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初場所はもう決まり?
3日目。とはいえ場所の結末が見えたような日となった。
豊昇龍は3勝。今日は頭から突っ込み突っ張りながら左に逃れる若隆景を突き勝って突き出し。昨日は翔猿を上手から豪快に投げつけた。充実ぶりがうかがえる。
横綱に最も近い男?琴櫻は早くも2敗。ほぼ振り出しといっていいだろう。翔猿に右差しを許して慌て、小手に振ったり振りほどこうと慌てる。何とか離れ小手先の突き合いのうち、翔猿がのけぞるところ、左を入れて勝機とばかり正面に出るも、不十分な形で翔猿の土俵際でのとったりのような引き。琴櫻は土俵下に泳いだ。終始余裕のなさが見て取れた。逆に翔猿は琴櫻のプレッシャーを手玉に取るかのような憎い相撲ぶり。
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秋場所の因縁の相手。あの一番はいわば内部の力関係によって負けになったといってもいい相撲。出る所を引くという似たような態勢となったが今度は翔猿。快勝ともいえる。
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2日目の阿炎戦。阿炎は右手を突き出し、のど輪気味にグイグイ出ると琴は防戦一方で下がるのみでそのまま行司溜りまで押し込み、のけぞる琴櫻を突き出した。
もともと受け身の相撲で一呼吸おいてからの相撲が多い。それだけ立ち合いで先手を取られるとあっさり土俵を割ることが割とある。阿炎のようなタイプは苦手なのだ。
照ノ富士はやっと2勝。2日目隆の勝。隆の勝に2本差されたが、左の上手を取って堪え、寄って投げで崩しながら右四つの体勢を作り腰を割ってがぶるように寄り切り。とはいえ右四つになってもなかなか寄り立てることもできず苦戦。19秒の相撲だった。隆の勝が離れて取らなかっただけによかったといえる。進退も懸けていたという…
気づけば名古屋場所の決定戦の隆の勝以来の白星。本割では13日目の貴景勝以来。半年近い169日ぶり。国技館では初場所以来351日ぶりであった。夏場所は大の里にあっけなく敗れ休場で、約1年である。
3日目は霧島。体格差から豪快な相撲も多いが今場所は苦しい。右を引っ張り込んでひとまず形を作るも、不十分でなかなか出ることができない。霧島も策がなくこらえるのみ。ようやく左の上手を取りじわじわと寄って出て制した。12戦全勝の霧島相手にこの苦戦。今後どうなるか。
大の里も2勝。とはいえ1.5勝といっていい課題の多い内容。
霧島戦。バタバタは相変わらず。霧島に上手を許し足を払われるも、よくついていき霧島の引きいなしに張り手も交えながら押し出した。下手に引いたりせず相手を正面におくことにこだわったのがよかったか。これまでの大の里はすぐ引いてしまった。しかし腰が軽い。その点規格外の体力とはいえ足が揃ってしまう、腰がこれだけ浮き上がるのは一体どうなのか。 師匠稀勢の里も腰がドッシリ決まっていた印象だ。
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3日目隆の勝。のど輪をはねのけて大の里はダッシュで西に追い詰めるも土俵際で隆の勝が突き落とし。しかし伊之助軍配は大の里。隆の勝の足が出ていた。ほぼ負けだが拾った形。大の里としては追い込んだようにもみえるが隆の勝に突きがさほど効いていなかった。だからこそ土俵際での逆転ができた。むしろ大の里に攻めさせたともみえる形。これをみても隆の勝の下半身の安定感と大の里の不安定さが目立つ。
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3連勝は豊昇龍、大栄翔初め8人。王鵬に玉鷲、伯桜鵬に尊富士もいる。気のせいかいつも同じような顔触れのような。抜け出すのは誰なのか。出場すれば中心である照ノ富士も不安定なだけに先は見えない。