琴櫻翔猿を考える
3日目。玉鷲が輝に勝利。これで1631回出場。青葉城の連続出場の記録を更新した。
それはいいが結びに大問題。琴桜翔猿。翔猿とびこんだが琴桜右四つでこらえ、じわじわと翔猿の頭を上げさせ、琴桜が圧力をかけながら前に出たが、翔猿は土俵際で突き落としのような下手投げ。琴桜の体が落ちるのと、翔猿が飛ぶのが同時にも見えた。庄之助の軍配は琴桜。かなり微妙だが物言いなしでそのまま。スローで見ると琴桜が早く落ちているように見え、翔猿は足が若干返っているようにも見えた。
舞の海が「物言いをつけなければいけない」「翔猿が有利」と明言するなど一見翔猿の勝ちでも問題ないように見える。当人も感覚では勝っていると話すなど不満で声を荒らげたようだ。
これに対し審判長の九重は「翔猿が外に出ている。攻め返すことができない」と死に体と主張。高田川部長も「完全に勝っている」「物言いは難しい。物言いでも結果は同じ」とコメントしたが、協会公式の動画をアップしないなどどこかやましいようで紛糾している。
物言いすらつけないのは理由があるはずだ。1つは庄之助。今場所限りで定年である。それだけにミスなしで有終の美を飾らせたい。 差し違えは傷がつく。だからなかったことにしたい。こんなところだろう。しかし差し違えはしっかり認めるなりした方がクリーンである。ここまで差し違えなしの名行司というよりもともとミスが多かった。庇ったのだろうが、この問題で逆にミソをつけてしまったようにも思える。
2つ目は琴桜。上位力士が一通り優勝経験ある中で、大関ながらいまだ優勝がない。今場所も一方の豊昇龍がすでに2敗で上位は荒れ気味である。それだけに全勝で何とか後半まで行ってほしいという意向があるのではないか。さらにいえば照ノ富士の後任としての横綱への期待もあるだろう。 ただこれで琴桜にもダークなイメージがついてしまったようだ。以前にも際どい勝負はあり、親が審判の頃はもっと怪しかった。
3つ目は翔猿。もともとしこ名通り飛んだり跳ねたりが多い。それだけもつれたり照ノ富士戦のような火花が散ることもあった。翔猿の相撲は本流ではないと牽制してるようにも思えるが… ちょっと考えすぎか。
このように政治的な要素が働いたとみてしまう。
審判の意見も疑問だ。翔猿はともかく、琴桜が腹ばいになった体勢で体が生きているというのも無理がある。琴桜の胸には砂がべっとりとついていた。それならば翔猿の方に体があるという方が自然である。
現在はビデオ判定が多くなり、かつて死に体とされたものでもコマ単位での判定ができるため、体の概念が消えかけているとされている。そのような中で都合よく体の有り無しを持ち出すことも不自然だ。
琴桜の体もないが、翔猿も飛び出しているので同体という結論は一番無理なく思える。
他を見ると豊昇龍も2敗と、気持ちが乗らないようで乱調である。貴景勝は休場。このまま休場ならば来場所は幕内下位まで落ちる。進退含めた話となるだろう。霧島は復調気味だがまだわからない。
ともかく玉鷲の記録が樹立の日に疑惑の一番を作ってしまった。秋場所も混沌としそうだ。