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15戦全敗と板井

照強が平3名古屋の板井以来の15敗を喫し幕下の夏場所も負け越し。全敗のジンクスは続く。幕内の15戦全敗は5人目。放送は過去の記録について触れることも多いがあまり大々的に出ない。やはり板井の存在がネックか。確か平25名古屋の大道の14連敗の際は軽く板井の名を出していたはずだ。十両は2020年に2場所連続全敗を出しているが両者とも以後不振が続く。


本人談によれば板井は「最後に俺らしい思い出を残す」とあえて15敗したようだ。付け人が相手力士にけがをさせないようにしてくれと支度部屋を回ったとか。中には後に莫大な金を請求するのでは怪しんだ力士もいたらしい。

板井と言えばテープをぐるぐる巻きにしての張り手。大乃国から金星を3個獲得している


板井と言えば15敗の翌場所中に引退し年寄襲名を申請したが却下されたほうが謎である。親方と共に年寄襲名の申請に協会へ行ったところ親方は理事会の会議室からしばらく出てこず、ようやく出てきた結果は襲名拒否であった。公式には「巡業に10年で2回しか出ていない」ことが理由であったが八百長の中盆であったことも大きいといわれる。

記憶では平成3年に無気力相撲を糾弾する相撲協会会合があり、その極秘の録音テープで二子山理事長(元横綱・若乃花)が「板井、よく聞けよ」と強い口調で名指しの批判をしていたのを聞き、驚いたことがある。その録音には出羽海理事(元横綱・佐田の山)は「無気力相撲が横行しては稽古も何も意味がない」「無気力相撲が発覚すれば国技館も没収になる」という趣旨の発言もしていた記憶。 少し調べると『平成3年9月5日の理事会で、二子山理事長は無気力相撲を行った者には除名を筆頭に解雇、引退勧告などの非常に重い処分を課すと表明』とあり、恐らくこの際の力士会での発言ではないかと思われる。


当時の小錦も張り手の威力が凄かった


現在の相撲界は多くの力士の成績の波が激しく、番付制度が崩壊寸前だがそれもガチンコの影響とも裏側では言われている。
確かに近年は「無気力相撲」を疑われる典型の一方的な相撲はあまり見られずめまぐるしい攻防が多い。一部の力士は十両で「満足していた」と振り返っていたこともあるがつまりそういうことなのかと考えてしまう。ちなみに相撲協会は八百長という言葉はほぼ使うことがない。故意の無気力相撲という表現にこだわっている。

板井は引退後に八百長告発をしたが、当時の時津風理事長は相撲界にいたことを生かして生活してるにもかかわらず砂をかけるような行為をしてるという趣旨の批判をしていた。八百長の是非はともかく板井はちゃんこ店の経営をしていた訳で協会の告発批判にも一定の理はある。サッカーのチケットと引き換えに告発を決めたというがどれほど本当なのか。最期も一人水道の蛇口から水の流れる中、アパートで孤独死だった。板井は色々な相撲界の暗部を握っていたと思うのだが...


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