ゆうさん

ドキドキするものが好きなんです。

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最近の記事

Orgasm of the Living Dead ④ 「リビドー」

 短い人生で最高の、そして最後になるであろう押し寄せる快感に身をガクガクと震わせながら、龍彦は止めどなく精液を放出し続けた。  龍彦は、亜由美を思いっきり抱きしめると、目を閉じて聡一朗が襲ってくるのを待った。  しかし、聡一朗が襲ってくることはなかった。  快感の余韻が全身を包む中、恐る恐る目を開けると、ロッカーから3mほど離れたところで、上半身が裸の聡一朗が床にひれ伏しているのが目に入った。  聡一朗は、ビクンビクンと痙攣していたが、最後にくぐもった唸り声を上げると、突然

    • Orgasm of the Living Dead ③ 「女教師」

       龍彦は、みんなが逃げ出したあとも、一人教室に隠れていた。  彼は、慎重過ぎるほど慎重であった。いたずらに動くと墓穴を掘ると第六感が告げていた。  だが一番の理由は、圧倒的な恐怖が龍彦を支配していたからに過ぎない。  しばらくの間聞こえていた、激しい怒声や悲鳴や泣き声はすっかり聞こえなくなっていた。  龍彦は家族に電話をかけたが、誰にも繋がることはなかった。  クラスや学年のlineグループに安否確認の書き込みをしたが、誰も反応してくれなかった。  そして、外との繋がりを求

      • Orgasm of the Living Dead ② 「龍彦」

        久化5年8月9日  東北一の大都市は、昨日まで三日間にわたって開催された七夕まつりの余韻も冷めぬまま、そこはかとなく落ち着かない朝を迎えていた。  市営地下鉄東南線は、仕事や学校に急ぐ人々と観光客が入り混じり、いつもより込み合っていた。  その中で、大貫龍彦は汗にまみれながら、なすすべもなく人混みに揺られていた。  龍彦は、さきほどから背中に当たっている柔らかい感触に全神経を集中しているものの、だからといって、何らかの行動を起こせるほどの度胸は持ち合わせていなかった。

        • Orgasm of the Living Dead ① プロローグ 「鍵」

          ■ プロローグ  教室の片隅にある雑巾の匂いが充満している薄暗くて狭い掃除用ロッカーの奥で、僕は先生の背中にガッチリとしがみついている。  扉を閉め切った8月のロッカーの中は地獄の暑さだ。扉の下にある小さな通気口からは、風も光もほとんど入ってこない。全身からとめどなく汗が噴き出してくる。  ロッカーの中は小柄な僕と大柄な先生の身体がみっちりと詰まっていて、人いきれで息を吸うのも苦しい。  僕は情けないことに恐怖でガタガタ震えながら、先生の腰にギュッと腕を回し、首筋の辺りに顔