百万石ビブリオバウム
今年、新たに見つけた文化施設の中で、もしランキングをつけるなら圧倒的に1位になるのがこの図書館!今年7月にオープンしたばかりの新石川県立図書館(百万石ビブリオバウム)だ。
旧石川県立図書館は鈴木大拙館のすぐとなりにあったので、寄ってみたことがあるが、いわゆる「昭和の図書館」だった。本屋だけでなく図書館も危機に瀕する中で、北陸地域では隈研吾が設計した新富山市立図書館「キラリ」が光を放っていたのだが、この「百万石ビブリオバウム」の登場で、更なる輝きをもった文化空間が北陸にできた!
金沢といえば俺的には「鈴木大拙館」「西田幾多郎記念館」「室生犀星記念館」といったこじんまりとした文化空間だったのだが、行ってみて「うお~!」図書館という概念におさまらない自由奔放さとアートな空間が広がっていた。劇場?美術館?いや違う、なんだ?この椅子のクオリティは!
本のカテゴリーも「12のテーマ」と題して違う視点でのラインナップ!背表紙でなくしっかり表紙がみえる陳列・・。本の宇宙が見られるブックリウム等々・・・、時間が足りない!もっといたい!というのが実感だった。
この図書館を設計したのは仙田満が率いる「環境デザイン研究所」。総工費150億円、敷地面積 :32,878.21㎡、延床面積 : 22,720.81㎡、開架冊数は30万冊で、収蔵能力は200万冊と都道府県立図書館ではトップクラス!「百万石ビブリオバウム」という愛称は、図書を意味するイタリア語「ビブリオ」成長や進化を連想させる「年輪」を示すドイツ語「バウム」を組み合わせ、建物と蔵数の規模を「百万石」と冠してつくられたそうな。
以前、佐賀県の武雄図書館が誕生した時も興奮したが、遠すぎていけなかった。富山市立図書館「キラリ」は建物の設計はかなり面白いが、本の配置はいまいち・・ってことで、なかなか出会いがなかったのだが、富山からローカル電車で1時間で行ける金沢にこんな素晴らしい文化空間ができてうれしい! 図書館の可能性をこんなに感じたのは何年ぶりだ?
みなさんも金沢に来る機会があったら、兼六園とかだけでなく、迷わずここへどうぞ!