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アカイ戦記 潜水艦防衛作戦

「後方に未確認艦の接近を確認……敵巡洋艦の接近を確認。本艦は現在機関部の故障のため潜航出来ません。修理完了まで敵部隊をお願いします」
洋上に浮かぶ巨大潜水艦の甲板が開くと一機の人型決戦兵器、機動歩兵が射出された。
真紅の機動歩兵のコックピットで不敵な笑みを浮かべ、戦闘モードを起動させるのは金髪碧眼のアカイシューマン。


2247年国家が消滅し巨大企業が領土を持ち互いに争う戦国時代。
各企業は傭兵を雇い、領土資源技術を求めて紛争を繰り広げていた。
アカイは元軍人で傭兵として各企業を渡り歩き数々の武勲を立てた歴戦のパイロットである。
今回ノーテック社所有の潜水艦に乗り海上輸送作戦の護衛任務に就いていたが、ティコ海を航行中この海域の制海権をもつシノノメ社の艦隊に捕捉されてしまった。

レーダーで爆雷を搭載したドローンの接近を確認すると手持ちのアサルトライフルを連射し撃ち落とす。
その内潜水艦の回りに巨大な水柱が立ちはじめた。
「ちっ。まずは巡洋艦を叩かねば」
機動歩兵はジャンプするとブーストを吹かして五キロほど前方にある巡洋艦まで飛んだ。巡洋艦は砲撃してきたが機体を左右に振ってかわす。四十ミリ四連装機銃の掃射を受けたが損害は軽微だ。
機動歩兵は艦首に着艦すると腰からビームソードを抜いて砲搭に突き刺した。そのまま引き抜くと振り向き様に艦橋を一閃。爆音を上げて炎上する巡洋艦からジャンプし、潜水艦へ戻ろうとするとレーダーに反応があった。
「新手か」
白い機動歩兵が高速で飛びながらビーム砲を撃ってくる。
アカイがアサルトライフルを撃つと左に旋回しかわした。
「飛行タイプか。やっかいだな」
アカイは飛びながら、両肩に装備された多弾頭ミサイルを発射した。
白い敵はコアからデコイを射出しミサイルを誘爆させると腰からビームソードを抜いて接近してきた。
「ほう、白兵戦がお望みか。いいだろう」
アカイもビームソードを抜いて潜水艦に着艦した。


【続く】





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