NHKの改編に思う
2月になって新年度の番組編成が発表された。新番組や終了番組、担当アナの発表など色々と動きがあるが、ここのところ予算減の影響か番組の質は下がり続けていると感じる。番組の内容面から考えてみたい。
今年度の目玉は総合の13時~18時の生放送化だろう。何か大改編に踏み切るという向きもあるがこの枠は幾度と失敗している。昼帯に生放送を持ってきたのは2003年のお元気ですか日本列島が初。ラジオ深夜便に倣ってかベテランアナを日替わり司会とし、3時間の生放送で地域ニュースやミニコーナーも挟み、ことばおじさんなどの名物キャラも生んだ。しかし意気込んだものの放送時間は2年ほどで縮小し2013年に終了。かつての長時間番組も最後は49分だった。その後「情報まるごと」が枠を継承したが2年で終了し、再放送に戻る。
しかし2年後の2017年、再度同枠で「ごごナマ」がスタート。元気列島以来の12年ぶりの3時間生情報番組。以前とは異なりゲストとのトークや日替わりMCのコーナーなどワイドショー寄りの内容で、スタジオパークからこんにちはも継承するものだった。裏番組に対抗する挑戦的な内容だったが視聴率は低調で2年後に2時間枠に縮小、さらにコロナの影響もあって列島ニュースが新設されさらに縮小し、結局4年で終了した。
その後は3年間再放送枠となり今回の改編である。正直また失敗ではと考えてしまう。報道番組の経験が豊富な池田・伊藤アナが担当する以外に全貌は不明。2時間は列島ニュースのようだが他に一体何をやるのだろうか。現在のシブ5時も継承するためコーナーの移動も予想はできるが、中継や生活情報といってもNHKの取材体制もかつてより縮小されており多くの期待はできない。ニュースの繰り返しでは早々に飽きられるが何か秘策はあるのか。
それ以上にこの枠というのは大相撲中継・高校野球で16週ほどは放送が休止となる。さらに国会中継もたびたびあり19~20週(100回)ほどは放送されない計算となる。過去2年間放送といっても1.7年分ほどの放送実績になってしまう。裏のミヤネ屋やゴゴスマも視聴率低下があってか、芸能面を減らし社会問題を取り上げるなどテコ入れをしている。牙城を崩すのは難しいだろう。
さらにプロジェクトXの復活。18年ぶりというがこの番組もヤラセ騒動など晩節を汚して打ち切られた。終戦直後から高度経済成長期の様々な分野の人物の活躍を描いたものだが、次第に題材が尽きた結果によるのだろう。今回の新枠ではバブル崩壊後に焦点を当てるようだが、これもそれほどの題材があるのかと考えてしまう。まずはどうなるのか。
BSも大きく変わる。事実上プレミアムが廃止となりBS1に統合となった時点で予想できたが、野球はじめスポーツのシーズンとなり午前午後の通常番組が大幅減。午前は連日大リーグ枠、夜は水~土が野球枠となった。これまでのドキュメンタリーはじめとした番組はその合間に詰め込む形となったが、2が1となっただけに質量とも減ったのは明らか。ほぼ野球チャンネル化で、野球はそれほど好きではない視聴者にはBS離れにもつながるだろう。
予算減で再放送が多くなり渡りに船の状況だろうが、こういった番組がNHKの真骨頂だっただけ(逆に言えばそれがなければそれ程の価値はない)にスポーツ頼みは寂しい編成である。BSニュースも完全終了となる。プレミアムシネマも枠の縮小など、既存の番組にシワ寄せがきている。
BSの大半の番組は4Kでの視聴推奨なのだろうが、正直4Kという画質面のメリットはほぼ感じない。このあたりどう売り込むのか?
さらにテレビやラジオなどで旧ジャニーズが出演の番組が全て終了する。特にザ少年倶楽部→ニュージェネ、ラジオのらじらーはそれぞれ20年、10年以上放送されてきたが枠ごと消滅。特にラジオは人気で需要があったようだがかなり思い切った。この思い切りを他番組にも生かしてほしいが…