【1分小説】31# 雲までの距離:恋愛
公園のブランコに座る小学生の男女が居た。
「たけくん……」
「わたしの家、引っ越しする事になっちゃったんだ……」
「え……」
…
「そ、そうなんだ…」
「でも!一生会えない訳じゃないらしい!」
「ママがそう言ってたから…」
…
「あっ!あの雲」
少女は空を指差す。
「え?」
「きっと、あの2つの雲くらいの距離だよ!」
「雲?あの隣同士の…?」
「うん!」
「だから、また…遊ぼうね…」
「う、うん。」
「それじゃあ…」
「またね!」
タッタッタッ……
「……」
コーンコーン…
街に夕焼け小焼けの鐘が鳴り響き
少年少女の目には涙がこぼれた。
……
「あの雲までの距離は、どのくらいなんだろう」
少年は空を見上げながら、つぶやく。
それから数日後……
「たけくん⁉」
2人が再開した場所は、お互いの家の前だった。
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