裏庭
今日昼間、居間でまったりくつろいでいたら、裏庭からガサゴソと落ち葉を動かしている音が聞こえた。
家の裏庭は、落ち葉がまるで高級なじゅうたんのようにぎっしり詰まっているので、動物やガスの検針のお兄さんが通るとすぐわかるのだ。
今日はガスの検針の日じゃないし、猫か、ハクビシンが糞をしているのかと思い、音のする方を窓から覗いてみる。
すると、そこには珍妙な生き物がいた。
まずはじめに認識したのはまるい耳。
次に大きな黒いビー玉のような目。
最後にぽっちゃりとしたトースト色の体。
え、何、これ。
たぬき?
違う。
ハクビシン?
違う。
もちろん、猫じゃないし、アライグマ?
とりあえず写真を撮ろうと構えたら去っていってしまった。
狐につままれたような気持ちでそれっぽい生き物を検索してみる。
違う、違う、これも違う。
ぼんやりと思い出すさっきの謎生物。
あ
あ
これは──
ポメラニアンだ!
野良?迷い犬?それとも近所の犬が逃げ出した?
わからないけれど、確かにポメラニアンだった。
びっくりした。
あまりに予想外だとひとは判断が遅れるな。
それにしても、可愛かったなあ。
落ち葉の中に何を隠していたのだろう?
長い間(5分ぐらい)ガサゴソしてたから、大切なものなんだろうな。
ちょっと胸がキュッとなってます。
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