Y3-1. YOKOSUKA軍港めぐりクルーズ--軍港横須賀のいまを知る
YOKOSUKA軍港巡りクルーズ船
■YOKOSUKA軍港めぐり――非日常に触れるクルーズ
いま、首都圏で人気なのが「YOKOSUKA軍港巡り」クルーズだ。
米海軍基地の施設と、旧横須賀軍港(現海上自衛隊基地)を遊覧船で一回りする小さな船旅だ。
対岸に明治4(1871)年につくられ、いまも稼働中の我が国初の石造りドックを望み、潜水艦や軍艦など軍港のいまがまじかに見られるのが人気の秘密である。
JR横須賀駅とともに、横須賀港へのアプローチのもう一つの出発点は、ヴェルニー公園を挟んで反対側にある京急「汐入」駅だ。
いま、首都圏のツアー人気で1、2位を争うのがYOKOSUKA軍港めぐりクルーズ。
この遊覧船に乗るのならば、京急汐入駅が最適だ。ただ、JR横須賀駅と京急汐入駅間の距離は歩いても5、6分なので、JR横須賀駅で下りて、ヴェルニー公園を通り抜けての散策を楽しむのもおすすめだ。
京急・汐入駅を降りると、正面は国道16号に面したロータリーだ。すぐ右に、近代的な芸術劇場やホテルメルキュールのあるベイスクエア・ヨコスカがあり、その手前を線路の高架に沿って右に入ればどぶ板通りにでる。
ビルを右に見てまっすぐ進み、歩道橋の階段を上がって、国道16号線をまたぐデッキウォークから正面に見えるショッパーズプラザ(ダイエー)をめざす。汐入から歩いて4分、JR横須賀駅から公園を通ってまっすぐ来ればおよそ10分もかからずに着く。
ショッパーズプラザの裏側に、軍港めぐりクルーズの遊覧船乗り場の桟橋がある。桟橋の前に受付があるので、予約を確認しておこう。
クルーズの出発は、11:00~15:00の1時間ごと。土日祝日には10:00の便もある。1回のクルーズは約45分。料金は大人1人1,400円、小学生は700円。15名以上なら10%の団体割引がある。
このクルーズは、首都圏のツアー人気ランクで常に上位に入るほどで、事前に予約することをお勧めする。予約は電話やインターネットで可能だ。
横須賀軍港めぐりクルーズの受付はこちら。
■間近に最新鋭のイージス艦を見る
横須賀軍港は湾の中ほどにある吾妻島を挟んで、東の横須賀港、西の長浦港と分けられる。
もともとは、吾妻島は陸続きだったが、長浦港と横須賀港の間をショートカット水路を掘ってしまったので、吾妻島が作られた。
いまは、倉庫・補給庫として日米で供用されているこの吾妻島を、反時計回りにぐるっと一周する形でクルーズは進む。
クルーズ船が出発してすぐに右に見えてくるのが、米海軍基地。文字で「A」と書かれたドライドックのゲートが見える。
明治初めに建造された石づくりの3つのドライドックが、手前から第1ドック(長さ137m)、第2ドック(151m)、第3ドック(96m)と並んでいる。
明治4(1871)年~17年にかけて完成したドックで、140年たった現在も現役で船舶の修理に使われている。
運が良ければそのすぐ隣の岸壁に潜水艦が係留されているのが見られる。
ドックを右に見てしばらく進むと、アメリカ海軍横須賀基地の埠頭で、イージス艦など米軍の主力となる護衛艦などが停泊していることが多い。
■自衛隊載新鋭艦を見る
東京湾に出て左に舵を切る。右に横須賀市夏島の住友重工業の横須賀工場、日産追浜工場が見えてくる。
ここから先は、海上自衛隊の基地で、船越地区は、自衛隊の総司令部、つまり全海上自衛隊を指揮する本部があるところだ。
海洋観測船「しょうなんAGS-5106」が停泊していた。 海洋観測船とは、潜水艦などが座礁せずに活動できるように、そして対潜戦に影響を及ぼす海底の地形や底質、磁気雑音などの自然環境を観測し、データを収集することを主任務とする船である。
しばらく進むと、港の中央に廃船になった潜水艦が係留されている。訓練用に使われるのだろう。奥に掃海母艦「うらがMST-463」が見える。
掃海母艦とは、機雷の排除を任務とする掃海艇などの移動基地として、燃料や物資の補給などを行う軍艦だ。機雷の排除では世界最強の戦艦である。
ここから吾妻島を切り離して作った新井掘割水路に入る。水路では、自衛隊員が訓練を行っていた。
水路を抜けると自衛隊横須賀地方総監部の吉倉桟橋である。
この日は、護衛艦「やまぎりDD-152」、「いかづちDD-107」、「補給艦ときわAOE-423」、「イージス艦きりしまDDG-174」「しょうなんAGS-5106」などが停泊していた。自衛隊横須賀総監部の岸壁に停泊する護衛艦「101むらさめ」、試験艦「あすかASE-6102」が見える。
ヴェルニー公園から見える岸壁がこの岸壁だ。
クルーズの主要時間はおよそ45分。目の前に出てくるめったに見られない光景に目を奪われていると、時間はあっという間に過ぎてしまう。
解説も分かりやすく、軍港のいまが手に取るようにわかる。
日常的には目にすることのない米軍と自衛隊の艦船を間近に見るクルーズ、一見の価値がある。
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