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『空飛ぶカブにキャンディを3〜枯れない白い花〜』20分 (2:2:1兼役あり) 5人劇ハロモン企画参加作品

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つっきーるる菜乃花月(@ttkrr_nana424 )様主催のハロウィン企画に参加させて頂いた作品です。企画参加作品纏めて下さっているページはこちらです👇️

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『空飛ぶカブにキャンディを3〜枯れない白い花〜』20分 (2:2:1兼役あり) 5人劇 作者…こねこねこhttps://editor.note.com/notes/n259734b4c991/edit/

カレン……
ユーリ……
Jルタ……
トマス……
キャメル…

《登場人物紹介》
カレン……女性  台詞数 26
ユーリの双子の姉。ハロウィンの数日祖母の屋敷に父と弟とで遊びに来ています。 ※ユーリと同時にセリフを読む箇所が一つだけあります!


ユーリ……男性 台詞数 25

カレンの双子の弟。ぶっきらぼうな面もあり食いしん坊だけれど、料理人への感謝は忘れない性格。将来何になるか考える年頃。 ※カレンと同時にセリフを読む箇所が一つだけあります!

ルタ 性別不問 台詞数 21
ルタバガというカブが頭のジャック・オー・ランタン。黄泉の扉から紛れ込む悪霊や悪魔から、生きる人を守り導くと言われる存在。捻くれた所があるのは、カブ頭のせいでたまに怪物と間違われる事がある為

トマス 男性 台詞数 14
※本文始めの方に1つだけ父のセリフとして兼役をお願いします。 かつてこの屋敷で庭師として働いていた。キャメルとは同僚。見た目は40代だが、享年は70歳位。ハロウィンで屋敷に姿を現した。

キャメル 女性 台詞数 11
※本文始めの方に1つだけ祖母【キャロライン】のセリフとして兼役をお願いします。 かつてトマスとは同僚で、この屋敷のメイド等をしていた。姿は30代だけれど、享年は60歳位。ハロウィンで屋敷に姿を現した。

以下本編です
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キャメル:「空飛ぶカブにキャンディを3 枯れない白い花」

ルタ:M「やぁ、こんにちは。またこの時期がやってきたね。ここは僕の記憶のお菓子箱に入っている、繊細なお菓子を包むセロファンの端っこさ。とても綺麗なお菓子なんだよ」


ルタ:M「食べてみたい?でもきっと、これからする話を聞いたら勿体ない!って思うハズさ。まずはこの舞台となる、いつものお屋敷を、改めて紹介しなきゃね」


ルタ:M「この広い庭の屋敷は、前に話したケンとソニアが、僕と出会った場所だよ。ココはかつて数十年前に、キャロラインとジャンという夫妻が暮らしたお屋敷でね。そしてその夫妻には、1人の息子と二人の孫がいるんだ。今日はその頃のお話しをするね」


ユーリ:「父さん、お祖母ちゃん!カレン姉ちゃんとお庭の探検してきても良い?」

キャメル:(兼役祖母)「あぁ、行っておいで」

カレン:「この時期なら木々が色づいてとっても綺麗よね、お祖母ちゃん。え?ハチには気を付けて?うん、分かった!ちゃんと私が気を付けるから、大丈夫よ!行って来ます!行きましょユーリ!」


ルタ:M「この二人はキャロラインとジャンの孫でとても仲良しな双子の姉弟。今日は1人で暮らすお祖母ちゃんの家へ、お父さんと一緒に少しの間遊びに来ているんだ。」

トマス:(兼役父)「あまり遠くへ行くんじゃないぞ?」


カレン:「はーい!」

ユーリ:「姉ちゃん、俺オヤツ食べるならかつらの林の近くが良いな。甘い匂いがするんだもん」

カレン:「私もあの香りは好き。だってあれは」

カレン&ユーリ:「キャラメルの匂いだから!やっぱり?ふふふっ!」


ルタ:M「とっても気の合う双子は、桂の林が近い丘に外用のラグをいて、オヤツとハーブティを楽しんだ後、桂の枯れ葉のいい香りを深呼吸して…寝転んで空を見上げたんだ」


カレン:「ユーリ、お祖母ちゃんのご病気が良くなるように、お庭の花で花束を作って渡さない?」


ユーリ、笑顔で飛び起きる


ユーリ:「姉ちゃん、それ俺も思ってた!お祖母ちゃん、車椅子になってから、庭の花が見に行けないって悲しんでたもんな!うーん、今咲いてる花だと何がある…?」


カレン:「コスモス、ダリア、薔薇。お祖母ちゃんが一番好きなのは白い薔薇だから、薔薇にしましょ」


ユーリ:「白以外の薔薇で白い薔薇を囲むようにしたらどうかな」

カレン:「素敵!そうしましょう!ユーリ、薔薇のトゲとハチには気を付けなさい?(それから寄り道は)」

ユーリ:「(被せて)分かってる!寄り道はナシだね!」


ルタ:M「こうして二人はバラの花束を作ろうと薔薇の茂みに入って行ったんだけど…ユーリったら早速…」


ユーリ:「わぁ、何だこのコスモス!チョコレートで出来てるみたいだ!クンクン…残念!匂いはコスモスだ」


トマス:「(やっと聞こえる位小さい声)それはチョコレートコスモスと言うんだよ。薔薇の花束にするならこっちの株が良いぞ…」

ユーリ:「っ?!え?誰??姉ちゃん!なんか声が!こっちからか?」


カレン:「ユーリ?どうかしたの?(歩み寄る)」

ユーリ:「誰かの声がしたんだよ!花束にするならこっちって」

カレン:「気の所為せい じゃないの?」

ユーリ:「そう、かな…でも今日は、ハロウィンだから、もしかしたらさ…」

カレン:「え?!まさかぁ!」


キャメル:「トマスはオバケみたいなものだけど悪い人じゃないわ!!」

カレン:「きゃあ!オバ…」

トマス:「驚かせてゴメン!僕はトマス。彼女はキャメルだよ。あの人に花束を贈ろうとしてるんでしょ?」

ユーリ:「あの人…?」


ルタ:「ああ、キャロラインの事だよ」

カレン:「わっ!なんか増えた!しかもカブとマントが浮いてる…君たちは誰?!それにキャロラインって、お祖母ちゃんの事?」

キャメル:「そう、そのキャロライン!この人はジャック・オー・ランタンのルタ。大丈夫、恐くないから」

ユーリ:「そう言われてもかぼちゃじゃないジャック・オー・ランタンなんて…なぁ?(カレンと顔を見合わせる)」


ルタ:「僕がカブなのは、一番はじめに作られたジャック・オー・ランタンだからなんだよ」

カレン:「そう…なの?それより、花束作りを手伝ってくれるの?」

トマス:「あぁ!勿論だよ!僕は生前は庭師をしていて、未だに毎年キャロラインに頼まれてココの手入れのアドバイスをしているからね、庭の花の事なら任せてくれ」

ユーリ:「お祖母ちゃんも君たちの事知ってるって事?!」

キャメル:「そう。古くからの知り合いで。今では友人の様な関係ね」

ルタ:「このお屋敷は、この国の黄泉の扉の真下だからね。僕は去年から屋根裏にお邪魔してるのさ。君たちの事もキャロラインから聞いてる。」


カレン:「えーと、ルタ…?知っていたら、ちょっと聞きたいんだけどいい?昔のお祖母ちゃん達の事なんだけど」

ルタ:「なんだい?」


カレン:「私達が生まれる前に亡くなったお祖父ちゃんって、どんな人だったのかな?って」


ルタ:「それは僕よりトマスの方が適任かな」

トマス:「(少し悲しそうに)あぁ。ジャンの事か。彼は努力家のパティシエでとても愛妻家だったよ。」

キャメル:「(少し悲しそうに)そうね。メイドや庭師として仕えていた私達の誰もが羨む位、二人は仲睦まじくて……なのに」

ユーリ:「なのに?」

ルタ:「彼は、フランスのクープ・デュ・モンド、つまりパティシエの世界大会へ参加する為に飛行機で渡航中、事故にあって亡くなったんだよ」

ユーリ:「そんな!」

カレン:「なんてこと……」

ルタ:「あの日からこの屋敷は火が消えたように静かで…キャロラインは毎日泣き暮らしてたんだ……」

トマス:「私達は何とかしてキャロラインの笑顔を取り戻したいと色々考えたけど、君たちのお父さんのケントとお母さんのマリアが結婚するまで、彼女に笑顔が戻る事はなかった。君たちが生まれた時は久しぶりに満開の笑顔になってね。私達も安心したんだよ」

カレン:「お祖母ちゃん……」

ユーリ:「そうだったのか…」

キャメル:「あなた達、キャロラインに薔薇の花束を贈ろうとしてるんでしょ?私達じゃ枝を切れないからせめて作り方だけでも是非協力したくって!思わず声をかけちゃったの。驚かせてゴメンなさい。」

ユーリ:「良いんだよ!二人の気持ちが嬉しい!」

カレン:「うんうん……!お祖母ちゃんの為に皆で頑張ろう?」

ルタ:「良かった。じゃぁ、薔薇の花束を作ろうか」

トマス:「よし、まずは主役の白い薔薇からだ!こっちにきてくれ!まずはこれだ!この国で作られた品種でね……!」

ユーリ:「ふーん」

カレン:「うんうん……」


ルタ:M「そんなこんなで花束作りの説明が始まった訳だけど……トマスは薔薇の事になると……あははは……とにかく、止まらないんだよ」

〈時間経過 少しの間〉

カレン:「あの……すみませんトマスさん。このままだと夕方になっちゃいそうだから、そろそろ摘んで束ねたいんですが」

トマス:「あぁ!済まない!人と話すのも久しぶりだから、つい……」

キャメル:「もう……トマスったら」

ユーリ:「良かった……やっと作れる(小声)」


ルタ:「トマス、トゲの処理と、切り方、どれが長持ちするかとかを、教えてあげてくれない?」


トマス:「分かった。トゲはココをこうすると、外れるが……失敗すると痛いから私が取るよ。この枝がいいね!この位の長さで斜めに切ってくれ。」

カレン:「どーでも良いけど…魂なのにトゲ処理はできるのね……こうね?ぁ……切れた!」


トマス:「よし!うまいぞ!そうしたら下の方の枝は切り離して、花の位置を調整するんだ。7輪集めたら……あぁ、長さは最後にまた揃えれば大丈夫さ。キャロラインは桃色の薔薇が白の次に好きだから、額のように中心が桃色外側が白い薔薇で外側を。根元は取り敢えず麻紐で縛ればいいだろう。周りをグリーンで包み込む様に……」

ユーリ:「俺のアイデアと似てる!プロと似てるなんて嬉しいな♬」

キャメル:「センスの良さは生前と変わらないわね!黙ってれば格好いいのに」

トマス:「キャメル……君ってばいつもひと言多いよね」


カレン:「うわぁ……素敵!きっとこれなら喜ぶと思う!」

ユーリ:「凄い……俺もこんな風に相手を喜ばせる仕事したい……でも、薔薇って、育てるの大変なんだろ?」


キャメル:「ユーリ君、きっとできるわよ!」

トマス:「花を育てるのは確かに大変だよ。でも庭師じゃなくても相手の事を思えばどんな仕事も頑張れるだろう?自分なりの方法でいいのさユーリ君」

ユーリ:「自分なりの方法で……か。」

ルタ:「さぁ、そろそろお茶の時間だよ!」

カレン:「急ぎましょうユーリ!ティーテーブルに飾ってもらえるかも!」


ルタ:M「それで、皆でキャロラインの元へ花束を持って行ったんだ。それはもうクシャクシャの笑顔で喜んで泣いて。トマスとキャメルももらい泣きして。ティーテーブルの真ん中に咲き誇る薔薇はとても美しかったんだ!」

キャメル:「それで……キャロラインがね。言ったの」

トマス:「いずれ枯れてしまうのは儚くて愛しいけれど、やっぱりドライフラワーにすると色褪せてしまうのよねって。」

ルタ:「それを聞いたユーリがその日の夜にジッと考え事をしてた。」

カレン:「ユーリ?眠れないの……?」

ユーリ:「ちょっとね。人を笑顔にする為に、俺に出来ることって何かなって」

カレン:「そう……お仕事かあ……トマスさんみたいに好きな事、得意な事を仕事に出来たらなあ……」

ユーリ:「そうか!それだよカレン!」

カレン:「どういう事?」

ユーリ:「俺、枯れない花を作ってみたい!お茶の時間に、花みたいなメレンゲ菓子があっただろ?あんな風に!」

カレン:「パティシエになるって事?ユーリが?」

ユーリ:「毎日厨房は覗いてた。お菓子からならできそうな気がするんだ!」

ルタ:M「それから本当に毎日、勉強の合間に図書館やパティスリーを外から眺めて製菓学校に進学した。ユーリはジャンの軌跡を辿るように、国で1、2を争うパティシエの弟子になった。そうしている内に飴細工の才能を開花させ……初めて納得いく飴細工の白い薔薇を作ったんた!この記念すべき1作目が、僕に贈られたって訳!」

トマス:「凄いよな…より上を目指して、ユーリはクープ・デュ・モンドに毎年、挑戦してる」

ルタ:「……どう?より美味しく思える様になったかな?……食べるのは勿体ない?あははは!大丈夫さ。さぁ、この輝く花びらを一枚、召し上がれ」


〜了〜



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