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目まぐるしい前半の終わり

初場所ようやく前半も終わり。7日目3大関がそろって勝つ。今場所初めてであった。もはやこれが珍事といえる。

連日フラフラの琴櫻。7日目も豪ノ山の攻めに左下手をとって凌いだ。 しかしこらえるのがやっとで、出し投げで泳がされそのまま追い込まれるも土俵際で突き落とし。豪ノ山が一瞬早く落ちた。辛くも勝利。やっとの2勝。よくよくみるとこんな相撲が多い。

6日目は1日2度負けるという不名誉さ。審判の不手際もながら琴櫻に戦意がみられない。このまま出場してもまともな相撲になると思えないが。

大の里はようやく復調しつつある。 6日目は正代に右差しからいっきに寄り切り。7日目は熱海富士が右四つ十分で出る所半身でしのいでおっつけで起こして寄り切り。熱海富士ペースだったが辛抱しての勝利だった。大の里に足りないのはこのような点。これだけ防戦からの白星は少ないのでは。それほど立ち合いに懸けている人である。すぐ引くあたり立ち合いで押し込めない=負けという観念が反射的にあるはず。 本来負け越しで苦労があったほうがいいが…


豊昇龍。強引さは見せながら1敗で前半を終えた。両者当たるも気迫の豊昇龍が突っ込み、いなしからおっつけで王鵬を泳がせ、横について走り6勝。
このような相撲では墓穴を掘ることの多い豊昇龍。気迫が先行し空回りということもままある。

7連勝が千代翔馬、金峰山。1敗に豊昇龍、尊富士、玉鷲、王鵬。

千代翔馬は狼雅休場で不戦勝。これは初とのこと。御嶽海を豪快に投げつけるなど乗っている。どこまで勢いが続くか。

玉鷲は錦木戦。引いて呼び込むもとっさに叩いて決めた。今場所は圧力もあるが次の攻めが早い。最年長力士の動きではなくこれは驚異。

尊富士。欧勝馬の小手投げをしのぎ、東に走り右ののど輪一発から派手に押し出し。巧さと機敏さが目立つ。

金峰山。先場所の十両優勝から続いての白星で11連勝になる。 のど輪と鋭い突き押しが冴える。

しかし改めて見ると

全勝 カザフスタン・モンゴル
1敗 日本・モンゴル・モンゴル・日本

出身で見るとこうなる。国籍云々はともかく日本人力士の停滞が目立つ。王鵬も祖父は大鵬。押し相撲が全盛だがうまさを持つ力士がもう少し出てもらいたい。1勝や2勝は日本人力士ばかり。2大関にしても力に頼った相撲で今場所は試練の場所である。

豊昇龍も現在1敗だが平幕力士に優勝を奪われての2敗の場合どうなるのか。横綱不在とはいえ見送りが適当では。照ノ富士も休場の多い横綱生活だったとはいえ、実績で並ぶ力士が出るのか考えてしまう。むやみに横綱を埋めることはふさわしいのか。1年前の初場所、勢いに乗った琴櫻が決定戦で照ノ富士に手も足も出なかったのを見ると現役三役の底の薄さは異常ともいえる。

休場しがちの照ノ富士が3年半近く在位というのを見ても、5年6年の空位があっても問題と思えない。

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