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小さい頃、母の手が憧れだった。
指先が細くてマニキュアがしてあって大人の女性の手だった。
自分も大きくなったらそうなるかな、なれるといいなと思っていた。

大きくなって、手がむちむちで指が太くて母の手のようにならないとわかってコンプレックスになった。
手を繋ぐのも苦手。見られたくない手になった。


30代後半でアロマの勉強をするためにスクールに通った。
同期の人の小さくて繊細に動く指先を見て、見た目だけでなく武骨で細かい動きができない自分の手でアロマをやってもだめなんじゃないかと思った。


3〜4年前に友達からアロマの施術をやった方がいいと背中を押されて自宅サロンを始めた。
最初は自信がなくて必死だったけど、手が柔らかくてしっかりしてて気持ちいいと何人かに言われて、「もしかしモチモチの手が割と気持ちいいのかな?」と思った。

そしてクリーニングしていくうちに、今までどれだけ自分の身体を嫌ってきたかに気付いた。

自分の身体は自分で慈しみ愛でるものだと気づいた。
自分の手のコンプレックスはなくなった。


数日前、高齢のお客さまに「気持ちいい。柔らかくて猫の肉球みたい」と褒めてもらえた🐈

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