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Re: 大学進学での学部学科の選び方について

この記事は、以下の動画にツッコミ、もしくは補足を入れる記事になります。ちなみに、動画のおっさんとは、特に個人的な関係は無く別人です。

事前説明

動画のおっさんは、日東駒専レベルの機械工学科を卒業後、民間3年、技術系公務員19年、その後は何をやってるかよく分からない人です。

で、この記事を書いてるおっさんは、日東駒専よりはもうちょっといい所の政治学科を卒業後、IT系技術職を十数年やってるおっさんです。つまり、動画のおっさんとは、技術⇒公共なのか、公共⇒技術なのか、と捉えると逆コースの関係にある人、ということも言えるかもしれません。

以下、見出しは動画のおっさんの意見を書いたもので、この記事のおっさんの意見と必ずしも一致するものではないです。この記事のおっさんの意見は小さい字で書きます。

最終学歴の専門性は人生を左右する

それはあると思います。私も、仕事の場面で、何学部出たのかは話題にしづらいです。部外者とか素人だと思われそうですから。。IT系は若ければ入って来やすいですが、他の分野だと、もっと卒業した学部と関係性がはっきりしてるかもしれません。

工学部の電気電子工学科がいちばん潰しが効く

これは、私も、いろんな所で聞いた気はします。

最近、学部学科の名前と中身の関係が滅茶苦茶なのでシラバスで要確認

早稲田大学の理系とかも、よく分からない名前になってたりしますね。

強電や重電が良い。次は弱電が良い。強電と弱電は1つの学部学科で教えてる所が多い。

電気の中でも種類があるって話ですね。重電というワードは聞いたことありますが、弱電は初耳ですね。

制御関係=IT。理学部に似てる。プログラムオタク以外は行っちゃいけない。電源関係と名前が似てるので注意。

IT系の中でも、制御系はハードウェア寄りですね。IT系を長年やってきた自分から見ると、IT系だけが射程範囲なので、その中で見ると、制御系は言うほどITじゃないですね。ハードウェア臭がかなりして、あんまり近寄りたくないです。ただ、機械や電子から見たら制御系はIT系なんでしょう。それは分かります。制御系は、ハードウェアがほぼ関係ないソフトウェアオンリーの世界と、ハードウェアオンリーの機械や電子の、ちょうど中間に位置するジャンルってことでしょう。ある意味、両方射程に入れたい人には悪くないのかもしれないと思ったりもしますが。。(いや、私は全く興味ないですよ)

数学ができない人は法律

「数学ができない」っていうのにも程度があると思うんですよね。たとえば、センターで平均点くらいしか取れない、というのを数学ができないと見るのか、できると見るのか、ということです。経営や商を推してますが、経営や商でそんなに高尚な数学要るか?とも思います。会計や簿記で出て来るレベルなら、数学というか算数レベルですよね。経営に関係する情報の統計分析とか言い始めたら、数学っぽくはなってきますが、それも、バチクソに数学理解できないと、使えない代物か?というとそうでもないような。。

数学ができないというのは「センターでどうやっても平均が取れないレベル」だと捉えたほうがいいと思います。平均取れるレベルなのに、数学ができないからという理由で経営や商も諦めるのは、過剰反応過ぎな気がします。

逆を言うと、法律はガチで数学も算数も一切できない人でも誰でも参入してきて、法律オンリーで勝負するから、士業とか、競争が激しいと思います。

たぶん、このおじさんは機械工学は分かる前提で、そこにプラスで法律の知識もあったら役立った!という経験があるので、法律を推してるわけで、法律だけだったら、なかなか差別化が難しいと思います。何も分からないよりはいいと思いますけど。。

法学部でも政治学科はダメ。潰しが効かない。

電気電子みたいに、これをベースに他のことも勉強すればやれる、っていうのを潰しが効くと言うのでしょうけど、法律勉強してたら、他のことも勉強すればやれるか?っていうと、どうでしょう?法律しかやってなかったら、経済分野は遠く感じるかもしれません。そういう意味だったら、政治学科なら、法律も経済も政治も全部ちょっとずつ勉強するので、関心は広げやすいと思いますけどね。それを潰しが効くと言うかは分かりませんが。。何か得意分野を持つ、という意味合いで法律を選択するなら分かりますが、潰しが効くと捉えていいものか、ちょっと分かりません。役所なら、法律ベースの仕事がほとんどなんで潰しが効くと考えていいんでしょうけど。。

経済学部と経営学部は結構違う。経営学部と商学部は近い。

私も大学入る前は、違いがよく分かってなかったですが、段々そういうのは分かってきました。ただ、経済より、商のほうが偏差値が低かったり、「商売」っていうのが、安いっぽい語感な気がして、私が高校生の時は商はなんとなくイヤだな~、って思ってました。私は、入学した大学と同じ大学の商のほうも受かってはいましたが、すべり止めに受けただけなので、結局行きませんでした。でも、大学入ってから商に転部しようとしたり、でも、枠が少ないうえ、「商」っていう語感もやはり嫌いだったし、合格してたのに捨てた選択肢に戻るのも面倒くさくて、結局、商には移らなかったですね。でも、現在の自分の状態から逆算して考えたら、商のほうが、まだマシでしたね。ビジネスの世界では政治学科卒は微妙です。まぁ、私もビジネスの世界に進むつもりしてなかったっていうのもありますが。。

興味がある分野があるのであれば、そこに行くべき、というのが原則。ただし、食えない学部に行くなら学内で上位10%、20%を目指すべき。

ここはこのおじさんの先を見通す目を感じました。確かに経営や商、電気電子とかが仕事に直結していいのでしょうが、やりたいことが他にあるなら、まずはそちらをやったほうが後悔が無いというのは、分かります。ただし、それで困った時のことも考えておいて下さいよ、ということですね。

大学は違っても上のほうの成績はあんまり変わらない(Fランクは除く)

結構違うだろ!っていうツッコミはありそうですが、就職っていう観点では、日東駒専レベルでも、いい所に入ってる人は入ってる、っていう話だと思います。そりゃ、もちろん、東大とかのほうが、超天才は多いと思います。

芸術系でも工業デザインの仕事はある。

まぁ、そうですね。IT系でも、3DCGのゲームエンジン開発の仕事なのか、CAD開発の仕事なのかで、やってる内容は近いけど、芸術なのか、工業デザインなのかの違いがありますね。似た仕事ですが、CAD開発のほうが、ゲーム開発よりは、競争が比較的ゆるやかで、人間的な生活はできそうですね。芸術を実生活に役立てるっていう方向性で妥協できれば、無理せず食えるってことですね。

演劇は食えないが、演技力は交渉には役立つかも。

それはあるかもしれません。営業の仕事とかはありそうです。

文学は食えない。社会一般で必要な文章力は法律。

まぁ、そうかもしれません。法律が社会一般かは仕事によりますが。

機械では取説を結構書く。

私も、某機械の英語のマニュアルを読んだり訳したりしてました。意外に言葉は使うかもしれません。

キャッチフレーズなんかは文学の要素はあるが、ちょっとズレてる。文学部でも上位の人は雑誌編集などで生きていけるかもしれないが、しんどい生き方になる。

もし、雑誌とかで妥協できれば、まだいいですが、雑誌は売上を上げないといけないですからね。でも、文学部の人って「人生、金じゃない!」っていう感じなんで、「それもイヤ!自分で作品書きたい!」ってなりそうで、そうなると、苦労しそうですね。

理学など基礎研究で必要なのは超天才だけ。

動画のおっさん、理学とITを一緒にしてますが、ITの仕事の9割は工学と考えたほうがいいと思います。つまり、GoogleとかMITの超天才が1割の仕事をして基盤モジュールの開発をしたりしてますが、それを使って具体的なものを作る9割の仕事もあるんです。超天才じゃなくても、そっちなら普通の人でもできます。IT分野のそういう基礎的なモジュールって、ほとんど欧米系の人が作ってるんで、日本だけ見たら、ほぼ誰も、動画のおっさんが言う「超天才」じゃないです。とは言え、9割の工学系の仕事をする人の中でも、やっぱり、デキのズバ抜けた人ってのは居ます。

外国語は翻訳の発達でITに食われる。外交など本当に重要な場面でのみ残る。

そうですね。Google翻訳などであらゆる言語を瞬時に翻訳できますからね。

体育学科は医療関係とつながってる。

ここは、どうつながってるのか、具体的な話は無かったですね。

医療関係は縮小方向。安定や高収入で行くのはあてにならない。

ストレスが多そうってのは分かります。私も今日、耳鼻科に行ってきましたが、耳鼻科の先生って、自分が休むと、他の大勢の人が困るので、休めないですからね。代わりがなかなか居ないのでお金になる面はありますが、だからこそ大変ってのもありますね。耳鼻科ぐらいだったら、それほど深刻でもないですが、手術とか絡んできたり、不治の病だったりすると、なかなか医者も鬱になりそうですね。お金が欲しいなら、よりストレートにお金のことを考える、金融とかの仕事がいいかもしれません。

大学院、特に専門職大学院は潰しが効かない学部を出た人が最終学歴を修正するのに使える。

あまり考えたことなかったですが、確かにアメリカの大学院とかは、学部の専門と全然違う所に入るケースはよくある、とは聞いてます。日本でも、そういうふうに使えるでしょ、という話かと思います。でも、文学部を卒業して、会計専門職大学院とかに行くとしたら、それもなんか変な経歴だな、素人臭い、っていう感じは否めないですね。やっぱ、文学部入った時点で結構、カラーが出ちゃいますね。文学部じゃなくて、国際基督教大学とか東大とかの教養学部ぐらいにしておいたほうがいいかもしれません。教養学部なら「いや、これリベラルアーツですから。。元々専門は大学院でやろうと思ってたんで。。」と言うこともできそうですしね。

大学院は一度社会人になった後、新卒カードを再び得るのにも使える(現実的には同じ扱いにならないかもしれないが)。

確かにこういう使い方はありそうだとは思います。ただ、たとえば、やっぱり、35歳で大学院卒業して、新卒と同じ扱いにしてくれ!っていうのは、日本では、扱いづらそうに思われそうですね。アメリカならいいのでしょうけど。。日本なら、こういう使い方をするなら、20代のうちには、大学院出たほうがいい気がします。つまり、学部出た後、3年働いて、大学院戻って修士を取って27歳とか、そういう感じです。

私もこういうの興味ありましたが、お金がなかったですね。地元が東京なら可能だったんでしょうが、地元が地方だと、大学院に行ってる間も生活費はかかりますし。。地元が東京近辺の人は強いですね。

潰しの効かない学部を出ても中小企業には就職できる。そのうち、社会的ニーズの高い分野に興味が湧いてくるので、そうなってから、大学院に行くのもいいかも。

それはあると思います。「仕事や社会に対する解像度が上がる」なんていう言い方をする人も居ました。そう言われると、結構しっくり来る考え方だと思います。

経済学部は潰しが効かない。経済学は実務と直結しない。実は文学部と似たような所。経営や商は実務で、潰しが効く。経済学はオタクの学問。IT、理学、文学とかと似てる。

経済学での分析って、シンプルなモデルを用意して、そのモデルが成り立つ世界ではどうのこうのっていう所から考え始めると思うんですが、それが、最初のうちは、こんなの全然現実と違うじゃん!ってなりますからね。経済学を現実に適用可能になるには、相当先のほうまで勉強しないといけないんだろうな、っていうことは、私もなんとなく察しました。

まぁ、経済学部出て普通の会社に就職するなら、選択科目やゼミで実学寄りの科目を多めに取るとか工夫するんでしょうけど。。

でも、経済学を本当にちゃんとやった人は、なんとか総合研究所、みたいな名前のシンクタンクとかの経済アナリストとかになるほうが、ぴったりなんでしょうけどね。それか、金融機関のクオンツとかが、分析をするっていう意味では近いのかもしれません。それも経済学か?っていうと、必ずしもそうでもないような気がしますけど。。どっちかっていうと、統計学かな?統計学っていうと、数学の一分野ですよね。

機械を設計するにしても法律の塊。法律はイヤでも勉強する。

まぁ、そうなのかもしれません。

数学が苦手だったら法律。経営や商は結構、数学の知識が要る。

既に上に書いた気がするので略で。。経営や商レベルだったら、大した数学じゃないと思います。大学のランクで調整すればOKです。

農学部は実務関係。生き物が好きな方向け。水産も実務系なので良い。

そうでしょうね。

農業経済はやめたほうがいい。過去のお米の流通の話。

農業経済って、聞いたことはあります。何なのかな?とは思ってました。

獣医は地方でニーズがある。食肉関係など。都会の犬猫病院は競争が激しい。地方公共団体の獣医はずっとヒラ。国だとキャリア組。

獣医のことはよく知らなかったです。獣医を諦めて地銀で働いてる友達なら居ます。でも、地方でニーズが、って言っても食肉とかですよね。獣医って動物が好きな人が成ると思うんですが、それが、動物を殺すために働かなきゃいけない、って所が、ちょっと矛盾があって、それで、地方の獣医は空席が多いんじゃないですかね。

医学部、看護学部は、安定、高収入が目的だったらやめたほうがいい。高い対人スキルが必要。患者さんは苦しいから色んな人に当たるためストレス。人口は減る。財政的にもしぼむ。将来的には医者余り?今でも歯医者は余ってる。

移民政策とかで人を補う可能性もあるので(今の技能実習生とかも実質それ)、医者余りになるかどうかは分からないですが、お金はあっても忙しい仕事なんだろうとは思います。

化学とITは理学と一緒でごく一部の天才だけが必要。あとは潰しが効かない。

ITはそうとも限らない、9割は工学的って話は既に書きました。

材料系の学部は、化学なのか機械なのか土木なのかシラバスを見て要注意。

全然考えたことなかったですが、そうなんですね。

おわりに

いかがだったでしょうか。動画のおっさんの意見と、私の意見を合わせることで、より仕事への解像度が上がったようなら、幸いです。




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