1-15.文化は成り金が作る。
1-15.文化は成り金が作る。
CSK会長 大川 功
「サラリーマンがコツコツと金を溜めてぜいたくなものを買うはずがない。思いがけず金がボーンと入ると、ぜいたくなものを買える。文化というのは成り金が作るんだと思う。成り金が使う金が資本主義のエネルギーになっているんだ。大阪城を作った豊臣秀吉にしたってそうです。昔は、政治家や小説家、歌舞伎役者にしても、みんな成り金が育てている」
と言うのが、昭和を代表する起業家の一人、CSK会長、セガ会長大川の言葉だ。
アメリカでは、金もうけ=成功者というイメージがあり、大学で講座さえあるほどだが、日本ではどういうわけか、金もうけ=成り金という良くないイメージで見られがちである。
上場するくらいまで大きく成功した経営者は高く評価されるが、少し前は、町の小金持ち程度だと、後ろ指をさされたり、陰口を叩かれたり、むしろ悪評のほうが多かったりした。大川の言葉は、世間の目に対する開き直りでもある。
「もともと日本にはジェラシー(嫉妬)の精神風土があり、これが島国根性とか横並び主義という弊害のもとになっている」
と大川は評している。
起業家を育てよと言うのなら、まずは、自信を持って金もうけができる風土作りだ。そのためには、成功者に対して寛大な気持ちを持つということが、案外大事なことかもしれない。