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OちゃんとOちゃんの母ちゃんとその母ちゃんと(中編1)

 そもそもOちゃんの母ちゃんである私の母は、シングルマザーとして私と姉を育ててくれた。
当時は分からなかったけど、それはそれは大変なことだっただろうと思う。
あとになって聞いてみると、「空が落ちてくると感じる日が何日もあった」と言っていた。

それって、どれだけ不安な日々だったんだろうか。

でも母は当時、そんなそぶりを見せなかった。
お金がかかることでも、何かにチャレンジしようとする私たちを絶対に応援してくれるのが母だった。

だから今回も、私の仕事をかなえるためにタイについてきてくれたのだ。

だけど、タイについて以降、多分前半に書いたようないろんな不自由があり、疲れやストレスがたまっていたのだと思う。
ある夜母は、味噌汁を温め直したまま寝てしまった。

本能なのか何なのか、突然目を覚ました私は、キッチンが煙っていることに気づいた。
キッチンに近づくと、モクモク黒い煙。

本当にびっくりして、あわてて火を止めて水をかけた。

煙を見ながら、
母は、本当は無理をして手伝っていてくれたんだな、と思った。
泣けてきた。
自分が仕事をすることがわがままに思えた。
このまま働き続けることが正しいのかさえ、正直わからなくなった。

胸がざわざわして眠れなかった。

※画像は母がOちゃんに描いた絵

続く

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