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Hasselblad instax SQ Back[002]

前回の記事で大体の方針が決まった。これからは形に落としてゆくための作業を行っていこうと思う。

Prototypingの心得03 ―成果をイメージする

チームでのプロトタイピングではプロジェクトの成果が何であるかを共有することは重要だ。言葉の上では理解していても、実際に作ってみると齟齬が出る場合がある。そのために成果物を具体的にイメージできる方法を事前にとっておくことが有用だ。今回のプロジェクトは一人で行うものであり、先行事例が存在することや、必要な資材情報がある程度揃っていることにより、特に現段階で行う工程は無いが、ゴールイメージを明確化するためにメモ書き程度にスケッチを記載してみる。

おそらく先行事例と同じく、Hasselblad本体の機能を損なわない位置に収まるようにinstaxフィルムカートリッジを配置し、フィルム繰り出し用のノブを取り付けた機構をなるべくシンプルに覆う形になるだろう。もしかしたら既存のフィルムバックとの親和性を加味して、あえて後方に大きなR形状を取った形になるかもしれない。このあたりの細かな形状の調整は機構設計と相互にやり取りしながら進めてゆく。

Prototypingの心得04 ―まずは作ってみる

■ Dirty Prototyping
もう一つ、ゴールイメージの明確化において必要なことは実際に成果に価値があるかどうかを確認することだ。幸いにも今回はいくつかの既存製品を組み合わせるプロジェクトのため、身近にある資材の組み合わせによって簡易的に成果を確認できるかもしれない。そのために以下を用意してみた。

・Hasselblad本体+レンズ
・FUJIFILM instax SQフィルムカートリッジ
・ハサミ
・マイナスドライバー
・パーマセルテープ(黒いマスキングテープでも良い)
・割り箸

前回記事の調査で、露光面はなるべく本体に近いほうがいいという仮説がでたので、今回はカートリッジをそのまま本体に取付けて撮影できるように構成してみる。パーマセルテープを必要な長さにハサミでカットし、カートリッジをHasselblad背面に取付ける。

この時フィルムを送るための切り欠きと、シャッターボタンに連携しているピンをテープで覆ってしまわないように気をつける。

これでプロトタイピングは終了だ。

撮影にはまず切り欠きにマイナスドライバーを押し込み、遮光紙を取り出す。あとは通常どおり撮影し、また切り欠きにマイナスドライバーを押し込んでフィルムを送る。出てきたフィルムを割り箸ではさみながら引き抜くことでポットを潰して現像液を内部に行き渡らせる。理論は簡単だ。気をつけるべき点は現像液をしっかり行き渡らせることくらいか。
それではいよいよ実践である。が、今回はここまでにして結果と考察は次回行うことにする。(SundayEngineeringは時間が限られているので気長に取り組みたいのだ。すまんな。)

まとめ

今回の作業を振り返ると、機能要件の6割ほどは満たしているのではないだろうか。3Dプリントと組み立てをするコストを鑑みると、10分ほどで製作できる方式であるこれはこれで一つの完成を言える。(あくまで撮影結果が満足のゆくものであったらの話ではあるが)

ものづくりはしばしば発想の起点に縛られることがある。今回でいえば、Hasselbladの専用フィルムバックという”プロダクトを作り出すこと”を起点にしているわけだが、その本質はあくまで”インスタントフィルムにHasselbladの描写を写し出すこと”である。この部分を見誤らずに様々な要因(コストや利便性、使い勝手、汎用性など)とバランスをとってプロジェクトを行ってゆきたい。

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