【1分小説】14# 悪代官 :噂
江戸時代に“磨くと光る布”と呼ばれる物があった。
ある説によれば
その布で商品を磨くと金を生み出す。
商売人が言い出した、嘘か本当か分からない話だ。
その噂は城下町全土を駆け回ったが
人の噂も七十五日
忘れ去られてしまったようだ。
だが、ごく一部の人は知っていた。
噂の真実を……
場所は城下町、とある一室での会話……
「本当に人々は、あの噂を忘れているのか?」
「はい、実物を見た者が少ない為」
「風の噂になりました」
「お主も悪よのう」
「あなた様ほどじゃあ、ございませんよ」
「最近、続けている事があってな」
「えぇ、どういったもので?」
スタスタ…
ファサッ
「これだ」
「あれ?その布は確か……」
悪代官はその布で乾布摩擦を始めた。
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