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短くて長い旅
2024年1月20日、午前10時頃、東京駅のバス停から名古屋行きの高速バスに乗った。
念願のサニーデイ・サービスのライブを観に行くのである。
東京のライブに行けばいいのだが、2月まで待ちきれず名古屋行きを決行した。
とはいえ、節約はしたいので新幹線の半額で乗ることの出来るバスを選んだ。
前日にMMAのスパーリングをしたので足腰が限界の状態で臨んだ。
実に6時間の長旅となった訳だが、バスに乗ってすぐ、隣の外国人女性に声をかけられた。
WiFiのパスワードを聞かれたが、何度やってもログイン出来ず、「WiFi使えないねぇ」と顔を見合せた。
僕はこういう時に話をせずにはいられないタチなのでお互いに身の上話を弾ませ、1時間は話し続けていただろうか。
今日の予定の話、仕事の話、家族の話など、 知らない人だからこそ話せることってあるよなぁと思った。
インドから仕事で来てる方らしく、インドに来る時は連絡してねと、今どきとは思うが、メールアドレスを貰った。
こんな時は真面目に英語を学んでおいて良かったなと過去の自分を褒めてやりたくなる。
そんなこんなで30分押しているバスは16:30頃現地に着いた。
始めて来る駅だが、ライブは17:00開演なので急ぎ足で各駅停車に乗った。
1駅電車に乗り、名古屋パルコに入った。
名古屋と言えばヤンキーと、謎のバイアスを持つ僕にはPARCOで、やたらと、たむろする若者たちを何故か懐かしく思い、東京とは少し違った遊び方だよなぁと感心した。
おっと立ち止まっている暇はなかった。
8階にあるクラブクアトロに急ぎ足で入ると、スタンディングということもあってか既に会場はパンパンに見えた。
前方で見れない悔しさはあったものの、そりゃサニーデイだしなと納得した。
老若男女入り乱れ、大人たちはビール片手に今か今かと開演を待っていた。
僕はと言えば、クアトロ思ってたより狭いなぁとか、バンドTみんな着てるなぁとか色々思った。
ビールを飲み干す暇もなく、サニーデイの3人がステージに上がった。
セトリはあまり覚えていないが、殆どが知ってる曲で安心した。
アンコール、ダブルアンコールをもってライブは終わった。
何度もYouTubeで観たセツナ、春の風、コンビニのコーヒー青春狂走曲は実際に聴くと全身に来るものがあった。
このライブ終わりの、観客がスンとする感じは、過剰の蕩尽かな。
割と足早にクアトロを後にし、どうやって帰りのバスまで時間を潰そうかと考えていた。
名古屋に到着してから何も食べていなかったので、取り敢えずラーメンでも食うかと、それっぽいラーメン屋に歩いた。
味噌カツまで出してる店だったので定食を頼んだ。味噌カツには何となく抵抗があったのだが、腹が減っている時分、とにかく美味しかった。
まだ2時間ほど空いていたのでマックで時間を潰していたが、刹那あることに気づく。
夜行バスの予定を一日ズレて取っていたのである。
チケットをすぐキャンセルし、今日中に帰れるバスか新幹線を探したが既に全部満席であった。
諦めはいいほうなので、ネカフェにでも泊まるかと快活CLUBに向かった。
僕と同じような客が多いのか鍵付き個室は全て埋まっており、やむなくリクライニングのブースを取った。
初めてネカフェに来るので勝手が分からないことが多かったが、寝られればなんでもいいと思い、深夜2時頃、何本か煙草を吸って寝た。
偶然かけていたアラームで起きると午前6時で、二度寝も考えたが、すぐ帰りたいので前日に確認した新幹線のチケットを取った。
帰りもバスのつもりだったが、座りっぱなし立ちっぱなしが続き、それどころではなかった。
調べると東京駅まで1時間半とあり、昨日の移動6時間を全て否定された気分であった。悪くはないが。
ふと、東京を離れると不安感におそわれるのを思い出した。
東京近辺に生きるというのは、安堵に繋がるのであろうか。
おわり。