空き巣のはなし
ふいに記憶が浮上したので…
もう20年以上前の話。以前の住居に引っ越したばかりの頃、空き巣にあったのでした。
冬のこと、仕事帰りに飲み会があり帰宅は深夜になっていた。
翌日も出勤ゆえ、身仕舞いをしてさっさと就寝。
次の日はよく晴れていた記憶がある。
いつものように急いで身支度。が、出掛ける間際に異変に気付いた。
押し入れにしまっていたジュエリーボックスが外に出ていたのだ。
「?」
ジュエリーボックスといっても何も高価なものは入っていないが、少なくともここ数日で出した覚えはない。なぜ、押し入れの外にでているの?
と、扉を開けると、誰かが中をかき回した形跡が!
「やられた!」
なのに、朝になるまで気がつかないなんて!!!
ぞわーーー!!っとした。
ええええ? 昨夜帰宅したときは確かに鍵を開けて入ったはず。
特に貴重なものは置いていなかったが、引き出しを確認すると
(ちょうど前回のお札改訂の時期であったため)記念にとっておいた旧札の五千円札がなくなっていた。
あとは、作ったばかりの銀行のキャッシュカード。
といっても、これは勤務先が経費精算用に配布したもので、残高はゼロ。
被害額は少なくてラッキーだったが、侵入されて触られたことが気持ち悪いことこの上ない。
施錠してあったことも腑に落ちない。
同じマンションで被害にあった部屋も複数あり、パソコンを盗まれたり、宝飾品を盗られたりしたようだ。しかも本物だけピックアップしていったという…
管理会社は部屋の鍵を交換してくれたが、それで安心できるものでもない。
ただただ出くわさなかったことが幸いだ。
どんなことをしていても侵入されるのだな、と思ってそれ以後は貴重品はまとめて置かないようにしている。
そのため、一枚キャッシュカードをどこにしまったか分からなくなり、再発行したりして本末転倒ではあるのだけれど…
あの日、事情を話して会社は休んだ。
警察が来て指紋など室内をあらためていった。そんな証拠など残していなさそうだったので、自分の指紋を採取されたのが悔しかった。
「事件ですか?事故ですか?」
110番通報したのは初めてだったな。
あの時の恐怖を思い出して、ゆるんでいる最近の防犯体制を見直そうーっと。
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