富山大学人文学部について思うこと
僕が富山大学人文学部に入学して1年と半年が経とうとしています。2年になり、専攻によるコース分けが行われ、僕は人文地理学というコースを選択し、そこで楽しく学生を送っております。
富山大学人文学部は21ものコースが展開されており、幅広い視点から人間への理解を深めることのできる恵まれた環境だと思っております。しかしながら、僕が大学を選ぶ際にはこれらのことは一切存じ上げず、ただ、後期入試で確実に入れるという理由で富山大学人文学部を選択しました。
21の観点から人間への理解を深めることが出来るとはいうものの、人文学部に在籍している僕すらも、どのような視点があるのかということは理解し切れておりません。かといって21分野全てを理解して、富山大学人文学部を余すことなく満喫して卒業できたOB・OGがどれだけおられるのでしょうか?
正直に申し上げて、これは勿体ないことではないでしょうか?僕は学部2年生の若輩者ではありますが、「人文科学は果てしない探究の旅」であると自負しており、終わりのない知の創出が出来る領域であると感じております。
このような環境に身を置きながらも、他分野の魅力に気づくこともなく卒業してしまっても良いのでしょうか?少なくとも、僕はそのような形での卒業はしたくありません。21という幅広い視点を持ち、その領域で果敢に探求を巡らす先生方と学生がいる富山大学人文学部には多くの魅力があると信じています。
しかし、上記の魅力に到達するためにはハードルが高すぎます。僕は、「富山大学人文学部という恵まれた環境で4年間を過ごせて本当によかった!」と思いながら卒業式を迎えたいと思っておりますが、今のままでは残念ながらこの夢を実現することは難しいと言わざるを得ないと思います。
話が逸れますが、僕は先週と今週と、副学長と学務課の方々と「大学内の学問を通じた交流」の創出に係る意見交換を行いました。このような場が生まれた背景として、総合大学でありながらも他の学部の知識や視点を得ることが容易でないことは勿体ないという問題意識がありました。様々な意見を言わせていただきましたが、ふと考えてみると僕自身は、他学部どころか人文学部の他分野の視点すら理解が不十分でした。
人文学部の1年次の必修授業で、「入門」という授業があり、ここで21の分野の先生方がご自身の研究についてお話しいただくというものです。僕はこの授業を受け、人文科学の魅力に惹かれた当事者でもあります。しかし、それ以上の理解に至ることはできず、また入門の一歩先の授業では専門性の高さや、自身の関心事や知的好奇心との乖離から十分に他分野の理解に至ることが出来ませんでした。
僕は、自分の理想である「富山大学人文学部に誇りをもって卒業する」ということを実現するためには、人文学部内の各分野の発信力の向上が必要だと感じています。他分野の人間でも、他学部の人間でも、そして富山大学に目を向けた高校生にとっても、この学問はこういう魅力があるんだと感じることの出来るような発信が出来ることで、人文学部への注目度が高まり、富山大学人文学部で勉強をしたい!人文って面白いことやってるんだな!人文の学生で本当によかった!などと思ってもらえるのではないでしょうか?
何度も言いますが、21の分野から人間の理解を探求することのできる富山大学人文学部には多くの魅力が眠っていると思っています。その魅力を掘り起こし、そして万人にとって咀嚼しやすい発信を行うことで、人文科学に対する関心の創出、そして人文科学を探究する学生の自信に繋がるのではないかと考えます。そしてその自信がひいては人文学部生の主体性向上に繋がったりもするかもしれません。
以前、学長と立ち話した際に、人文学部に「面白い学生」がもっと増えたらいいよねという話をしました。僕の定義として「自分が関心を持つことに対して主体的に取り組み、自分でレールを敷いて行動を起こす」学生が「面白い学生」であると考えます。
そこで、それぞれの領域でインタビューを行い、それを動画やHPにまとめて発信することを一つの案として考えています。人文学部にはこんな分野がある、この分野はこういう点で魅力的である、といった発信を行うことが必要なのではないでしょうか?(あくまでもこれは一案であり、他にも多くの手段があることでしょう)
学生視点での魅力は、言うまでもなく学生が発信する必要があるとは思いますが、全てを無償でやるには無理があると思います。僕自身もこれだけパッションがあったとしても限界があります。
最後になりますが、改めて僕は「富山大学人文学部で4年間を過ごせて本当によかった!」と思い、富大人文に誇りをもって社会人になりたいと考えております。また、これから大学を選ぶ高校生が偏差値ではなく、「富山大学人文学部でこれをやりたい!」と思って選んでもらえるような学部になって欲しいとも思っています。この目標を達成するためには何が必要なのか、またこの目標にどれだけの人が共鳴してくれるのか。僕の冒険は続いていきます。