薬屋のおじさんとの年の差エロ #9(唇に)

唇に


お酒のせいなのか、少し頬を赤くして、優しさと大人の色気を纏った表情で言葉を放つTさん。
私の心臓が一瞬高鳴る。


(〜〜!もう…またこの人は…///)

何度そういう言葉を言われても、
そのたびにときめきと、緊張と、少し呆れた気持ちと、観念したような感覚と…。
Tさんの言葉はいつも瞬く間に私を揺さぶってくる。

私はそれらを全て一瞬で飲み込んで、一言。


「良いんじゃないですか?(笑)」


するとTさんは「え?」と答えた。


「あははっ」

私ははぐらかした。
Tさんは、

「えー(笑)」

と、グラスを持ちながら笑っている。
Tさんも私と同じように、何かをはぐらかしているのかな。

私たちはお互いに何かをはぐらかしながら、駆け引きをしながら、テーブルに並べてもらったお刺身を頬張りました。


うん。
新鮮でめちゃくちゃ美味い。(笑)


そのまま食事を続けながら、最近の出来事や仕事の話、過去の経験やお互いの思想などを話し込みました。
2人きりだからこそ、空間や時間を忘れて今まで以上にに深くて楽しい話ができた気がする。

私は自分にとって新しい価値観や考え方に出会うことが大好き。
Tさんの日常は私の普段の日常とは異なる点が多くて、話を聞くといつも刺激をもらえる。

そんな所もなんとなく気になってしまう所以なのかもしれない。



そうこうしているうちに食べ終わり、飲み終わり。

「次のお店行こうか。もう一軒連れていきたい所あるんだ。」

「え!もう一軒いいんですか?楽しみです( *´﹀`* ) 
それじゃ私1回お手洗い行ってきますね。」


そう言って私はトイレへ。
トイレを済まして、軽くメイクを直して。

(もう一軒、どんなお店かな…)

私は普段飲み歩いたりしないから、お酒を嗜む人達が行くような場所がいまいちわかっていない。

トイレから戻ると、身支度を整えて立ち上がってるTさん。

「屋酔さんこっち。タクシー呼んであるよ☺️」

そう言ってTさんは出口の方へ案内してくれる。


「あれ、あの、Tさん」

「ん?」

「えっと、お会計…」

「あぁ、もう済ましたから。大丈夫だよ。」

「え!?」

「ん?」

「いつのまに!?」

「あはは、気にしないで(笑)」


あれよあれとタクシーに乗せてもらい、
気がつけば小さなバーに着きました。
そのタクシー代もさり気なく支払うTさん。

イケおじ…スマートだ…すげぇ😭😭


扉を開けて入ると、中は少しカラフルで大人かわいい雰囲気。
そしてマスターさんはオネエな方だった。

カウンターに促されれ、Tさんと隣合わせで座る。
んん…結構近い…。///


「やだぁTさん。今日は若くて可愛女の子連れてるのね♡」

「よくイベントに来てくれる方なんだ。ここ紹介したくて。」

「あら〜!嬉しい!お姉さんもゆっくりしていってね♡」


明るいマスターさん、Tさん、私(ノンアル)の3人で乾杯。
Tさんはここの常連さんらしい( ˙˙)

Tさんは2件目ということもあり、そこそこ飲んでる。少し呂律が怪しい雰囲気。完全に酔ってるよねw

ふと、なんとなく視線を感じる。
Tさんの方を見ると、すごくニコニコとした顔で私を見つめている。


「ちょっと、Tさん、どんだけ見てるんですか(笑)」

「いや、だって、横顔も可愛いんだもん」

「〜!/// 」

気をそらすように慌てて正前を向き、グラスを持ってグレープフルーツジュースを飲む。

だもんってなによ、だもんって…!w
まったく、こっちの気も知らないで。

なんかもう、恥ずかしいから、Tさんの方あんまり振り向かないようにしよw

そう思ってまた1口ごくり。

フゥ……と一呼吸置いた。

その瞬間。





…っっ!?////





え?



いま、

私の唇に。


Tさんの指が。

触れ…。?



気のせい、じゃないよね…。

あまりにびっくりして、
Tさんの方を振り向いて口をつぐんで固まってしまいました。

触れた場所が、なんだか熱い気がする。。

固まったままTさんの様子を伺って見ていると、相変わらずトロンした表情でニコニコしている。



まるで何もしてない、
まるで何も起こってないかのように。



そんなTさんの様子を見て、私も夢だったのかなと思うかのように何もなかった振りをする。

振りはするものの、心臓はバクバク。


いま、Tさんの人差し指の腹で、唇をツンとされた。


お店の中で、しかも他にも人がいるのに。
なんちゅー人だ。。
誰にも見られてらないよね…?


「Tさん。飲みすぎなんじゃないですか?」

「えー?」

「なんかもう、いつもより酔った顔してる気がします( ⸝⸝⸝ ー̀ н ー́⸝⸝⸝ ) 」

「ふふ」

「『ふふ』じゃなくてww」


もー!と言いたい気持ちでTさんの肩を軽くパシパシと叩く。
まさか唇に触れられるなんて、そんなの…!////

すると急に、Tさんは顔を私の耳元に近づけた。



「俺…ほんとはそこまで酔ってないよ」



少し真面目なトーンで、低い耳元で響く。

また、ドクンと胸が鳴る。

色気が籠った目で、また真っ直ぐ見つめられる。



あぁ…なんかもう、私、ヤバい、かも…。

Tさんの言葉と雰囲気に絆されてしまう。

イケナイこと。。

でも、そんなのを心のどこかで期待してしまっている自分もいる。

楽しみと不安の両方を感じながら、
その先に何があるのか。


私は何を感じてる?

私は、どうしたい?


あわあわと内心ざわめきながら、
お店の大人な雰囲気に酔わされた。


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