浮彫りになった気がしている(何かと言い訳をしてサボり中)
本譜は△8四香に対して▲4一飛として殴り合いを所望した。というより、手が見えなかった。こちらは馬が8八まで利いているので、遠慮なく攻め合いができると踏んだ。
受けてきたのは、攻め合い勝ちが出来ないと考えているのか、それとも受けて安全勝ちを目指しているのか……この局全体として△8五銀や△3七歩、△7一銀など、受けの手が目立つ。よって後手の全体の方針は攻める→受けて相手の攻め間違いを期待しているのだろうか。
ただ、△7一金は疑問手らしい。▲5三角成で駒得できるので、個人的に得したと思っていた。が、▲7二歩を一回利かすべきだとソフトは言っている。以下△同銀▲5三角成が2手スキになる。
足の止めて打ち合いは▲8八馬と引けるので大丈夫だと思っていたが、やってきた。とはいえ攻める手はこれくらいしかないか……
White Room
▲同 馬 △7一銀 ▲6一飛成 △7二金 ▲8二歩 △6八飛
▲8一歩成 △同 玉 ▲6四桂 △2七角 ▲4四馬 【第9図】
まで91手で先手の勝ち
▲6一飛成で駒得できたのはよかったが、馬だけの穴熊はもろい。△7二金に替えて△8七金とされると手がわからなかった。▲7一竜としてしまうと△8八金▲同玉△4四角からの王手飛車がかかるので、手がわからなかった。ソフトは△8七金に▲7九銀と受けると言っている。手がよくわからない。
△7二金と受けたので、ハッキリしたと思った。後手が△8六飛や△6八飛としても詰めろではないので、攻めに専念する事が出来る。とは言え駒を渡しすぎたらすぐに詰む形なので▲8二歩。これが間に合い、▲6四桂~▲4四馬と玉を一人だけにしてなんとか勝利を収める事が出来た。
投了図が一人だけ寂しい白い部屋にいる王様にする▲4四馬。少し珍しい勝ち方ができたと自分では思う。
先手:私
後手:相手
▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △4四歩 ▲4八銀 △4二飛
▲6八玉 △6二玉 ▲5六歩 △7二玉 ▲7八玉 △3二銀
▲5七銀 △8二玉 ▲5八金右 △4三銀 ▲2五歩 △3三角
▲3六歩 △9二香 ▲7七角 △9一玉 ▲8八玉 △8二銀
▲9八香 △5四銀 ▲6六銀 △6四歩 ▲9九玉 △6五銀
▲同 銀 △同 歩 ▲8八銀 △8五銀 ▲7八金 △7六銀
▲8六角 △5二金左 ▲3五歩 △4五歩 ▲3四歩 △8八角成
▲同 金 △4六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲5五角 △4九飛成
▲1一角成 △3七歩 ▲6四香 △7一金 ▲7二歩 △同 金
▲6一銀 △6二金左 ▲7二銀成 △同 金 ▲6二金 △7一銀打
▲7二金 △同 銀 ▲6二香成 △6一銀打 ▲7二成香 △同 銀
▲6二金 △6一金 ▲同 金 △同 銀 ▲4八飛 △同 龍
▲同 金 △8四香 ▲4一飛 △7一金 ▲5三角成 △8七香成
▲7一馬 △8八成香 ▲同 馬 △7一銀 ▲6一飛成 △7二金
▲8二歩 △6八飛 ▲8一歩成 △同 玉 ▲6四桂 △2七角
▲4四馬
まで91手で先手の勝ち
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