江ノ電

あのまちに君と行こう
深緑とクリーム色の電車にのって
左の車窓に見えるのは
きらめく海の水面
緑の蔓に覆われたトンネルをぬけて
道をはどこまでも曲がりくねるから

古い日本家屋の蕎麦屋
瓶のコークの自動販売機
あの人の原稿が眠る館を過ぎれば
路肩にのびやかに揺れる
蓮華草の花

あなたは僕らを
導くように前を歩く
僕らはそれについていく
気がつけば 気がつけば
とおくまで見渡せるほどに
おおきくてひろい海
どこまでもどこまでも
やさしくてふかくてこわくて
青い海


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