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ダドリーカレーのすゝめ

イギリスから渋谷の端までこんにちは、こんばんは。
英国南東部中等学校ボクシング・ジュニアヘビー級チャンピオンのダドリー・ダーズリーです。
今回の記事では、ダーズリー家に伝わる至高のカレーレシピを記しちまおうと思います。
非常に簡単な工夫でお家のカレーのランクを何段階も引き上げられるレシピですので、騙されたと思ってお試しください。
試したうえで美味しくなかったら、STEINS;GATEを見た後にゴーゴーカレーに行きましょう。
それではどうぞ。

はじめに

期待を誘っておきながら保険を張っておくと、ダドリーカレーとは「お家カレーにおけるエース」であって「カレーの最高峰」ではありません。
要は、普段食べているカレーの質を大幅に引き上げてくれるだけで、お店のカレーと比較すれば当然のように大敗します。
それでも、お家で作るカレーの中なら最強格であるという自信はあるため、期待をある程度の位置にとどめていただけると幸いです。
それとダイエット中の人も回れ右してささみの塩ゆでをどうぞ。

そして、実はダドリー、ダドリーカレーの詳細な分量を知りません。
我が家では、主にママダーズリーとダドリーの二人がカレーを作るのですが、どちらもその場の勘で適当にやっています。
そのため、だいぶ適当なレシピにはなっちまいますので、そこらへんは皆さんの天才的な舌で補ってください。皆さんなら大丈夫です。きっと。多分。maybe。

この記事では、ビギナーの諸君のためになるべく細かい手順まで記すつもりですが、必要ない方は最後に簡単なまとめを書くのでそれをご確認ください。

材料

まずは用意する材料です。
必須級の材料は太字に、あったらいいねの材料は普通の文字で記します。

カレールゥ…ジャワ、こくまろの2つ
・鶏肉もも肉(からあげ用)…1パック
・玉ねぎ…1玉半
・にんじん…1本半
・じゃがいも…2コ
・にんにく…2かけ
・しょうが…適量(気持ちだいぶ多め)
・サラダ油orオリーブオイル…適量
・ウスターソース…ちょっと
・オイスターソース…ちょっと
・ケチャップ…ちょっと
・砂糖…めちゃくちゃちょっと
・バター…適量
・鶏がらスープの素…ちょっと
・チョコ…板チョコの横1列くらい。ビターだと尚良し。
・ワイン…80mLくらい(好みは分かれる)

割と家にあるものばかりだと思います。

作り方

①野菜の処理

まずは野菜たちの皮むきなどの下処理をしちまいましょう。まとめてやると楽です。
野菜のカットも済ませておくと後々楽です。
あ、どうやって切るか書いた方がいいですね。

・じゃがいも…半分に切って、さらに半分に切り、もう一回半分に切ります。8分の1です。大きい方が溶けにくいです。
・にんじん…1本乱切りです。都度回転させて切るやり方ですが詳しくはggrましょう。残った半分は皮をむくだけにとどめましょう。
・玉ねぎ…1玉分は繊維(縦の入ってる線)に逆らって切りましょう。これが後々効いてきます。薄すぎなければ大きさは何でもいいですもう半分は串切りにします。
・にんにく…1かけ分はみじん切りに、もう1かけはすりおろしましょう。
・しょうが…ニンニクより少し多めにみじん切りし、多めにすりおろしましょう。

②玉ねぎの調理

野菜の処理が終わったら、まずは一番時間のかかる玉ねぎの調理から始めましょう。
玉ねぎは1玉分御坂美琴の髪色くらいになるまで弱火でじっくりと炒めていきます。所謂飴色玉ねぎってやつですね。木べらがあるとやりやすいです。

先に言っておきます。死ぬほどめんどくさいです。それはもう嫌気がさすほどに。
しかし、この工程がカレー作りにおいての命と言っても過言ではありません。この工程を挟むことで、カレーのあらゆる味が数段階跳ね上がります。
玉ねぎは、メイラード反応という化学反応によって飴色に変化するのですが、そのためには玉ねぎに含まれる水分を飛ばす必要があります。だからじっくりと炒めるんですね。
しかし、これがまた時間がかかる。正攻法でこの工程を行った場合、数十分は余裕でかかってしまいます。めんどいですよね。
ということで、ズルしましょう。

繊維に逆らって切った玉ねぎを容器に入れ、ラップをしないで2~3分ほどレンジでチンしちまいましょう

こうすることで、えげつないほど水分を飛ばせます。繊維に逆らって切り、細胞を破壊したことで、水分の蒸発量がだいぶ増えます。究極の時短ですね。現代技術ばんざいです。

チンしたものをサラダ油をひいた鍋に移し、弱火でじっくりと炒めましょう。カレーを煮込む鍋で炒めることで、炒める際に底や側面にこびりついた玉ねぎのうまみを、一切無駄にしないまま調理することができます。炒める際に鍋底に黒い焦げのようなものが付着するのですが、それは焦げではないので安心してください。うま味の塊ですので、水を加える段階でこそゲオとしましょう。焦げのにおいがしたら普通に焦げてます。
フライパンなどで炒める場合は、玉ねぎ自体を鍋に移す際に、必ず水を加えて側面や底に残ったうまみを逃さないようにしましょう。
ダドリーは焦げを恐れて弱火で炒めますが、めんどくさい場合は中火でも大丈夫です。その場合、焦げないように繰り返しかき混ぜてあげましょう。
弱火でも中火でも、とにかく焦げないように気を付けてください。少しくらいなら焦げてもおけです。

③肉

さて、みんな大好き鶏肉です。
鶏肉は煮込む前に必ず、フライパンでこんがりと焼き目をつけます。
そうすることで非常に香ばしく、うまみをたっぷり含んだ具材になります。
ここでのダドワンポイントアドバイスは、必ず焼く前にしっかりと塩コショウをまぶしておくことです。なんか美味しくなった気がします
フライパンで皮目が下にして焼いてください。こんがりとした焼き目が付いたら、反対にひっくり返して裏面もしっかり焼きましょう。
フライパンに残った脂は鍋に入れないようにしましょう。味がぼやけますし、くどくなります。

④全部ぶち込んで炒める

ここからは鍋に鶏肉以外の具材をぶち込んで炒めていきます。
入れる具材は以下の通りです。

・飴色玉ねぎ
・くし切りにした玉ねぎ
・乱切りにした1本分のにんじん
・みじん切りにしたにんにくとしょうが

じゃがいもは入れないでください。じゃがいもについては後ほど説明します。
ここでにんにくしょうがを一緒に炒めることで、香りを強く引き立てます。やつらは焼いた時とすりおろした時で香りが大きく異なります。どっちも加えれば麻薬同然です。

かき混ぜながらある程度炒めると、玉ねぎがしなっとしてきます。そしたらそこに、ケチャップウスターソースをだいたい大さじ1,2杯ずつくらい入れ、再度炒めます。濃い味が好きならドバっと入れても大丈夫です。ダドリーはドバっと入れてます。適当でいいんです適当で。入れるといい感じの酸味が加わってなんか美味しくなります。
ここでその2つを炒めることで、余分な酸味を飛ばします。この工程を挟むことで、尖りが消えてまろやかでコクのある深い味になります。炒めすぎないように注意しましょう。

あ、ワインについて書くのを忘れてました。ワインがある場合はこの時点で入れてください。アルコールの匂いがカレーの邪魔をしないよう、ここで軽く加熱して飛ばします。絶対に炒めすぎないように気を付けましょう。炒めすぎるとなんか変なにおいが出るような気がします。
このワインが、カレーに2日目のようなコクを与えてくれます。
しかし、個人的には入れても入れなくてもそこまで変わらないような気がします。入れても入れなくても多分OKです。なんなら余分に入れてしまうと、アルコールやワインの独特な香りが強まってカレーを邪魔する可能性すら秘めているので、入れる場合は慎重に。

炒めるフェーズはここでおしまいです。お疲れサマンサ!

⑤全部ぐつぐつ煮込む

これよりカレーと言えばの煮込み作業を行っていきます。
ここから最後までただ煮込むだけなので、非常に簡単で単調な作業が続きます。アニメや映画でも見ながらキッチンに居座りましょう。ダドリーはいつも雷獣を見て時間をつぶしています。
まずは具材に火を通すための煮込みをします。味をなじませるための煮込みはもう少し後です。
炒めた具材に直接水をぶち込んで煮込みます。ポイントとしては、鍋の半分ほどの水量で煮込むことです。沸騰しやすく、熱も回りやすいため時短になります。
そして、ここで砂糖をほんのちょっと入れます。どのくらいかと言えば、めちゃくちゃちょっとです。煮込む段階で砂糖を入れることで、鶏肉がより柔らかくなります。そうらしいです。
かったい人参がほくほくになれば火を通す作業は終わりです。火の通りは、実際にかじってみるか、竹串や箸を指してみるなどして確認しましょう。
ここでしっかり火を通さないと、カレーの味がしみ込んだ至高の具材のはずが、あらゆる味を邪魔するノイズへと変貌しちまいます。

にんじんに十分な火が通ったら、好みの量の水を足します。もちろん、入れすぎないように注意しましょう。薄いカレーほどまずいものはありません。

さて、ここからがダドリーカレー特有の工夫です。
具材として使わなかった半分の人参をすりおろして鍋に加えます。
甘みはうま味という言葉があります(あったはず)が、本当にその通りで、ある程度の甘みを加えることで非常に深いコクが加わります。人参は非常に優しい甘みがある野菜です。そのすりおろしを入れることで、うま味豊かなカレーになります。
母親から「さらに玉ねぎをすりおろして入れると美味しい」と昔言われたこ とがありますが、ダドリーは試したことがないのでわかりません。試してみたい人は試してみましょう。

そして、もし用意できればここで鶏がらスープの素をさらっと入れます。多分うま味になってくれてます。料理においてうま味を出したかったら、とりあえず鶏がらスープの素を入れときゃなんとかなります。

とりあえずこれで手を加える部分はいったん終わりです。ここからは時間つぶしながらある程度煮込みましょう。

さて、ここでじゃがいもの解説です。
じゃがいもは個人的にカレーには欠かせない最強格の具材だと思ってるのですが、いかんせん扱いが難しい。火の通りが甘いと、固く邪魔な具材になり、煮すぎるとすぐに溶け、もったりとしたカレーになってしまいます。
この調整は思ってるより難しいです。
そこでまた裏技、行っちゃいましょう。
水をちょっっっとだけ加えた容器にじゃがいもを移し、ラップをしてレンジで3分半チンしましょう。
レンジである程度火を通します。こうすることで火の通りが甘くなることも、火を通しすぎて解けることもなくなります。
某バズレシピちゃんねる曰く、チンの時間は4分半が良いらしいのですが、試してみた結果カレーなら3分半くらいがちょうど良かったです。4分半だと思ったより解けちゃって粘度が異常に高いねるねるねるねカレーになっちました。

チンし終わったジャガイモはそのまま鍋にぶち込んでください。ぶち込むタイミングは必ずルーを加える直前にしましょう。

⑤いざカレールー

さて、いよいよカレーの命、カレールーさんの登場です。
ここでダドリーカレーポインツですが、ジャワとこくまろの二つを50%50%の割合で使いましょう。これが最大最強の工夫です。
ジャワだけでは補いきれないまろやかなコクを、こくまろだけでは補えない強いスパイシーさ、お互いの欠点を完全に補完した完璧の組み合わせです。
他の組み合わせも試しましたが、結局この二つに落ち着きました。でも正直こくまろは他のものに変えてもいいかもです。ジャワだけは完全に替えが効きません。
カレーのルーを溶かす際のポイントですが、必ず火を消すか、最弱火にした状態で行うようにしましょう。
カレーのルーは非常に焦げやすく、溶かす際に火にかけてしまうと簡単に焦げの香りがついてしまいます。焦げが付いたカレーは悲惨なもんです。
色々やり方はありますが、個人的にはお玉にルーをぐるぐるこすりながら溶かすやり方が好きです。一気に入れた時よりダマになりにくいですし、水とルーの油分が分離しにくい気がします。

溶かし終わったら最後の仕上げに入ります。以下の材料をぶち込みます。
オイスターソース(どばっと)
チョコ
すりおろしたにんにく、しょうが(匂いがすでに強い場合、にんにくは入れない。しょうがは想像の1.5倍くらい入れる)

これらをぶち込んだら、後は具材に味をなじませるためにまたぐつぐつ煮込みます。
一度味見をして、もしコクやうま味が足らないなと感じたのなら少しバターを入れても良いと思います。
あとは適当な時間煮込んで完成です。
お疲れサマンサ!

⑦完成

はいお疲れさまでした~~~これにてダドリーカレーの完成です。長々と書いちまって申し訳nothingです。
大体所要時間は1~2時間ほどだと思います。
ルーを一度口に含めば、深いコクと濃厚なうま味を感じられると思います。
飴色玉ねぎ以外は非常に簡単な工程ばかりなので、騙されたと思ってぜひお試しください。騙してないので。

「カレーは家にあるすべての調味料をぶち込んでも美味い」という言葉を聞いたことがありますが、あながち間違いでもないと思います。それほどまでにカレーはカスタム性が高く、作った人の個性を反映しやすい奥深い料理です。次はあれを試してみよう、今回入れたあれは微妙だったななど、回数を重ねるごとに良くも悪くも分かりやすく変化します。その新鮮さには、料理が退屈で、めんどうくさいものであると認識している人にとって、料理が好きになる最初のきっかけになるポテンシャルがあるのです。煮込み料理ですので、特別な技術が必要なわけではないのもポイントです。
もしダドリーカレーが食べてみたい、でも正直面倒くさいと思っている人でも、一度試してみたら何かが変わるかもしれません。何事も挑戦です。カレーはいつでもあなたを待っています。

最後に簡単なまとめを書きます。

簡単なまとめ

①繊維に逆らって切った玉ねぎで飴色玉ねぎ作る(ラップをかけずに2分半ほどチンすると時短になる)

②塩コショウをちゃんとなじませた鶏肉を焼き目がつくまで両面焼く。

③カレーを煮込む鍋で、刻んだにんにく、しょうがと一緒に玉ねぎとにんじんを炒める。その際に大さじ1,2杯のケチャップ、ウスターソースを一緒に軽く炒め、余分な酸味を飛ばしておく。バターを使ってもよい。最後に軽くワインを入れると大人な味わいに。

④焼いた鶏を合流させ、鍋の半分ほどまで水を入れ、にんじんに十分な火が通るまでぐつぐつ煮込む。この際に鶏がらスープの素、砂糖を少々、人参のすりおろしを半本分加える。

⑤ルーを入れる前に、ちょっっっっとだけ水を加えた容器にじゃがいもを入れ、ラップをかけて3分~3分半チンしておく。容器にたまった水を加えないようにしながらジャガイモを鍋に加える。絶対に煮込みすぎないように。

⑥火を止め、ジャワとこくまろを半々になるように入れる。溶かし終わったら、大さじ1,2杯のオイスターソース、すりおろしたにんにくとしょうが(しょうが多め)、刻んだビター板チョコ一段分を入れる。

⑦具材に味をなじませるためある程度煮込む。

⑧完成😁

皆さんの幸せの一助となれれば幸いです!ありがちゅっ💋





 


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