篠崎要

イラストストーリー部門2023のお題画像が素敵だったのでnote始めました。よろしくお願いします。

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「確定事象対策室出向 霧島由紀」第1話

~あらすじ~  霧島由紀は北海道警察の公安部に所属する警察官である。  ある日、彼女は署長からの命令で、とある高級ホテルの一室に向かうこととなった。そこに待ち受けていたのは「異能対策課」を名乗る巫女装束の少女と、強面の男だった。彼らは、政府の誇るオカルト機関の一員を自称し、災厄の未来を防止するべく、霧島にある少女に関する潜入調査を依頼する。  未来視と、少女と、不器用な彼女達の物語は一体どこに行きつくのか。 ~本編~ 0……  選択だ、という言葉が霧島の頭の中をぐるぐると巡

    • 締切間に合わなかったけど読みました!【創作大賞2023 イラストストーリー部門の感想】

       相変わらず自分の締切管理ができていない……!  創作大賞も終了間際にどうにか投稿できた分際で、余裕を持って感想投稿などできるはずもなかったですね……。  とにかく、読んだものの感想を上げていきます。本当は応援になるよう早めの投稿できればよかったのですが、締切破ろうとも投稿した方がいい! はず!  感想書いたら随時追加します! 目標は十作!  それと、「おかゆ」さん、こんな僕の投稿作に感想書いて頂きありがとうございます。超嬉しかったです。ほんと今後も頑張ろうと思いました。なお

      • 週末も仕事だけど創作大賞の感想せめて自分の参加したイラストストーリー部門の分くらい頑張って読んで感想書いておきたいね……! なお、今のところ投稿したものよりあとがきの方が読まれている様子。なんでじゃ。

        • 【短編】いもうと・いん・ざ・といれっと

          「なあ……もうよそう、こんなこと。こんな戦いは、不毛だ」  僕は扉に背をもたれかかりながら、その奥にこもっているはずの妹に語りかける。もちろん、返事はない。この数時間繰り返してきたことだから、やっぱりか、という思いになる。  ため息をつき、僕はまた下腹に力を込めて痛みに耐えることに集中する。じくじくと波のように押し寄せる痛み。原因はわかっている。便意だ。  事の始まりはおおよそ九十三分前にさかのぼる。第一志望の高校に落ち、両親に心ない言葉を浴びせられ、おまけに彼氏に振られた妹

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        「確定事象対策室出向 霧島由紀」第1話

        • 締切間に合わなかったけど読みました!【創作大賞2023 イラストストーリー部門の感想】

        • 週末も仕事だけど創作大賞の感想せめて自分の参加したイラストストーリー部門の分くらい頑張って読んで感想書いておきたいね……! なお、今のところ投稿したものよりあとがきの方が読まれている様子。なんでじゃ。

        • 【短編】いもうと・いん・ざ・といれっと

          【短編】天使の羽ばたき

           生徒会長の羽田さんは、背中に翼が生えている。  翼と言っても、あまり大きなものではない。長さは腕の半分くらい。白い羽はなんだかつやつやしていて、いつも動きに合わせてかすかに揺れている。高校の入学式、生徒会長として壇上に姿を見せた時には学校中がざわついた。金色の髪、青い瞳、そして輝かんばかりの白い翼。僕の前に並んでいたクラスメイトの一人が、天使だ、とぼそりと呟いていたのが印象的だった。僕も全く同じことを思ったからだ。  進行性背部変形症候群。その名称を知ったのは、初めてのホー

          【短編】天使の羽ばたき

          【短編】天王星人が攻めてきて火星人と協力する日常もの

           高校三年生の夏休みというのは最悪の期間だと、綿谷なるは考える。  辛くも楽しかった部活動も終わりを迎え、三年生はみな無闇に成長した後輩達に見送られ、涙と笑顔で地獄の受験戦争へと送りだされる。ああ、なんて破滅的な構図だろうか! なるはこれからの苦難を想像するだけで笑いが込み上げてきそうだった。  勉強なんてしたくない。詰め込み教育大反対。そんな人格の尊重されない状態になるくらいなら寄生虫に耳から脳をぶち抜かれた方がマシだと多少大袈裟ながら思いつつも、それでも高校生として、受験

          【短編】天王星人が攻めてきて火星人と協力する日常もの

          【短編】しゅれーでぃんがーのいもうと

           春休み。大学も長期休暇であるので、佐藤くんはアパートの自分の部屋でごろごろしていた。特に遊ぶ友達はない。サークルの友達、オカルト大好きな坂本くんが、先日中学生を襲った変質者として逮捕されてからは、大体がこんなものだった。  涙は出ないので、坂本くんがくれた目薬をさしておいた。彼がどこだかの怪しい宗教家から買ったという目薬には、知らないアニメの絵がプリントされていて、目にさしても全然刺激がないのが魅力的だった。毒にも薬にもならない感じがあいつらしいよなといつも思い、笑った。

          【短編】しゅれーでぃんがーのいもうと

          【あとがき】創作大賞2023 イラストストーリー部門投稿してみました

           宇佐崎しろ先生のお題イラストで書く、イラストストーリー部門に投稿してみました。    僕はほとんどオフライン媒体で生きてきたので、インターネット上で小説を公開するのは初めてでした。  ツイッターなんかはやっていましたが、それもほぼ見る専になっていて、存在自体忘れかけていたくらいです。  初めてインターネットに触れる非現代人的な感想含め、色々と考えさせられることもあったので、あとがきついでにまとめてみます。   イラストストーリー部門について ↑こんな感じの投稿しました。

          【あとがき】創作大賞2023 イラストストーリー部門投稿してみました

          「確定事象対策室出向 霧島由紀」第7話

          6…  私立華吹高校を襲った大規模な災厄は、その後の機関の調査で邪神のものであることが判明した。  田中が報告していたように、敵対する相手の機能を奪う土地神の一種が、再顕現を求めて白井絵空を依代にしたというのが事の顛末であるようだった。数十人規模で願いを叶えて存在力を高め、一息に学校周辺を領域化した。聖騎士にも叙される田中が、まともな準備もなかったとはいえ、手も足も出なかったことからその力の規模は災厄と呼ぶに相応しい。未来視がなければ、あの場に万全のサポートをしたうえで霧島を

          「確定事象対策室出向 霧島由紀」第7話

          「確定事象対策室出向 霧島由紀」第6話

          5…  山本は霧島に飛びかかる。その動きは速く、まともな人間のものとは思えなかった。覚醒剤の乗用者を扱った事件を思い返す。彼女は覆いかぶさろうとした山本を即座に体を反転させ、腕をつかんで投げ飛ばした。  背負投げ。背中を打ち付けられた山本は、しかしそれでも霧島に追いすがる。彼女は半分殺すくらいのつもりでヒールで喉を潰す。それでようやく山本は動かなくなった。  荒い呼吸を整え、校舎の中へ向かう。ヒールは走るのに邪魔だったので脱ぎ捨てる。校舎の中にもたくさんの人が――正気を失った

          「確定事象対策室出向 霧島由紀」第6話

          「確定事象対策室出向 霧島由紀」第5話

          4… 「僕は主に学校とその周辺の、魔的な要素について警戒していた。この学校は、かつて土地神を祀るためにあった儀式場があった土地に建てられている。そんな場所は世界中どこにでもあるし、幸い、これまでは特段の問題を感じなかった。……これまでは、だが」  田中は保健室にやってくると、険しい表情でそんな説明を始めた。霧島はコーヒーを準備する手を止めて、田中を見る。彼女にはオカルトについての知識はない。だが、これが重要なことについての話であることくらいは容易に察しがついた。 「ここ数ヶ月

          「確定事象対策室出向 霧島由紀」第5話

          「確定事象対策室出向 霧島由紀」第4話

          3…  白井絵空と初めて会話をしてから、程なくして彼女は保健室に顔を出すようになった。  あの日、彼女は落とし物を探していたらしい。それは見つからなかったそうだが、気にしている素振りはなかった。本当に大したものではなかったのだろう。  初回接触が好印象だったのか、性格なのか、彼女はとても人懐こく、一日と置かず保健室で雑談をしに来るようになった。怪我や体調不良以外でも何か悩みがある生徒などは保健室によく来るので、彼女が特別というわけでもないのだろう。改めて調べてみると、養護教諭

          「確定事象対策室出向 霧島由紀」第4話

          「確定事象対策室出向 霧島由紀」第3話

          2…  私立華吹高等学校は。県内でも平均的な偏差値を誇るありふれた高校の一つである。  生徒数は600人程度で、市街地に構えられた学校の敷地内には校舎と体育館があり、少々大きめの校庭とグラウンドもある。野球部はそれなりに強いらしく、冬真っ盛りの1月のこの時期でも、元気に屋外で部活動に勤しんでいる。北海道の冬とは違い、ほとんど雪も降らないから当然か、と彼女は思う。  霧島由紀は、北海道警察所属の警察官である。が、今はこの高校に勤務する養護教諭――いわゆる、保健室の先生、というこ

          「確定事象対策室出向 霧島由紀」第3話

          「確定事象対策室出向 霧島由紀」第二話

          1…  公安警察などと言っても、その業務は華やかなものではない。  それが女性職員ともなれば、その扱いは推して知るべし、といったところだ。  仕事の多くは地道なものである。本庁勤務のキャリア組ならともかく、一地方公務員である。危険性のある団体の情報収集、調査に諜報活動。華やかにも聞こえるそれらの言葉も、地方の最果てに届く頃には形式に堕したくだらないものとなる。そんな業務を一応はこなしている組織の末端が、霧島であった。  その日、彼女は他の班員と共同で、ある組織の構成員の男の動

          「確定事象対策室出向 霧島由紀」第二話