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【rina urataさんに聞く】個展やイベントを通してクリエイターになった話

カスタムオーダーのCustoMee(カスタミィ)に作品を展開いただいているクリエイターさんが、なぜクリエイターになったのか、今どんな活動をしていて、今後何を目指すのかを伺うシリーズ。

第3弾はgooskaのrina urataさんにインタビューしました。大学在学中からクリエイターとしての活動を開始されたrinaさん。活動開始のきっかけ、個展やイベントへの思い、「12にんのこびと」誕生の背景、今後の活動についてなど幅広くお伺いしました。



1. クリエイター活動を始めたきっかけ

ーークリエイターの活動を始めたきっかけも含め、まずは基本的なところからお伺いしたいのですが、作家名はrina urataさんで、gooska(グースカ)はお店の名前ということで合ってますでしょうか?

はい、gooskaは屋号、お店の名前ですね。皆さんからはrinaさん、gooskaさんと呼ばれることが半々くらいです。

ーーなるほど、では今日はrinaさんとお呼びしたいと思います。
まず、最初にクリエイターになられた経緯をお伺いしたいのですが、学校でデザインの勉強をされていたのですよね。

大学で芸術学部のデザイン学科に在籍していました。クリエイターになった背景としては、アート系で規模の大きいデザインフェスタ(以下デザフェス)というイベントがあることを、3年生のときに授業で先生に教えてもらったんです。
そんなイベントがあるんだということを初めて知って、授業が終わった瞬間に検索してあまり考えずに申し込んだんですね。
申し込んだ後に、どうやら皆さん作品を作って出展されていて、それを販売してもいいんだとかそういうことが分かって(笑)それで描いた絵でレターセットを作ってみたりとか、ポストカードを作ってみたりしました。本当に勢いで、デザフェスに出展してみたというのが始まりですね。

ーーすごい行動力ですね!それがもしかしてgooskaがスタートしたタイミングですか?

はい、そうです。デザフェスがgooskaのスタートですね。

ーーそうだったんですね!
少し遡ってお伺いしますが、大学はなぜデザイン学科に行かれたのですか?

子供の頃から絵を描くことは好きだったんですけど、高校生の時に透明水彩という画材に出会ったんです。透明水彩で描かれている作家さんで今も大好きな三好貴子さんという方がいらっしゃるんですけど、青の使い方とかがすごく美しくて、その方の水彩画のHow to本を読んで、この画材はすごいと思い、そこからさらに絵にハマっていきました。そこからもっと絵を描いてみたいと思ってデザイン学科に入ったという背景です。

ーー高校の時に透明水彩に出会われたんですね。そこから大学でも水彩で描き続けて、大学3年生で初めてデザフェスに出展されたわけですが、どのような経験でしたか?

もともとネットに絵をアップしたり、学内で見てもらう機会はあったんですけど、イベントに出ると、本当に知らない人から反応がもらえるのがとても新鮮でした。初めてお会いする方と、自分の絵を通してコミュニケーションできることにとても感激して、そこから全国色々な場所でイベントに出展するようになりました。

2. 個展やイベントの醍醐味

ーーそういえば私が初めてrinaさんにお会いしたのも去年11月のデザフェスでしたよね。そこでお話させていただいてCustoMeeに参加いただいたという経緯でした。リアルイベントというのはやはりお客様と直接お話できるのが醍醐味ですか?

そうですね。Webに作品をアップしているだけではおそらく出会えなかった人と会える、繋がって行く感覚がとても楽しいです。
実は普段は人見知りで、学校でもあまり人に絵を積極的に見せに行くタイプではなかったんです。でも勢いで出展したデザフェスで「絵が可愛いですね」と感想をもらったことで自信にも繋がって、人とお会いしてお話を聞けるのは自分の成長にも繋がるなと感じました。それでイベントでどんどんお会いしたいという感覚になりました。
最初のデザフェス後、大学4年生のときは卒業制作があってそんなに参加していないのですが、卒業後は今以上にイベント出展をしていて、基本毎週末どこかにいました。全国の都道府県を埋めたいみたいな(笑)。

ーー最初から全国で活動されていたんですね!
卒業後について伺いたいのですが、大学卒業後すぐフリーランスになられたのですか?

はい。大学3年生のときのデザフェスの経験を経て、将来どうしようかということを考えたんです。どこの企業に行きたいかなども考えたのですが、やっぱり今はこの熱量のままいろんなイベントに出てみたいと思って、親に相談しました。就職をせずに、イベント出展をしばらく頑張ってみたいということを伝えたら、両親が本当に理解があって、やってみたらいいんじゃないと言ってくれました。
家族の支援があって、実家で暮らしていたから出来たということもあったと思います。それがなければ難しかったです。

ーーそこで自分の気持ちに素直に行動できるのはすごいですね。周りが就職していく中で不安などはなかったですか?

今思うとよくやったなという感じです。当時はどうしてもやってみたいという気持ちが強くて。それに、結構私の周りの子も行動力のある子が多かったということもあるかもしれないです。デザインを勉強していたけど全く違う道に挑戦する子や、同じくフリーランスになる子もいました。
あとは大学の先生もイベント出展に否定的ではなかったということも大きいですね。とりあえず10年頑張ってみればと言われて、あ、それでいいんだと。(笑)

ーーそういう環境でもあったということですね。卒業後、イベントに毎週のように出展をされたということですが、初期はどのようにイベントに参加されたのですか?

公募されているイベントを片っ端から探して、地域を限定せずにいいなと思ったものに自分で応募して参加していく感じでした。もう日本語が通じれば北海道から沖縄までどこでも行きたいと思っていましたね。
売り上げ的には、今思うとちょっと大丈夫かな?と思うくらいだったのですが、通りすがりの方が「可愛い」って言ってくれたり、肯定的な反応をいただくことが多くて、まずは少しでも絵を覚えて帰ってくれればいいなという思いで続けていました。
そのうちイベントに出ているときに、百貨店の方からお声がけいただけるようになって、百貨店の祭事にも参加したり、色々な場所に行けるようになってきました。

ーー百貨店の方からは、イベントに参加し始めてどれくらいのタイミングでお声がけがあったんですか?

運良く1年目の時にたまたま見つけていただいて。よく新人に声をかけていただいたなと思うんですけど、すごく楽しそうに接客していたのを見て下さっていて、それもあってお声がけいただいたみたいです。イベントで最初に前を通り過ぎた時に楽しそうで、2回目通り過ぎたときも相当楽しそうだったみたいで(笑)。それがご縁で1年目、2年目から百貨店に少し出させていただいたりしていました。

ーーなるほど、初期はそのような活動だったのですね。そこから売り上げ面でもお仕事として上がっていくフェーズに入ると思うのですが、それはいつぐらいだったのでしょうか?

正直最初の3~4年くらいは厳しいままで、自転車操業のような感じでした。でも百貨店に出させていただくにあたって、1点物の原画を展示する機会が増えてきたのですが、その原画がいいと言ってくださる方が徐々に増えてきて、お仕事と言ってもいいのかなとなってきました。

ーーその3~4年の間で迷われたりすることはありましたか?

その時期はアルバイトもしながら描いていたのですが、本当に楽しい記憶しかなくて、辞めたいと思ったことは一切なかったです。とにかく楽しいし、お客様とお話できることが有り難いと思ってやらせていただいたので。当時は楽しいので何とかなっていたんですが、今は体力的にできないかもしれないです(笑)。
そこから徐々に個展も開くようになってきました。個展で空間ごと自分の装飾にすることが楽しくて、個展をするためには原画が必要なので、それで原画がどんどん増えていきました。
個展の装飾は母も協力してくれていて、ガーランドも作ってくれてます。私一人でというより、家族がとても協力してくれています。

ーー初めての個展はいつ開催されたのですか?

卒業する直前か、卒業して1か月以内だった気がします。場所を安く貸していただけるところをネットで探していたときに、無料でいいですよとおっしゃってくださった東京のカフェを見つけて、壁面を装飾しても良いとのことだったので、そこをお借りして開催しました。
当時は勢いで動いていて(笑)、個展やイベントでお客様とお話して、そこでエネルギーをもらっていました。本当に絵と人が繋いで下さったご縁でここまで来たなという感じです。

3. 12にんのこびと

ーー「12にんのこびと」についてお伺いさせてください。いつ頃どのような背景で誕生したのでしょうか?

「12にんのこびと」は大学の卒業制作に向けて考えたキャラクターでした。
卒業制作は仕掛け絵本を作ったのですが、絵本として見たときに色々なキャラクターをページをめくるたびに見つけられて、こっちではこんな仕草をしているとか、いろんな子がいて見て楽しんでもらえるような作品にしたいと考えていました。あとは自分が疲れたときに、ひょっこり机の上にいるとか、癒しになる子を描きたいと思って、そこからいっぱいいる小人を描こうと思いました。
イメージを広げていって、いっぱいいるならカラフルな子たちがいいなとか、ぞろぞろ歩いている感じはどうかなとか、一人ひとりのカラーがあって、ずらっと並んだらグラデーションになるカラーにしてみようかなという感じで決めていきました。

ーーファンの方も疲れたときにホッとするというところに惹かれる方も多いのではと思うのですが、お客様からはどんな感想をもらうことが多いですか?

やっぱり癒されると言ってくださることが多くて、疲れたときや寝る前に見て安心して寝てますと言っていただくことが一番多いかなと思います。自分でもそんな絵が描きたいと思っているので、そこは伝えられているのかなと思って嬉しいです。

ーーそんなほっとする世界観は、卒業制作の前から描かれていたんですか?

試行錯誤している時期はありました。可愛い絵を描きたいのかかっこいい絵を描きたいのか、自分の中で描きたいことを整理していた時期があって、そのときに自分が日常のなかでこう言ってもらった時に嬉しかったとか、幸せな気持ちになるとか、嬉しい気持ちを表現することを大事にしようと思って今の絵柄になりました。
あとは、大学2年か3年生の時のイギリス旅行で、すごく綺麗な街並みの中で小さい子供が絵本をねだっている光景を見たんです。そのときに、日本も海外も、子供たちの持っている感覚はきっと同じなんだろうなとふと思ったんですね。世界共通のこの感覚を表現するのはいいなと漠然と思って、そこから自分の中で、優しい気持ちや嬉しかった気持ちを表現してみようかなという整理がついてきた感じはあります。

ーーなるほど、そんな背景があって誕生したんですね。そんな「12にんのこびと」の世界は今後どんな展開になっていきますか?

ふんわりした世界観は決めているんですけど、この子はもしかするとこんな面もあるかもしれないとか、私の気持ちもこの子たちに反映されたりするので、年々変化はあったりします。
そういえばファンの方から、昔は恥ずかしがり屋で一番端にいた子が、最近ちょっとずつみんなと一緒にいるようになりましたね、って見守っていただいていたりします。
それぞれの子の性格を最初から固めていたわけではなくて、ざっくりこの子は可愛いものが好きで、この子はいたずらっ子とか、それくらいの設定で始めたんですけど、新しい絵を描くたびにこの子とこの子はもっとこんな関係だろうなとか、12人いるのでまだまだ死ぬまで描ききれない感じがしています。

4. 今後の活動について

ーー今後の活動について教えてください。引き続きイベントや個展を継続されていきますか?

今、年間3~4回くらい個展をしているんですが、今後も絵を描いているうちは続けたいと思っています。もちろん生活スタイルも変わっていくことはあると思うのですが、個展を主軸に置いてイベントも出れる限りは出て、色々な方とお話が出来ればなと考えています。

ーーそういえば、CustoMeeのインナーシートをrinaさんのファンの方が東京の実店舗でカスタマイズしていただいて、福岡の個展にお持ちになったとお伺いしてます。

そうなんです。まさか福岡で見れるとは思わなくて、びっくりしました。
個展やイベントで、いつもSNSを見ていて実物を見たくて来ましたとおっしゃっていただく方も多くてすごく嬉しいです。
これからも個展やイベントで色々な方とお会いしてお話ができることを楽しみにしています。お越しいただいたらぜひ話しかけてもらいたいです。


いかがでしたでしょうか?
実は人見知りだけど、デザフェスに勢いで出展されたり、能動的に個展やイベントに参加して、お客様からエネルギーをもらっているというお話がとても印象的でした。
「12にんのこびと」もこれから時が経つにつれて個性に変化があるかもしれないというお話もあり、それぞれのキャラクターの成長を見守る楽しさもありそうです。優しさや嬉しさを表現した「12にんのこびと」を通して、rinaさんの人柄に触れることができたお話でした。(ナカシマ)

gooska (rina urataさん)の「12にんのこびと」作品でカスタマイズができます。【カスタマイズのサイトはこちらから↓】


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