「確定事象対策室出向 霧島由紀」第5話
4…
「僕は主に学校とその周辺の、魔的な要素について警戒していた。この学校は、かつて土地神を祀るためにあった儀式場があった土地に建てられている。そんな場所は世界中どこにでもあるし、幸い、これまでは特段の問題を感じなかった。……これまでは、だが」
田中は保健室にやってくると、険しい表情でそんな説明を始めた。霧島はコーヒーを準備する手を止めて、田中を見る。彼女にはオカルトについての知識はない。だが、これが重要なことについての話であることくらいは容易に察しがついた。
「ここ数ヶ月