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外尾悦郎「ガウディの伝言」光文社文庫

ガウディに関してはサグラダ・ファミリア大聖堂の設計をしたこと以外、ほとんど知るところがなかった。「創造」「アート」をテーマに本を物色していてたまたま見つけた一冊。いやこんなところにも凄い日本人がいた。
なんとこの大聖堂の中でも重要な生誕の門を外尾氏が作成し、世界遺産認定をうけている。。設計図のない造形物を、周辺の資料から考えに考え抜いてイメージし、ガウディの想いを石の中から浮かびあがらせるというとてつもなく困難な作業・・・それを成し遂げた彫刻家の言葉は実に重い。。。
「人間は常に完全には満たされないものとしてある。それでも謙虚に豊かな実りをめざし、知恵を養っていく。時間を超え、空間を超え、多くの言の葉を交わしていく。それが文化であり、宗教であり、科学であり、人間にできる大切なことなのではないでしょうか。ガウディはそういう知恵をサグラダ・ファミリアを通じて多くの人の心に実らせたかったのではないかと思います。私はそんなことを考えながら石の葉を彫り続けました。」
それにしてもこのサグラダ・ファミリア全体を一つの楽器にしようとしていたという、ガウディの発想の壮大さには驚かされた。単なるキリスト教聖堂という定義では収まらないアーティストの情熱の凝縮体ということか。。
ここには収めきれない珠玉の言葉、アフォリズム・・しっかり記録しておこう。

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