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【1分小説】15# 月の兎 :奇妙

「ねぇ、ママぁ~」

「ん?」
「どうしたのー?」

「今日、幼稚園で絵本を見たの!」

「うんうん!」

「お月さまには、うさぎさんが居るって」
「本当?」

「えぇ、本当よー」

「へぇ~うさぎさんは何をしてるの?」

「うーん」
「今は教えられないかなー」

「なぁんだ」
「じゃあ、うさぎさんは、どこから来たの?」

「それも教えられないなー」

「む~」
「つまんないの~」

「あなたが大人になったら分かるかもね?」

「ふ~ん」

「さっ、パパがそろそろ帰ってくるから」
「夕ご飯の支度するわね」

「分かったぁ」
「…」
「あれ⁈ポポちゃん⁉」
「お母さん!ポポちゃんが!」

「何を言ってるのよ」
「だってポポちゃんは……」

月の兎模様が見える日は、亡くなった兎が
飼い主の元へ遊びに帰ってるのだとか……

1分間立ち寄って頂き誠にありがとうございます。
あなたの時間を奪ってしまい、大変嬉しく思います。
また次の作品であなたの時間が奪われぬよう、ご注意下さい。

私の1分じゃない小説はこちら。

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