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俳句幼稚園9 連作 探偵と月 十四句


 油蝉油男の油汗


 日盛りの団地に響くのど自慢


 鼻に皺寄せてる君の浴衣かな


 腰叩き空見上げれば残夏かな


 色鳥は色なき空へ羽ばたけり


 詩の湖の底まで月の光かな


 月光で日焼けしさうな夢二の忌

 推敲

 月焼けをしさうな夢二の忌日かな


 探偵は八百屋の二階月涼し


 月の皮剥けば村上春樹かな


 三日月や杜の都は萩の月

 推敲

 三日月や杜の都に「萩の月」


 花魁が電子煙草を吸ふ月夜

 推敲

 花魁の電子煙草を吸ふ月夜


 竹林に笛吹く少女月涼し


 安ワイン提げてぶらり星月夜

 推敲

 安ワイン提げてぶらりと星月夜

(ひさげて→さげて)

おまけ😎

 サングラス掛けたうさぎの月の宴


 俳句てふてふとriraさんの百本ノックで月の句を多く詠みました。やはり月は最大の季語で色々考えて楽しかったです。
油男はまったくの冗句みたいですが可笑しみということで載せてみました。私は油男で顔面オイリーです。でもそのお陰で乾燥せずに皺がないのでいいのかもしれません。
ちょっとおふざけが過ぎましたが俳句のおかしみということで。
のど自慢は日曜日の昼にやっているNHKのど自慢で、昔の狭い団地など窓開けっ放しにしてテレビの音が響いてくるというノルタルジックな光景です。
鼻に皺~はそういう表情をする女性を見て印象に残ってました。
腰叩き~は稲刈りをやっているところです。暑くて参りました。おじいちゃんみたいですね。
色鳥~は俳句ポストに出すのを忘れてました。
詩の湖はずっと私のテーマになってて短歌でも詠んでました。
明智小五郎が八百屋の二階に住んでると思ってたら実は煙草屋の二階でした。ボロいお店の二階はなぜかロマンを感じます。
月と夢二は季重なりですね。
 村上春樹はIQ84を読んだら月が2つ出る描写がありました。
仙台名物萩の月と歌舞伎の仙台萩と政宗の兜の三日月、洒落でございます。
花魁~は煙草吸う同僚に「キセルで吸ったらどうでしょう?」「それじゃ花魁じゃん」という会話から。
竹林は最初翁から推敲しました。少年もいいんですが中八だし君よも変かと。
安ワイン美味しそうですね。提げる。(ひさげる)ようです。



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