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【市場からは評価されず!?】日本たばこ産業-2025年期2Q決算 (2024年11月6日)
今日は日本たばこ産業(2914)ついて、先日発表された四半期決算である2025年3月期2Q決算について記事を書いていきたいと思います。
日本たばこ産業といえば、日本で唯一たばこの製造販売を実施できるJTですね。喫煙率が下がってきており、オワコン企業とも言われて長らく経過しましたが、依然として大きな利益を上げ続けている企業ですね。
そんな日本たばこ産業の昨年までの通期決算を下記にまとめていますので、参考まで御覧ください。
この記事では、上記の記事の続編として今回の四半期決算がどのようになったのか、前年および前々年と比較しながら記載したいと思います。
1.売上高
まずは売上高を見てみましょう。今回の3Q決算で発表された売上高[兆円]を前年、前々年と比較した図を以下に示しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1730868838-krSOYcpdboJHisER4QeZlaNL.png?width=1200)
グラフから今回の3Q決算は過去の3Qと比較すると売上高が拡大していることが分かります。昨年2023年が2.16兆円で今年が2.39兆円だったので約11.0%拡大したことになります。
通期の業績予想では前年比11.3%増の3.16兆円となっていますので、今回の11.0%増はほぼ業績予想通りの結果となりました。
3Q以降に加速して売上高増となってくれることを期待しますね。
2. 営業利益
続いては本業での稼ぎを表している営業利益について見てみましょう。以下の図は過去の四半期決算と比較した今回の3Qでの営業利益を示しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1730869172-TIVwq4mk2bCA1ZGD3tgWvpeo.png?width=1200)
グラフから今回の3Q決算は昨年の3Qより営業利益が大きく増加していることが分かります。昨年が6,319億円だったので、今回の6,366億円は昨年比率で0.7%増加したことになります。
通期の業績予想では昨年比2.3%増益となっていますので、今回の0.7%は予想より若干大きくなったことが分かります。
3. 経常利益
日本たばこ産業は国際会計基準(IFRS)を適用して会計報告をしていますので、経常利益の報告はありません。
収益性については営業利益と純利益で確認していきたいと思います。
4.当期利益
次に先ほど確認した経常利益に一時的に発生した特別利益または損失を合計した当期利益について見てみたいと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1730869395-jZLJ9XPz6xBwl7iNWH3IYpsk.png?width=1200)
グラフより、昨年の3Qの純利益とほとんど同じ値となっていることが分かります。昨年が4,420億円だったので、今回の4,424億円は昨年比率で0.1%増加したことになります。
通期の業績予想では4,670億円と前年比3.2%減益になる予想としていますので、3Q時点での0.1%増益は業績予想の通りに推移しています。
5.純資産
続いては、純資産の推移を見てみたいと思います。以下の図が各四半期での純資産の額[兆円]を示しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1730869605-2jLCOQlHY1erAiaN6WIVJ3Py.png?width=1200)
日本たばこ産業はしっかりと利益を上げているので、純資産として積み上げることができています。ただし、円安による為替評価を反映した影響で前四半期からは減少する結果となりました。その影響はあっても、利益の積み上げによって昨年末と同程度の純資産となっていますので、今後には期待できると思います。
6.株価
これらの業績発表を受けて、株式市場は日本たばこ産業に対してどのような評価をしているでしょうか?株価がどのように動いたかという観点でチェックしてみたいと思います。
グラフは2Q決算発表(10/31)の前後数日間の株価推移を示したものです。
![](https://assets.st-note.com/img/1730869738-ESvA9x0pf2uldVo7WKBZyw1C.png?width=1200)
3Qの決算結果が10月31日に発表されましたので、翌日11月1日の株価が決算結果に対する市場からの評価ということになります。グラフから決算発表を受けて、発表の翌日に株価は大きく下落していることが分かります。今回の決算結果は市場が期待していたものを大きく下回ったということがこの反応から分かります。
では、もう少し長いスパンで見た株価の変動を見てみたいと思います。以下はここ6ヶ月間の株価の推移を示した図です。
![](https://assets.st-note.com/img/1730869775-NiLdT4jgnO1VxJhFICeufcbB.png?width=1200)
グラフから、5月頃から4,400円程度で推移していた株価は、日銀の利上げによる日経平均の暴落があった8月初旬には3,400円付近まで下落するしました。そこから株価は徐々に回復してきており、一時4,400円付近まで上昇しましたが、いまだに暴落前の株価まで戻すことができていません。今後の利益増加によって暴落前の株価水準を超えていけることを期待します。
7.まとめ
ここまで日本たばこ産業(2914)の四半期決算について見てきましたが、いかがだったでしょうか。
業績予想に対しては悪くない決算結果ではありましたが、決算発表翌日の株価は大きく下落したことから、株式市場の期待には届かなかったということが分かったことが分かったかと思います。
最後の4Qでどれだけ上積みできるかに注目したいと思います。
最後までご覧頂きありがとうございます。
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