中小企業の魅力って?シスナビ幹部が語る30人規模の組織だからこその面白さ
株式会社シスナビは2016年の創業から8期目を迎え、社員数も30名を数えるまでに拡大しました。零細企業から中小企業へ、創業期から成長期へというフェーズに入ってきたシスナビの幹部にお集まりいただき、「中小企業を経営、運営する面白さ」について座談会を開催しました。
就活中の学生の皆さんや、これまで大企業に勤めていて中小企業やスタートアップに転職を考えている皆さんなど、「中小企業の経営陣ってどんな人たちなの?」「中小企業の経営陣って何を考えているの?」「中小企業の組織運営ってどうなっているの?」といった疑問がある方は必見です。あくまでシスナビの幹部の見解ではありますが、中小企業とは何かについてイメージを持ってもらえればと思います!
<座談会参加者>
藤田竜一:株式会社シスナビ代表取締役社長。宮崎県出身。複数のSES企業でセールスとして実績を積んだのち、2016年にシスナビを創業。先日第一子が誕生した新米パパ。趣味はギター、筋トレ、釣り。
島田剛:事業部長。宮崎県出身。エンジニアとしてPM、PLの経験を積んだのち、同郷の藤田社長の誘いでシスナビに幹部として2019年入社。3児のパパで育児に奮闘中。趣味はスケボー、ドラム、畑仕事。
福田武志:事業部長。千葉県出身。SES企業で副社長を経験したのち、仕事をきっかけに仲良くなった藤田社長の誘いでシスナビに幹部として2021年入社。先日結婚したばかり。趣味はドラム、サウナ。
中小企業は小規模だからこそ経営サイドの人柄が社風にダイレクトに反映される
藤田:中小企業経営は、何かに取り組んだ際に結果がわかりやすく出るのが面白いですね。自分達が思うように物事が進むことがあれば、反対に全然うまくいかないこともあって、何が自分達にとっての正解なのかを模索する過程が楽しかったりもします。
組織規模の話でいうと、現在シスナビは社員数30人規模の中小企業ですが、フェーズによって入社してくれる人材のタイプが異なるのも興味深いなと。0人から5人の時代に来てくれる人材、20人から30人の時代に来てくれる人材を比べると全然違う。
島田:私は社員数が10名くらいの時代に入社したんですが、その時は採用担当もいなかったし、ざっくり藤田さんとノリが合う人を採用してた感じですよね。振り返ると色々反省点もあるんですけど、当時ならではの面白さもありました。そんなに選抜を厳しくしていなかったので、清濁合わせていろんな人がいた。残っているメンバーを見ても、メンツの濃さを感じます。
福田:私は島田さんのさらに二年後くらい、社員数が15名前後のシスナビに入社したんですが、シスナビの和やかな空気感が良いなと思ったんですよね。藤田さんや島田さんの人柄が作った空気感なんだというのをすごく感じました。今もずっと残っているメンバーは、やっぱり2人に惹かれ続けてるのかな。だから、藤田さんと島田さんが作り出すこの空気感みたいなものは、今後も大事にしていきたいです。経営陣の人間味が社風に反映されるのも中小企業ならではだと思います。
島田:私も藤田さんも色々足りないなりにやってきたから、社員に高圧的に何かを押し付けるやり方はできなかったんですよね。だから、和やかな空気感というのはそれの良い面でもあり、悪い面で言うとゆるい組織になってしまうリスクもある。でも、そこは藤田さんが個別に締めるところを締めてくれて、なんとか乗り越えてきました。
藤田:もちろん、締めるところは締めるんだけど、基本的には手探りでみんなで作っていこうという風にやってきました。私は別にカリスマではないんですよね。そこが中小企業であるシスナビと大手企業の違いかもしれません。大手の社長や役員ってもう皆さんカリスマで、社員から崇め奉られて、おいそれと声をかけられないイメージがあると思いますが、うちはもう社員との距離はめちゃくちゃ近いですから。
規模が小さいからこそ、人材育成も手塩にかけてというか、伴走してやっていく楽しさがあります。僕は元々のカテゴリーが営業なので、営業担当者が育つとすごく嬉しい。
福田:私が中小企業の運営で一番面白さを感じるのはスピード感がとても速いこと。部下や従業員から求められたことをやるのかやらないのかの判断にスピード感がすごく求められます。
島田:面白さと難しさ表裏一体なところがありますよね。シスナビの規模だとスピード感を持って動かしやすいけど、短期的な視点で動かしまくっていたら将来的に立ち行かなくなる。長い目で見て意思決定しないといけない難しさはここ一年ですごく感じているところ。従業員のみんなからくるリクエストや問題提起もものすごく質が上がってるし、毎年同じようなレベル感ではないので、時にはみんなから我々に対して「突きつけられる」という感じもあるなと。
でも、突きつけられるものというのは、我々経営サイドが気づいていないものだったりもするので、それに気づかせてもらって解決する過程はやはり楽しいと思います。
中小企業が「集団から組織」に変わるために幹部のアップデートが求められる
島田:今シスナビは社員数30人のところまできて、いわゆる「30人の壁」を乗り越えるのが難しいと感じています。なんとかみんなを引っ張るために旗を振ってきたんですが、部下から「何を考えているかわからん」という指摘をもらったり、組織や人材を成長させるためにやっていたことが空回りした部分がありました。
その原因としてあるのが、幹部である自分の立ち位置をうまく定義できていなかったことかなと。管理職なんだっけ、幹部なんだっけ、プレーイングマネージャーなんだっけみたいな迷いがあった。みんなの前で自分は「マネジメントを学んできていないから」と話したことがあるんですが、今思い返すと逃げ口上だったなと思います。
これではまずいと自分の役割にしっかり向き合った結果、今は幹部であり管理職でもあり、現場もやらなくてはいけないと、自分を定義することができた。
結局自分が何をするのか、何者なのかは、自分で俯瞰してフェーズごとに切り替えていかないといけないんですよね。この切り替えが中小企業の経営陣に求められる難しい点かもしれません。
福田:私も以前はマネジメントとは何かと聞かれたら全然何も答えられなかったんですが、社員数が20名を超えたあたりからすごく考えるようになりました。
最近、私の口癖が「集団から組織に変わろう」なんですが、零細企業規模だったときはやっぱり集団だったんですよね。集団であれば幹部の目線で大体の問題は解決できていたんですが、組織になるとそれぞれのレイヤーの目線にならないと正しい判断ができないと感じています。こういうことって誰も教えてくれないし、自分で働きかけて行動していかないといけない難しさはありますが、逆にそれが面白かったりもするなと。
藤田:組織の変化や拡大に伴って自分自身をアップデートしていくことはすごく大事だと思う。創業時はなんでも一人でやっていたけど、10人未満くらいになった時に、マネジメントできる人を入れないと立ち行かないというふうにマインドが変化して島田さんに入社してもらった。でも、そもそもマネジメントってどうすれば良いのというのもあったので、本を読んだり、経営者の先輩に相談したり、自分で試行錯誤しながら走ってきて今に至るわけです。つまり、インプットしてアウトプットしてっていうのをずっと繰り返してきたわけで、一見迷いがなかったり凄そうに見える経営者の皆さんもきっと裏では色々アップデートを繰り返しているんじゃないかなと思いますね。
有限の資産を現実目線で運用する
藤田:経営をする上でお金の話は避けられない。創業以来、お金周りのことはずっとせめぎ合いですね。先行投資しすぎて赤字が膨らむとみんなを不安にさせてしまいますし、不安定な経営にならないようにどうやっていこうとか。フェーズによってお金周りの考え方は変わるんですが、結局なかなか逃れられないのが現実です。
福田:資産が潤沢な大企業だったら先行投資してもっと色々できるんでしょうが、中小企業はなかなかキャッシュフローを安定させるのが難しいですよね。正直、これまでお金の面は藤田さんに任せきりにしていて、私達幹部を含めた従業員からはこういう設備が欲しい、施策を導入して欲しいみたいな思いの部分だけを先行してぶつけていました。しかし、やっぱりキャッシュフローを踏まえた現実目線でしっかりと見ていかなきゃいけないというのは最近感じます。
島田:案件を獲得して来るのは営業なんですが、現場のエンジニアでもキャプテンレベルではビジネスの広がりを作っていく意識を植え付けていきたいなと。経営の資金繰りと自分達の獲得した案件がどう紐づいていくのか、これくらいやればプラスになるよねみたいなイメージを持ってもらうように伝えていきたいですね。
中小企業だからこそ従業員に還元しやすい
福田:従業員に還元を潤沢に行えるのも中小企業の強みなのかと思います。面白い福利厚生を持っている中小企業も沢山見かけますね。シスナビでも還元意識を常に高く持っていたいと思ってます。
還元の正当性をクリアにするために今は評価の仕組みを右往左往しながら行ってますが、中々難しい課題に対して従業員のみんな付いてきてくれて本当にありがたいと思ってます。
こういう組織運営の核となる仕組みづくりに携われるチャンスがあるのも中小企業ならではなのかも。
島田:大変な時期もあったけど、エンジニアの待機期間があっても給与は変えずにしっかり賞与も出していたじゃないですか。可能な限り還元をという藤田さんの思いが給与にダイレクトに反映できていたのは良かったんじゃないかな。
藤田:みんなに伝わっていれば嬉しいですね。でも、流石に一人で昇給や評価を決めるのはもう無理だという組織規模になり人事評価制度の策定を始めたので、これからはもう少しシステマチックにはなると思います。
でも、評価や昇給の仕組みが明確になれば、社員一人一人が成長しやすくなると思うし、社員が成長すれば売り上げが上がり、社員の給料もまた上がる。このサイクルがうまく回るようになればもう一つ上のフェーズに行けるのではないかと感じています。
「100の個性で100の感動を」の実現した未来を見たい
福田:シスナビに入社してくる方々は、良い意味で個性的で人間味がある人が多いとすごく感じるんですよね。だから、いろんな個性を束ねられるような企業にならなくてはいけないなとすごく思っています。
一方、今のすごく良い距離感だとか、この空気感が好きだという中でも、やるときはやるぞと。みんなでエンジンかけてドライブをかけてやるぞというメリハリ、オンオフがすごく効いている組織が私が描いている未来のシスナビの姿ですね。
藤田:福田さんが最後に言ってくれたような、メリハリをつけながら楽しく仕事ができるような組織を目指していきたいですね。シスナビは完全成果主義みたいな組織ではなくて、いかにお客さんに喜んでもらえる仕事をするかにこだわっています。やっぱり人に喜んでもらうためには人間味って大事だし、まず働くみんながハッピーであることが必須。お客さんに喜んでもらって売り上げが伸びてみんなの給料も上がるというハッピーサイクルを続けていくのが、一番大切かなと。
島田:自己の成長にみんなが向き合っている状態で、それが社会の貢献にも繋がると信じて、切磋琢磨を日々社員間でできて、それでいて遊びも思いっきりやってくれる。そんな風に、それぞれの価値観を持ち自立した社員が、働いているときは同じ方向を向いて頑張ろうと思える、そんな組織を作っていきたいですね。
藤田:シスナビは「100の個性で100の感動を」というビジョンを掲げています。企業規模として100人になった時に、2人が今話してくれたような組織を実現できていたら最高ですね。社員100人になった時点でどんな景色が見えるのかが今はすごく楽しみ。社員もその家族も幸せになっている世界が見れたら感無量です。