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5-13. 新製品を作る時に市場調査をしても意味はない。

 本田技研工業創立者 本田宗一郎

 スーパーカブを発売した際の経験を前提に、本田は新製品発売に当たって行う市場調査についても疑問を呈している。
 たとえば、コウモリ傘はどのくらいの需要があるかという市場調査をしたとする。過去にあったようなモウモリ傘についてなら、それなりに信頼できる数字も出てこよう。
しかし、これまでにないまったく新しいコウモリ傘の必要性を誰が考えられるか……本田はそう言うのである。過去、本田でも需要予測では何度か失敗もしている。
 その一番いい例が代理店の予測だと本田は言う。

「バイクの生産が間に合わない時は、一台足りないと十台足りないという錯覚を起こすくらいの報告がくる。それが集計されるととんでもない数字になる」
「世の中にない新製品の販売に際して、市場調査をしても意味はない」

 数字を半分くらいに見て生産するが、それでも、余ったりしたという。

 代理店の調査でさえそうだから、無関係な人の調査が当てにできないのは当然である。


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