【業績バトル!!】通信大手3社 業績徹底比較(2024年6月21日)
さて、今日は通信大手3社ということで日本電信電話(9432)、KDDI(9433)、ソフトバンク(9434)の業績を比較しつつ、それぞれの銘柄に対する理解を深めていきたいと思います。
それぞれの企業の個別の業績まとめを以下の記事に記載していますので、よろしければご覧ください。
1.売上・収益
1-1.売上高
まずは売上高から確認していきましょう。以下の図に3社の売上高推移を示しています。
グラフからどの企業も緩やかに売上高を拡大させていることが分かります。売上高規模で見るとソフトバンクとKDDIはほぼ同程度で、過去の推移を見てもほぼ同じとなっています。
一方、日本電信電話は頭ひとつ抜けている感がありますね。他の2社に対して倍近い売上高となっていて圧倒的な事業規模ですね。
1-2.純利益
売上高に続いては純利益の額を見ていきたいとおもいます。以下の図が純利益の推移を示しています。
グラフから、2020年には、
1位:日本電信電話
2位:KDDI
3位:ソフトバンク
という順位でしたが、そこからソフトバンクが利益を伸ばし続けてKDDIが少し伸び悩んだ結果、2024年には両者の純利益は同程度となっています。
その間にも日本電信電話は純利益わ伸ばし続け、2024年には売上高と同様に他の2社の2倍の水準まで来ています。
1-3.自己資本比率
では次は自己資本比率を見て見たいとおもいます。以下の図が自己資本率の推移示しています。
グラフより、ソフトバンクは緩やかに自己資本比率を向上させてきてはいるものの、現在でもまだ他の2社の半分程度と、自己資本比率では圧倒的に低くなっています。
日本電信電話とKDDIは2024年現在ではほぼ同じような値となっていますが、KDDIの自己資本比率は低下してきているので、近いうちに日本電信電話電話がKDDIを抜くという展開になるかもしれません。
1-4.営業キャッシュフローマージン
続いては収益力を比較するために営業キャッシュフローマージンを確認しておこうと思います。以下の図が営業キャッシュフローマージンの推移です。
グラフから基本的にはKDDIの営業キャッシュフローマージンが3社の中では1番高い傾向にあるようです。日本電信電話はソフトバンクと同じような推移ではありますが、基本的にはソフトバンクの方が高い値となっていますね。
ということです少し意外ですが、営業キャッシュフローマージンで見ると日本電信電話が1番低いという結果になりました。
1-5.ROE
この章の最後のこうもくとしてはROEを確認しておきたいとおもいます。自己資本をどれだけ効率よく純利益に変換しているかを見られる指標ですね。以下の図にROEの推移の比較を示しています。
グラフから2020年には最下位だった日本電信電話ですが、徐々に改善してきており、現在ではKDDIとほぼ同じ水準ではあるものの若干追い抜く形となっています。
自己資本利率が低いということも影響してソフトバンクは不動の1位を確率していますね。とは言っても年々値は低下してきているので、今後は他の2社が追い上げる展開もあり得そうですね。
2.株式市場からの評価
ここまでは各社の業績の推移について見てきました。この章ではその業績が株式市場からのだのような評価を受けているが見ていきます。
2-1.PER(株価収益率)
まずはPERの推移を確認しておきたいとおもいます。以下の図に各社のPERの推移を示します。
グラフよりPERの観点では日本電信電話が1番割安な銘柄ということができます。
3社ともに長期的にはPERが上昇してきており、将来の利益創造への期待が高まっている言えそうですね。
2-2.PBR(株価純資産倍率)
続いて1株あたりの純資産に対する株価の比率であるPBRを確認しておこうと思います。以下の図はPBRの推移を示したものです。
PBRの水準は3社の中ではソフトバングが圧倒的となっています。NTTとKDDIは継続してKDDIの方が若干高く推移してはいますが、似たような値になっているといえます。値が大きい方から順番に見ていくと、1位がソフトバンク、2位がKDDIで最後がNTTとなっていてPERの順位と同じになっています。
PERでもPBRでもNTTが割安という評価になっていますね。
3.株主還元
最後の章となるこの章ではビジネスで稼いだ利益の株主への還元について見ていきましょう。
3-1.配当利回り
まずは配当利回りについて比較してみたいと思います。以下の図に、各年の1株あたりの配当金額をその年の期末の株価で割って算出した配当利回りを示しています。
グラフより、配当利回りという観点で見るとソフトバンクが継続して1番高い値で推移しています。ソフトバンクは毎年一定の額を配当しているので、この配当利回りの低下は株価の上昇によるものです。
NTTとKDDIは似たような配当利回りで推移しています。ソフトバンクよりは低いものの約3%となっており、一般的には高配当銘柄と呼んでもいいかと思います。
※2024年の6月時点では株価が下がってきておりNTTの配当利回りは3.5%を超えています。
3-2.配当性向
次は配当性向を確認しておきます。以下の図に配当性向の推移を示しています。
グラフより配当性向の推移でもソフトバングが他の2社を圧倒して1番高いという結果になりました。親会社のソフトバンクグループに利益わ還元させるためと言われていますが、増配余地という観点では利益を拡大させないと厳しい水準ですね(その分すでに高配当ではありますが)。
KDDIとNTTは2020年には同じような値でしたか、そこから少しずつ差がつき始めて、2024年でははっきりとKDDIの方が高くなっています。KDDIの方が積極的に株主に還元しているとも、NTTの方が増配の余裕があるとも解釈できますね。
3-3.自己株取得
次はもう一つの株主還元である自己株の取得について見ていきましょう。以下の図は各年の自己株の取得金額をその年の期末の時価総額で割った値を示しています。時価総額の何%にあたる株式枠買い付けたかという指標にしていました。
グラフより、年によってバラツキはあるものな、総合してNTTとKDDIは積極的に自己株の取得を実施しており、ソフトバンクはあまり自己株は買っていないということが分かります。
配当金による還元は配当した時に投資家側に課税されるので資本効率としては自己株の取得より悪くなってしまうので、そこを気にする方はNTTやKDDIの方がいいかもしれませんね。
4.まとめ
ここまで大手通信事業者の業績、株式市場での評価、株主還元について見てきましたが、いかがだったでしょうか。
各社ともにしっかりと稼いで自己資本を積み上げながらも株主に還元もしているという点ではとうしさ投資先として問題なかったかと思います。
株主還元という点で見ると現金配当に力を入れているソフトバンクと自社株買いも行なっていくNTT, KDDIで違いがありましたね。税金により資本効率の悪化を気にする方はNTTやKDDIに投資して、とにかく現金収入を拡大させたいという方はソフトバンクに投資されているいいかもしれませんね。
と、いうことでここで通信3社の業績比較を終わりたいと思います。最後までご覧頂きありがとうございました。
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