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大阪をカテゴライズ 

 昨日初投稿だったのですが、意外にも❤️をいただきました。めちゃくちゃ嬉しいです。ありがとう!今日はカテゴライズについてぽちぽち。フィクションです。

 東京で働いていると必ず直面することがある。「君、大阪の人なんだって?なんかおもろいこと言ってみてよ。」というお決まりのパターンだ。毎回心の中で、はーどるたっけぇ!と思っている。
 大体面白いことってなんだ?布団が吹っ飛んだしか頭に浮かばないし、微妙に期待されるようなぬるい視線にも耐えられない。

 僕は東京生まれ、大阪育ちの社会人。両親は完全な東京人で大阪にいながらも毎日標準語しか話してこなかった。勘違いしないでいただきたいのだが、決して関西弁を馬鹿にしているのではなくて、文化が違うというだけだ。引越し当初、僕を含め、両親も頑張って大阪弁をそれっぽく話していたが、「ちょ、エセ関西弁やめたれ!」と嫌そうにされて心が折れた。まぁ、エセ関西弁だけの問題じゃなくてとりあえず周りに合わせとこうという態度が良くなかったんだと思う。

 標準語を日常使いしている分際で悪いが、東京という街はあまりにも薄っぺらい。悪気もなく人間を差別化して適性のある役割を演じさせているのが気に食わない。大阪の奴らが異様に東京人を毛嫌いしているのを妙に納得しちゃったことについて元東京人の僕としては微妙なこころもちでいる。
 上京前、僕は就活をしていた。東京の企業はどこも個性的で多様性を受け入れる学生を求めていて、僕もそれをアピールしまくっていた。
しかし、面接をこなすたび、ほんまにそれ思うとるん?と思わずツッコミをいれたくなるほどぺらっぺらっの主張を繰り出す東京出身の奴らがそこらに転がっていて、面接官もそいつらの返答にもっともらしく頷いていた。
 嫌だなぁと思ってもそこは将来がかかっているので目をつむって薄っぺらの仲間入りを果たした。働き始めてから、同僚として意外にも気のいい奴らで悪くないと思ったが、薄っぺらいのは全く変わらなかった。
 話を戻そう。僕がツッコミを入れそうになった彼らの多様性は金儲けする側が提唱するような安易なものだった。例を挙げるなら、ファッション誌の◯◯系女子、◯食男子コーデと称される、いわゆる消費のためだけのわかりやすいカテゴライズだ。個人の本質を見る気のさらさらない大雑把な差別化をはかったそれは確かに効率が良く、コンテンツとしても話題性があった。
 もう大阪。帰ろうかな。そう思っていた時期もあった。だが、残ると決めた今、声を大にして言いたい。僕もカテゴライズしてください。新しいジャンルとして消費されてもいい!
 もう、なんか面白いこと言って(笑い)から逃げたいんだよ。こちとらぁ大阪育ちの元東京人つうだけで、お笑いは見る専。学生時代のあだ名はおもろんない奴!そのくせしてなぜかたこ焼きを焼くのだけうまくて、知らないやつらからホームパーティに焼く係として呼ばれまくってた。おかげで大学じゃ、あいつおもろんないけど東京人のくせして美味いたこ焼きが作れるとちょっとした噂になったよ!

 カテゴライズされたくないけどされないとちょっと困る。そんな矛盾を抱えて今日も僕は東京で温めてきたネタをエセ関西弁で一発かましつつ、たこ焼き機の所持について語るのだった。

 文中に登場するぺらっぺらっの主張を繰り出す東京出身の奴にストーリーはこちらです。ぜひ見てみてください!

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