今日のコウホネ「空っぽ」
私は割と的外れな人で、勘違いも甚だしいっていうことも多い。
生まれた時から現世に違和感だらけのまま、もう還暦。
「でも、だから?今更どうせえというのじゃ?生きちゃってるし。」
長い前振りはここまで。さて、この勘違いおばあちゃんの趣味について、そして「夢」を語らせていただく。
趣味は「歌会始」。「短歌」じゃなくて「歌会始」。
年の初めに出された「お題」をその年の折々にふれ詠んでいる。自分の頭の中で自由に...。
その短歌は誰かに共感してもらいたいなどという「おもひ」なんてものは存在しない。ただの鼻歌みたいなもの。
その中から年に一度「マイベスト鼻歌短歌」を選び、宮内庁にオンオオクリタテマツリマスのだ。
去年のお題は「夢」
例えば、病院の待合。斜向かいに座ってるおじいさんをぼんやり眺めながら、あのおじいさんに「夢」ってあるんだろうか...長生きの夢はしっかり叶ってるけど。
つか、私の「夢」ってちっぽけな夢ばっかりだったな。叶いそうなことしか夢見てこなかったもん。
ちっぽけな夢はかなって老いぼらけわたし空っぽ空も空っぽ
コウホネ
ああ、ここは病院だった。具合悪いってこと忘れてた。
という具合に、辛い現実が小さな手帳に短歌という芸術となって残される。
己の心がすっかり「空っぽ」になって、あ〜ら不思議。気持ちが軽くなってる。
いい時間になるのだ。
そして、勘違いおばあちゃんは、今年も夢みる。
殿上人の御前で私の短歌が詠まれることを....。